マネーロンダリング入門: 国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書 た 1-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980099

作品紹介・あらすじ

マネーロンダリング(資金洗浄)とは、テロ資金や麻薬・武器密売・人身売買などの犯罪で得た収益を、海外の複数の金融機関を使って隠匿する行為をいう。本書ではカシオ詐欺事件、五菱会事件、ライブドア事件などの具体的な事例をもとに、初心者にもマネロンの現場が体験できるよう案内した。専門知識はなにひとつ必要ない。グローバル化、大衆化したマネロンによって、いまや世界の仕組みが変わりつつあることを読者は知るだろう。

感想・レビュー・書評

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  • 普通に生活し、金持ちではないが普通の生活を送っている自分にはあまり関係ないかと思いながら読み進めたが、あとがきを読んでハッとさせられた。
    結局のところ一国の租税制度は部分最適でしかなく、しわ寄せは中流層に来る。
    中流層に果たして身を守る術はあるのか。あるとすれば、よく税金について学び、積極的に政治に関与していくことだろうか?

  • タイトルとは異なり、マネーロンダリングが体系的に学べる訳ではない。
    情報が古いものの、読み物としては面白い。

  • 仕事でAMLと言う単語が飛び交うようになり、手に取った一冊。ヤクザがプライベートバンクを使う話から始まり、テロ組織、個人レベルのマネーロンダリングも出てくる。国際送金の話は普段の生活でも触れる話であり、仕組みが学べたのは良かった。また2006年の本だが、イーゴールドの紹介の中で、中央集権でない仕組みがあれば超通貨が出来るだろうとあり、ブロックチェーンと暗号資産も示唆されていたように見える。

  • いや~とにかく面白かった。

    海外に投資をしようと思ってから
    とたんにグローバルな金融の実情が自分の視野に入って来るようになってきた。

    以前は「法の目をくぐり抜けるってどういう事ですか?」
    「くぐり抜けられない法律を作ればいいじゃないですか。」
    と、単純に思っていたのだが
    現実はそんなに単純ではないことが、だんだん分かってきた。


    なぜ、法の目をくぐり抜けられてしまうのか。
    それは世界の主権国家がそれぞれ法律を作っているからである。

    世界の国家の数は190以上。
    世界の通貨の種類は100以上もある。

    一国の法律と通貨でも、税金を計算するのには税理士が必要なのだ。
    二ヶ国間、三ヶ国の取引と複雑性を増していけば
    どこかで必ず「法律では規定していない取引」ができてしまう。


    金融とは、その本質においてグローバルなものである。
    そこに無理矢理国境という線を引こうとしたところに、制度の綻びの原因がある。



    なので、制度と通貨が世界共通になることが
    法の目を張り巡らすための必要条件であるが
    世界政府と世界通貨などというのは、いまのところ夢のまた夢である。

    だが、グローバル経済は、制度の矛盾などいっさい気にかけずに猛烈な勢いで世界を駆け巡り
    一般人までもがその流れに追随するようになってきた。


    経済のグローバル化のなかでマネーが国境を超えて移動し、次いで企業が多国籍化した。
    そしていま、個人の国籍離脱が始まっている。

    マネーロンダリングはたんなる金融の世界にとどまらず
    こうした世界史的な変化の中でとらえる必要がある。

    個人の「多国籍化」「無国籍化」こそが、グローバル資本主義の終着点なのだ。
    本書では、これを道徳的な善悪の問題として議論しない。
    私たちは、こんな世界に生きている。



    なんか怖いね。

  • タイトル通り、マネーロンダリングについて実際の事例とともに書かれている本。著者の知識に感服。

  • 本書との出会いは偶然見かけた古本屋の店頭だった。餌箱的に用意されている一冊50円の箱から躊躇なく手にしていた本だった。だが、その出会いは僕にとっては非常に刺激的な出会いとなった。何故なら僕の見立てだとここ最近起こった我が国には稀な事件の発端と経緯が読み解けたからだ◎
    我が国初の海外放出のマネロンの総額が4兆円!これもなんとなく理解可能な数字だし、911以降のテクノロジーの展開もまさにだしね(^^)
    そして著者最後の一文には激しく同意であることは言うまでもない◎

  • カシオの事件等 事実の話は読み応え有
    マネロン、租税回避 人はどんどんグローバル化している
    ある人間には国籍そのものが邪魔になりそう

  • 興味深く読んだが、難しく感じた。もう一度読み直したい。


  • 小説と同著者で06著なので情報が古いと思われるが当時の合法的な節税・脱税の話。現実に起きたマネロンの事件を挙げ解説している。カシオから120億円の資金が流出した国際金融詐欺事件、クレディ・スイスやプライベートバンクの話、マネロンの歴史から金融のグローバル化と大衆化がもたらす未来の話。小説のもとのような話もありなかなか面白い。
    金融市場の最大のプレイヤーは年金基金や生命保険会社などの機関投資家であり、数億円程度の個人投資家は影響力がない。プライベートバンクの存在意義は、富裕な個人投資家に新興市場も含め多様な商品にアクセスできるようにする事、法人や信託など様々な取引主体が利用でき匿名性を上げられる。

  • 個人でできるロンダリングも所持金から考えて必要ない話ではあるものの、本を読まなければ知りえなかった世界に触れた気持ち。マネーロンダリングの実話の部分は興味が沸いた。あとがきにあった本は読んでみるつもり。

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著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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