掌の檻 (リンクスロマンス)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
3.71
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本棚登録 : 163
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344835108

作品紹介・あらすじ

会社員の数馬は、ある日突然、友人にヤクザからの借金を肩代わりさせられ、激しい取り立てにあうようになった。心身ともに追い込まれた状態で友人を探す中、数馬はかつて互いの体を慰め合っていたこともある美貌の同級生・雪也と再会する。当時儚げで劣情をそそられるような美少年だった雪也は、精悍な男らしさと自信を身に着けたやり手弁護士に成長していた。事情を知った雪也によってヤクザの取り立てから救われた数馬は、彼の家に居候することになる。過保護なほど心も体も甘やかされていく数馬だったが、次第に雪也の束縛はエスカレートしていき-。

感想・レビュー・書評

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  •  ( 帯 )
     絡めとられ、支配される悦びー

    ヤクザからの借金を押し付けられ、厳しい取り立てに悩まされていた会社員の数馬は、人気弁護士に成長した同級生の雪也に救われるが•••。


    最終的にはハピエンです。
     結構、他の作家さんのここまでの執着ものだと本当にそれで良いのか?と受けや周りにに問いたくなるものが多いが、宮緒先生は見事に魂を捧げた執着愛を昇華させて下さいました。
    この作品はこれからも二人お幸せにと祝福出来る、深海の様な愛です。

  • あれ?レビューを書いたはずが、消えていた…。

    初・宮尾葵先生作品でした。なので、今回は完全なるジャケ買い。座裏屋先生の美麗イラストに吸い寄せられるように手にしていました。

    執着ものです。高校生のときに出会っている攻と受が、とあるきっかけで疎遠になり数年後。受が困っている状況で、まるで救世主のように攻が現れて助けてくれて、昔のことも気にならないよという風に優しくしてくれます。

    受視点で話が進むのですが、読者には分かるように色々とヒントを散りばめてくれていて、だんだんと攻の掌の中に落ちていく受を楽しみつつ、受の心境変化を読みながら「あー、それ絶対飲んだらダメなやつよ、受ー!」みたいな神様視点ツッコミもできます。
    その上で、いやでも攻がここまで好きなんだったら受よ、彼を受け入れておくれよとも思わせるのがすごいなあと。最後は、好き嫌いの分かれるものだと思いますが、個人的には大団円だったように思います。

    受が待ちきれなくて自分で〜攻が帰宅〜という流れが好きでした。攻がすごく女性的で、でも執着心と嫉妬心が半端なくて、受を手にいれるために年単位で外堀を埋めてきている感じが、たまらなく好みでした。

    メイン二人が、そうせざるをえなくなる状況とか背景とかも上手で、読んでいくうちに、これは彼らに取ってはハッピーエンドなんだと思わせられる手腕が素敵。

    そして挿絵が垂涎ものです。座裏屋先生のイラストは、いつ見ても美術品のようですね。堪能させていただきました。

  • 人気弁護士×会社員

  • サンプルはあまり好みではなかったものの作者様買い。しかしながらあまりに現実にはありえないアンビリーバボーだったのと攻め様が女性的?中性的?に美人っていうのは萌えの対象じゃないと気付きました。執着度合いもあまり好みではないし、そろそろ作者様買いは打ち止めかな…。

  • 座裏屋蘭丸万歳!……って感じでした。すみません……

  • 腹黒…っ、と思いつつ、まあ表紙の雰囲気である程度予想できたけどさ。
    うーん、これってただの吊り橋効果?お互いどこが好きなのかよく理解できなかった。特に最後あっさり受けが攻めを赦して愛してるとか…。

    あと攻めがよく使う「ふふ、」の表現がイヤかも。いかにもキャラ作ってる感じで。

    テンポは速くて読みやすいのですが…
    作家買いしてるけど自分的にデビュー作を越える作品がなくて残念。

  • 同級生だった雪也×数馬

    同窓会で再会する二人。執着愛でストーカーもの。
    雪也は弁護士なんだけど、仕事もきちんとこなし手の込んだ料理も見事にこなす万能ぶり。
    ハーブを育て、手作りハーブティーまで作る徹底ぶり。
    雪也は数馬の味覚までも変えてしまう。
    ここまでの執着愛を見せられ読んでて少しゾッとしました。
    会社のコーヒーを飲んで吐き気を感じ、雪也が作った料理以外は一切受け入れなくなる。
    外は敵ばかりだと感じる数馬→そして立派な引きこもりに…

