初恋 (バーズコミックス ルチルコレクション)

著者 : 一樹らい

• 幻冬舎コミックス (2017年10月24日発売)

感想・レビュー・書評

[よっしーさんの感想 · 2020年12月31日]

短編2話。
どちらも女装した男の子が出てくるストーリー。

表題作は、何事にも1番や正しいことに拘りつつ、都合の悪いことからは目を逸らしてしまう遊佐が主人公。
遊佐がこれまで自分が目を逸らしてきたことを振り返るシーンは、自分自身にも当てはまるようで感情移入してしまいました。
女の子っぽい男の子は、下手をすると女の子に見えてしまうけど、作者さんの絵はそんな事がなくて良いです。

[暦さんの感想 · 2017年11月17日]

小学生の頃、なんでもできて目立つ少年だった遊佐。自分は「勇者」のように特別なんだと思っていたある日、洋館にとらわれるように暮らす「姫」と出会う。「姫」を外へ連れ出す「勇者」になると誓った矢先、「姫」が男の子だったことを知り、驚き拒絶し逃げ出してそれっきり。ずっと心の奥底にいた「姫」が亡くなったと聞いて以来、無気力になった遊佐は高校で、勉強も運動も苦手なのに一生懸命で頑張り屋の姫川に惹かれていく...

とても良かった...好き...「姫」は体が弱くて先が長くないと言われていて、さらにとある事情から女の子として過ごしていて、洋館から出ることもできず、外の世界はどうなっているんだろう、と囲まれた世界から外へ思いをはせるだけだった...そこに現れた１人の「勇者」...彼が手を差しのべてくれたから、「姫」は変わったし、懸命に生きる今がある。「勇者」にもう一度会いたくて、背負うには重すぎるものを抱えながら、元気に笑顔で懸命に健気に何事にも手を抜かずに頑張ってる姫川が本当に愛しくて...胸が切なくなって...遊佐もいろんな葛藤でぐるぐるしてて...ぐるぐるしてるから姫川を傷付けたり...姫川めっちゃかわいいから読んで...ちょっとした仕草や反応たまらんから...