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Amazon.co.jp ・本 (204ページ) / ISBN・EAN: 9784344913868
感想・レビュー・書評
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海外駐在経験もあり今も所謂グローバル企業と呼ばれる会社で働いているが、なるほどと思わせる点が多い。特に自己アピールをしないと認められないというのは、その通りで外国人の部下を持つ身としても自己アピールがないと評価しづらい。
以下、押さえておきたい4文。
・チャンスは単なる偶然でやって来るのではなく、準備したところにやって来ます。そのためには能動的であるべきで、「これができる」という表明は格好のポジティブな手段です。
・漠然と「こうなりたい」という思いを頭の片隅に置いて行動している人は、実現に近づけるような出来事や人物に対して自然と意識が向きます。無意識のうちに願望の実現に近づくような事柄が起きやすくなり、結果的に「こうなりたい」という思いを具現化できるのです。
・他人の意見に流されることなく、「個」として考え判断する。そのためには、「自分軸」が必要です。自分は何が得意で、何を大切にし、何を心の拠り所としているのか。価値観を含めた「自分」を理解・認識することが重要です。
・自分が何をしたいのか、なぜそうするのか、言葉で説明できる状態にしておく。求められたら論理的に述べられるようにする。常に自分に問いかける姿勢が大切なのです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・日本人が外国人と比較すると「自分は何が出来る」かを話さない点については納得させられた。特に印象的なのは、ただ主張をしないという論点ではなく、日本人は自己紹介や自己PRにおいて「自分は人事コンサルである」というが、外国人は「自分は人事コンサルをしていて、スムーズなPMIに強みを持っている」と、自分の職業ではなく、その中で何をするかを話す傾向にあるという点である。
自分もこれから働くにあたって、良い意味で、職種を無視して経験を積み重ねていきたい。 -
新書/文庫紹介
『外国人と働いて結果を出す人の条件』
山本 紳也 著
幻冬舎メディアコンサルティング
2017/09 204p 800円(税別)
1.「専門性」を身につけ活かす
2.「論点」を捉え「論理思考」で説明する
3.話し合いではなく「議論」をする
4.他人との「違い」を楽しむ
5.仕事も趣味も積極的に「経験」する
6.客観性だけでなく「感性」を大切にする
7.自らを深く理解し「自分軸」を持つ
【要旨】海外赴任でなくても、国内外で外国人や日本以外の文化背景を持つ
人と一緒に仕事をする環境が、とりたてて珍しくはなくなってきている。だ
が、現状はグローバリゼーションの過渡期ともいえるため、対応しきれてい
ない日本人も多いのではないだろうか。そこで本書では、日本以外の文化や
価値観、コミュニケーション、行動様式に上手に対応し、スムーズにトラブ
ルなく仕事を進めるための条件を紹介。帰国子女でもある著者が、組織人事
コンサルタントとして数多くの外国人と共に働く、あるいはクライアントと
して接した経験をもとに7つの条件を提示。それぞれに1章を当て、自身の
経験談などを交えながら解説を加えている。著者は株式会社HRファーブラ代
表取締役。15年以上プライスウォーターハウスクーパースジャパンのパート
ナーとして人事・チェンジマネジメント部門をリードしてきた。
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●グローバルビジネスに必要なのは語学力よりもまず「専門性」
私自身が帰国子女であり、外国人相手のビジネスに30年以上携わってきた
立場からいうと、グローバルビジネスでまず必要なのは語学力ではなく、仕
事上の「専門性」です。
日本のビジネス文化においては、自己紹介をする場合、出身大学や所属企
業など過去・現在の所属先から話し始め、これまでにどんな企業で実績をあ
げているかを説明するのが一般的です。その上で個人として何を専門とする
かを細かく話します。
英語で外国人に自己紹介するときは順番が逆です。所属する会社の名称よ
りも、自分がどんな専門性を身につけているかを中心に仕事のキャリアを紹
介します。どんなスキルを持っているのか、どんな専門性があって何をサポー
トできるのか、個人が提供できるメリットを伝えるのが先です。
また、海外のビジネスマンの考える専門分野の区分けは日本よりはるかに
細かいものです。私は「人事コンサルタント」として活動しているので、日
本では「山本さんは人事の専門家だ」と捉えられています。私もそう考えて
いたのですが、あるとき、非常にショッキングな出来事がありました。外国
の友人に「あなたには専門性がない」と言われてしまったのです。
彼は私が人事コンサルタントだと知って、その上で「何をしているのか」
と聞いてきました。実際に、海外では人事コンサルタントのなかでもそれぞ
れ「戦略の制度化」「報酬」「リーダー育成」において専門家がいます。
細かく専門性を分けてキャリアを組み立てるのには、日本と海外での仕事
に対する考え方の違いもあります。海外のビジネスでは、スキルを持った「個」
が高いレベルの専門性を持ち寄り、議論することで新しい発想やビジネスを
生み出すのが良しとされます。もちろん互いの専門分野は異なりますが、だ
からこそ、専門性や精度の高いアイデアをぶつけたり、異なった視点や考え
を混ぜたりすることで新しいものを生み出そうという気概が強いのです。も
し自分の強みや専門性を説明できなければ、ビジネスの相手として入口に立
つことができません。
●日本式の「お話し合い」ではなく国際標準の「議論」をする
ある企業の新人研修を行った際、グループディスカッションの時間を設け
