- 本 ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344846487
作品紹介・あらすじ
大人気長編ファンタジー、待望の番外編第二弾!! かつて帝国に滅ぼされた沙漠の都市国家アルハン。その元王子で、水を浄化する力を持つファルバーンは、大貴族《黒狼公》となった尚書卿ヤエトに正式に召し抱えてもらうため博沙国を訪れるが、そこにヤエトの姿はなかった。目的を失い無為の日々を過ごす中、博沙相からアルハンの水源調査を依頼されたファルバーンは、北嶺から借り受けた鳥に乗って、なぜかやって来た皇女、鳥の世話役アルサールらとともにアルハンの呪われし廃墟、地下迷宮に向かうが――!? 表題作ほか、ヤエトの養子・キーナンの学園生活をコミカルに描く「ヘルムデル先生の帽子」、目覚めたヤエトのもとにオールキャラ勢揃いで押しかける本編の後日談を同時収録!!
感想・レビュー・書評
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この作者さんの文章は、水のようにすらすらと読め、言葉が脳のフィルターに引っかかることなく、直接映像が脳内に描かれる感覚で楽しめる。毎回楽しみにしている。
「ことば使いと笑わない小鬼」
ファルバーンの視点でのお話。やりたいこととか、目標とか目的とか、そもそも自分自身を見失ったような、かといって悲観的になるわけでもなく淡々とした状態のファルバーンが、指示を受けて言われるがままに地下迷宮での調査に向かう。伝達官と皇女とアルサール(と鳥)と過ごすことで、なにかを取り戻す、あるいは得る、お話。ファルバーンは登場人物の中でも好きなキャラクターで、今回彼の思考を知ることができたのは良かった。
「ヘルムデル先生の帽子」
キーナンの学園生活を、彼の手紙の下書きをたよりに描かれている。キーナンの独白は楽しく(ヤエトのそれに似てるな)、新キャラである友人たちとのかけあいは楽しい。厳格なヘルムデル先生との関係の着地点がとてもいいな、と思った。
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かつて帝国に滅ぼされた沙漠の都市国家アルハン。その元王子で、水を浄化する力を持つファルバーンは、大貴族《黒狼公》となった尚書卿ヤエトに正式に召し抱えてもらうため博沙国を訪れるが、そこにヤエトの姿はなかった。目的を失い無為の日々を過ごす中、博沙相からアルハンの水源調査を依頼されたファルバーンは、北嶺から借り受けた鳥に乗って、なぜかやって来た皇女、鳥の世話役アルサールらとともにアルハンの呪われし廃墟、地下迷宮に向かうが――!?
刊行後すぐに購入したもののずっと積んでいた。あーもうなんですぐ読まなかったんだ過去の私!!本編を読み返して間もなく読んだので、世界観に浸ったまま楽しめました。皇女を含めヤエトの周りの人も、ヤエト自身も、少しずつ変わっていって、最初のときとはずいぶん違う姿になったよねと感慨深い。キーナン目線での短編は意外だなと思うところも多くて、本編では影が薄かったのでこういう風に思っていたのか!とびっくりしました。養子になるって我々の感覚だと分からないところが多いけど、貴族はよくあることだし、割り切っているのかなとは思ったけど、それとは別にきちんとこの子はヤエトを尊敬して近づきたいと願っているんだな。いい領主になるでしょう。明るい未来を示唆する終わり方で良かった。 -
大好きな本の番外編。買い逃していたら地元の小さな書店にあったので即買いしました。今回ヤエトは最後しか出てこないんですけど、先の気になっていた二人の話が読めて良かったです。ファルバーンと若様は良い主従になりそう。ヤエトはやっと元気になったので、願わくば、この先が見てみたいなあ。
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短編集。
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ファルバーンが帰る処を得られて嬉しい。
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そうかヴァレルーンは残念な美形なのだな。イラストが無いのが惜しい。あと、鳥も見たいし。
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本編の主人公であるヤエトといいこの本で中心であったファルバーンといい、わりと感情の起伏がない人が中心部に据えられていると、周囲の感情の動きが眩しく感じられて、個人的には感情の起伏が少ない方に引き摺られがちだと気付かされた一冊。それぞれの感情の動きと、そこに絡む周りの人達の交流が心地良かった。
あと若様にヤエトの想いが受け継がれていく様子が思い浮かぶようでとてもよかった。 -
若者が主人公の番外編。GWに読めて満足。欲を言えば、もうちょっと鳥成分が欲しかった(笑)。姫様が楽しそうでよかったです。
妹尾ゆふ子の作品





