■やさしいやちよ
「スカしている」と遠巻きにされる転校生の秋野に、
唯一優しく声を掛ける八千代。
家が貧乏でも頑張っていつもにこにこしている八千代に
しだいに惹かれていく秋野。
秋野が誰の言葉にも惑わされず、
八千代の優しさ・強さを理解して
その上で惹かれているのが良かったなぁ。
秋野も優しい子ですね。
■やさしくないやちよ(描き下ろし)
なるほど、子供には男同士がチューする
発想がないわけですね…!
お風呂で夢を壊す八千代に笑ったw
■あをいあらし
転入生・吉森と委員長・山口。
オープンゲイとクローズドゲイの話。
開けっ広げな吉森も
心に秘めている山口も
少し痛々しくて胸が苦しいです。
でも、お互いの存在が救いになります。
辛いこともあったけど早めに出会えてよかったな~。
山口のビー玉のような涙が綺麗で
はにかんだ笑顔が愛おしかったです。
■とをいあらし
吉森が不幸にしてしまった先生。
どうなったのか心配していましたが
それなりに幸せになっていて安心しました。
あんな目にあわされたのに自分が悪いって
考えてる先生…めちゃくちゃいい人。
そんな人だから吉森も好きになったんだなぁ。
吉森のその後をそっと目にして
ちゃんと区切りをつけられた最後の描写が
控えめだけどすごく胸に来ました。
素敵な奥さんを大事にね…!
■猫を探して
片思いの相手に偶然出会い、
ラストチャンスだと思って
「猫を探している」とうそをついて
一緒にいる時間を引き延ばす話。
も~、可愛いんですこれが…!
そして徐々に分かってくる両想い。
めちゃくちゃニヤニヤします。
どちらも好きになったきっかけは
吹けば飛ぶような些細な出来事なんですよね。
やはり男同士の壁は存在して、
「大変なんだな 男同士って
触るのに一年かかった」
と言うのがほろ苦くて好きでした。
■猫よりかわゆい
遠恋中の二人。
不安になったら即会いに来てくれる
高山くんが男前で素敵だった!!
沢木1号もかわゆい。
物理的な距離は変わらなくても
心の距離は少し縮まって微笑ましいです。
■猫と手とって
相手の躊躇が自分も躊躇させるって分かるなぁ。
このカップルのいいところは、
相手をちゃんと尊敬してるところです。
実は沢木にリードされていると思う
高山のモノローグがすごく好き。
朝チュン程度だけど初エッチ!!
これはドキドキしましたね~。
■パンドラの箱
ここまでほっこり系の話でしたが
これは病んでます。
ものすごく計画的な執着攻め。
この話は「2年3組の面々」に繋がります。
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見過ごしてしまいそうな小さなエピソードを繋いで
細やかな心理描写でお話を綴られています。
傷にならない程度に軽く爪を立てられているような
ピリピリとした痛みが癖になってくる作家さんですね。