ました。各テーブルを回ってみるとかなり活発に発言が交わされています。
しかし実際のプレゼンを見ると、グループ内で出てきた意見が箇条書きされ
ただけだったのです。意見はたしかに出ていました。しかし、相手に賛同し
たり反論したり議論したりしたプロセスがまったく見られません。どうも「みん
なの意見を取り入れる」ということが目的になっていて、議論をせずに収め
るのがよいと考えているようでした。
日本で行われているのは「お話し合い」です。話し合いと議論は大きく異
なります。
議論の本質は、相手の意見を聞いていったん受け止めたあと、自分の主張
を述べて、さらに相手の反応を得る。この繰り返しから、新しい何かを生み
出すことです。ひとつの事象に対して、Aという意見とBという意見がある
なら、どちらかが納得して片方を選ぶ決断をするか、お互いの意見から新し
いCを見つけるのか、言葉を使ってその選択をするのが議論です。全部を取
り入れてきれいにまとめるだけでは、議論としては成立していないのです。
日本企業の研修などで行われている議論を見ていると、「これを言ったら
相手が嫌がるかもしれない」という遠慮を感じることがあります。しかし、
グローバルな場で議論をする場合、相手は異なった価値観を持っているため
「相手が嫌がること」が何か、正確にはつかめません。
そんな相手と議論をするには、まっすぐ自分の考えや思いを差し出すのが
一番です。出してみて、相手の反応を見てどうすればよいのか考える。出し
た意見に対する反応が相手の思考を知る手がかりです。「こう感じたのか」
という情報を得た上で、新たにどんな主張を伝えるか考える。議論はその積
み重ねです。
こちらも人間なので、議論をしているとムッとする意見に出合うことがあ
ります。議論の場で気に入らない意見と出合ったとき、心がけるべきなのは
「傾聴」です。傾聴というのは、聴いて理解することです。同意したり賛成
したりすることではありません。
仮にA候補とB候補がいたとして、あなたはA候補が当選すべきだと考え
ているとします。B候補のことは人間的にあまり好きではなく、実際に当選
したらいろいろな問題が発生するだろうと予測しています。そんなとき「B
候補が当選すべき」という意見の人と出会ったらどうすればよいでしょうか。
まず傾聴の姿勢で、彼の意見を聴いてみます。聴き続けていると、彼は彼
なりの理由で「B候補がよい」と判断しているのだとわかります。聴き終わっ
たあと、もし納得した部分があればそれを伝えます。納得しない部分があれ
ば、なぜあなたが「違う」と思うのか、理由を述べて反論すればよいのです。
それが議論です。
●「違い」は「間違い」ではない。成長の糧と思ったほうがいい
人は、慣れ親しんだ習慣や考え方とは違うものと向き合うと、大きなスト
レスを感じます。人として自然な反応ではありますが、もしグローバルビジ
ネスの舞台に立つならば、「違い」は受容していかなければいけません。な
ぜなら周囲が日本とは違うことだらけになるからです。
むしろ出会った「違い」を楽しみ、新しい経験と成長の糧だと思ったほう
が豊かな人生を送ることができるでしょう。「違い」は「間違い」ではない
のです。
「違い」について、怖いリスクだと思うと踏み出すのに勇気がいります。
でも「違い」に出合うことこそ、自分の引き出しと経験が増えるチャンスだ
と考えたらどうでしょうか。また、イノベーションは、まったく予想しなかっ
た要素から生まれます。もし想定できることだけで仕事を構成していたら、
広がりはありません。
さまざまな文化が入り乱れたグローバルな舞台では、一刀両断で正しさを
判断するのはとても難しいことです。あるアメリカのメーカーがベトナムの
工場で子どもを働かせていたのが問題になったことがあります。労働事情を
知った消費者は不買運動を起こし裁判所にも訴え、企業は新聞にお詫びの全
面広告を出すまでの騒ぎになりました。
しかし、子どもの労働をなくすと現地では飢えてしまう人たちがいるのも
事実です。工場からの給料で生活に少しだけでも余裕を持てた人がいる。ひょっ
としたら働かされたことよりも、雇ってもらったことに感謝している子供や
家族がいたかもしれません。決して児童労働を正当化するつもりはありません
が、先進国の倫理観や常識と現地の感覚は必ずしも一致しているわけでなく、
どちらかの「正しさ」がもう片方を圧迫している可能性もあるのです。
グローバルなビジネスにおいては、どの論理を選択するかは「個」の判断
によるケースが多くなります。もし本社が指示を出したとしても、現地拠点
の責任者が自分のクビをかけて「社長はそういっても自分の考えは違う」と
思い、行動することもあるでしょう。「個」がとことん考えて判断し、行動
を選択する原則は世界で共通しています。
日本企業ではあまり見かけない意思決定だと思います。実は本社のやり方
に反対したいと思っていても、組織の考えを優先して「個」の思いは封印し
ます。日本の組織では通用するかもしれませんが、グローバルな舞台でこれ
をやると、周りは「この人は何を考えているのだろう」「この人に意思はな
いのか」と不安になってしまいます。海外で外国人たちを相手にしていると
きは、組織ではなく自分の考え方を整理してください。
コメント:海外とひと口にいっても国ごとにやり方は異なるだろうが、グ
ローバルなビジネスにおいて個の判断で仕事を進められるのは、ジョブディ
スクリプション(職務記述書)において業務範囲が明確になっており、さら
にその業務範囲において、その人が「プロ」とみなされるからなのだろう。
日本人が組織の考えを優先するのは集団主義の文化が基礎にあるとともに、
日本式の仕事の任せ方に理由があるのではないか。今後、日本企業がグロー
バルなビジネスを加速させるときには、仕事を任せる仕組みも見直す必要が
あるのかもしれない。
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