  • あー……なんというか。
    合わないものは、合わない。そういうことかな、と。
    前回からもう宮緒さんはいいかな、と言ってましたが、表紙絵のあまりの美しさにふらふらっと惹かれ……。

    宮緒さんの代名詞といえば執着攻なんですが、私はどうもこの宮緒攻が鬼門でして。
    他の作家さんの執着攻は大好物なのにね、何度読んでもどれを読んでもデビュー作以外は駄目でした。今回もやっぱり。

    というのも、執着する理由が弱いです。
    ここまでの執着を見せるなら、そうなるべくもっと強い理由付けが欲しいのです。
    理解できないのが執着攻という生き物なのは分かってはいるんですが、今回の攻も全然理解できない。
    社会的地位のある敏腕弁護士様でありながら、仕事よりクライアントより何よりも受が第一、平気で周囲をほっぽって受のために東奔西走。
    じわじわと真綿で絞めるがごとく受を飼い殺し、洗脳し、調教し、最後にはしっかりと自分の掌の上で転がしてにやぁ……。

    もうね、凄く気持ち悪くてこわいんです、この攻(褒めてます)
    受の境遇も何から何まで、実は全部攻の仕組んだ罠でした、ぜ~んぶ最初っからこうなることは決まってました。
    二人だけの世界を構築して何か気がつけば洗脳されちゃった受と一緒にハッピーエンド。
    受が幸せそうなので別にいいんですが、攻も受もどっちも好きになれないタイプで、読んでて苦痛でした。
    唯一の救いが、購入の決め手になった挿絵なんですが、本当に美しいです。
    扉絵の美しさに至っては、もうため息が出るほど。
    特に印象に残っているのは、作中、攻が受を抱きしめてにやぁ……となってるシーン。
    鳥肌が立つほど薄気味悪い攻を、目の表情だけでしっかりと描き出されていて、こんな危険なやつ野に放ってたら危険だよ!! というくらい怖い。

    結局最後まで、怖い、不気味、ねっとり、どろどろ、何とも言えない纏わり付くような不快感、という結構な仕上がりになっていました。
    好きな方はとことん好きな設定だと思いますが、駄目な人は多分徹底して駄目。
    作品としてのクオリティは高いのではないでしょうか、破綻はしていません。
    でもこわいです。宮緒さんに免疫ない方は覚悟してどうぞ。

  • 高校時代全生徒の憧れの的だった数馬が、その頃つき合っていて一方的に別れてしまった同級生の雪也と再会するところから始まる、重くて仄暗いエロスてんこ盛りのストーリーです。
    再会愛…とも言えそうですが、念がこもった執着がハンパ無くて背筋がゾクゾクしました!
    センセらしい個性がギュギュッと詰め込まれ、存分に生かされたお話だと思います。

    互いに26歳、数馬は外資系企業の営業部で働き、おとなしかった雪也は男らしく成長して「正義の弁護士」として巷でも有名な存在になっていて、大人の男が主役なのが私的ツボでした。
    過去の仕打ちを後悔している数馬と、そんな彼のことを未だ根に持ってるのかどうか不明な雪也との関係がどう発展していくのか目が離せなくなりました。
    雪也が数馬に対して何のこだわりも無く、しかも親切で優しいんですよね。それが果たして本心なのか?偽りなのか??最後までドキドキさせられてしまいました。

    ドロドロのエロもすごく煽られました。
    復讐とか仕返しとか、そんな浅いレベルじゃないのが圧巻です。
    徐々に抱くほうから抱かれる方に調教されていくところとか、萌えました。雪也のヤンデレがほんとに優しくて親切でコワい。数馬の変化がじっくり描かれていて高レベルなエロスです…
    執着からの支配、後悔からの依存…
    再会までの抜かりない準備…!コワすぎ。これでもか、これでもかと出てくる真実に後々震撼とさせられる結末です。

    でも、意外に悪くない後味なんですよね。真実が暴露されてもなぜか、とてもハッピーエンドなんです。
    数馬と雪也に純粋な人間性が感じられて安堵させられるし、雪也の執着の裏にある優しさや愛情が偽物ではないからですね…

    座裏屋蘭丸センセのイラストがぴったりでした!カラー口絵がすごくエロス。

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著者プロフィール

(みやお あおい) 2011年プラチナ文庫『堕つればもろとも』 (フランス書院)にてデビュー。以降、BL各社で活躍中。

「2016年 『シークレットクルーズは危機一髪 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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