- 本 ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344980228
感想・レビュー・書評
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大変感銘を受けました。
好きな音楽は?
と聴かれ、平気でJazzと答えていた自分が恥ずかしい。
同じように自称Jazzファンと謳っている人は全員読む
べきだと思います。
・月に何十枚もCDを買う愚か者
・Jazzなんて難しくないよ、と平気で他人にいう愚か者
・とりあえずスタンダードナンバーを勧めとく愚か者
著者はマイルスと親交があったせいか、
マイルスばかり偏重する傾向がありますが、
それでも妙に説得力がありました。
著者に言わせればJazzを聴くという事は、
音楽との戦いなんだとか。
嗚呼、私もちょっと自分を見直そう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2007年1月1日発売
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本書はジャズの入門書ではなく、「ジャズ道」の入門書だと著者は述べています。たしかに、ジャズに対して求道的なジャズ・ファンというのは存在しています。多くの初心者は、そうした難しくて怖そうな人を避けて、親切でやさしいジャズへの入口をさがそうとするのですが、著者はそうした「親切」はまったく役に立たないと断じます。
その一方で著者は、ジャズにまつわる膨大な薀蓄に埋もれてしまうのも、ジャズ道の正しいあり方ではないとも述べています。ジャズはなによりも音楽であり、「音楽を聴くこと」に徹底してこだわることがジャズ道への正しい入口だというのが、著者のスタンスです。本書のなかには、「ジャズを聴くことは闘いであると知るべし」という心得さえ掲げられています。「オシャレっぽいジャズをちょっとかじってみよう」というような初心者は、ハナからお呼びでないということなのでしょう。
本書では、マイルス・デイヴィスのIn A Silent Wayと、ビル・エヴァンスのWhat's Newの2枚がジャズ道への入り口として薦められています。次に、マイルスとビル・エヴァンスのアルバムがそれぞれ5枚、ブルーノートとECMのアルバムがそれぞれ5枚、さらに「現代の知的ジャズ生活を彩るベスト・アルバム」として、ノラ・ジョーンズやビョークを含む12枚が紹介されています。著者の評価の鍵語ともいえる「知的」ということばが、なにを意味しているのか明確ではないのですが、読者の参考にはなると思います。
著者の紹介の仕方はかなり独断的ですが、「我こそはジャズ道に参究せん」と考える初心者を強引に引っ張り込んでいく一つの方法ではあると思います。もっとも、ジャズ道に入門することさえ果たさず門前に立ちつくしている者としては、ご苦労様という感想しか出てきません。 -
絶妙。ここまで的確に読者の気持ちをつかむことに成功している本を私は他に知らない。本のタイトルと内容が見事に一致しているのも好印象。文体は軽妙洒脱、楽しんで読めます。
そんな風にぎゅっと心をつかまれてしまった以上、掲載されている推薦盤、買わないではおれないでしょう。しかしここに載っている推薦盤を聞いて気に入るかどうかは、当たり前ですが個人差が大きいと思います。
それを差し引いても、よくできている本と思います。著者に音源の売上のいくらかを支払ってもいいんじゃないでしょうか。売上に貢献していると思います。
本のタイトルに当てはまるあなたには強力にお勧めします。 -
2014年6月28日読了。中山康樹によるジャズ入門書。ジャズ入門というより、「いかにして『ジャズ道』に邁進するか・駄目なら諦めることも選択肢」とするある意味で厳しい(半分冗談ではあるのだろうが)「道」を説く本。「ジャズとは怖いものである・怖くなければ世の中にコレほど多くの『ジャズ入門書』が存在するわけがない」「入門用の口当たりよいやさしいジャズを初心者に聴かせて『ほおら、こわくないでしょう?』などと洗脳しようとするのはジャズマニアの悪意なき罪だ」などいかにも著者らしい言説が並ぶが、確かにシャレッとしたスタンダードナンバー(それ自体諸説あり)をいくら聴いても他のジャズを聴きやすくはならないし、ジャズファンにはなれない。難しかろうと敷居が高かろうと、本物のジャズを集中して何回も徹底して聴きこむことでしか、ジャズを理解することはできない、ということか・・・。考えてみれば、ロックであれポップスであれ「数曲聴いただけで理解したい」なんておこがましい発想だもんな。
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ジャズが聴きたいだと?だったらもっと真剣に向き合えよと、いきなり初心者を突き放すどころか門前払いするような勢いです。
なにオムニバスとか気軽なもん買ってんだ。いきなり頂点を聴いてみろと。
おすすめ2枚のうちのマイルスの「In A Silent Way」は、電子キーボードの音で始まっちゃうような、ジャズとよばれる中でも初心者からすればかなり異色のものなんじゃないの?というもの。
世間が何となくもっているジャズのイメージを、最初の段階であえてブチ壊し、そんなイメージだけじゃ語りきれないジャズの奥深さと難解さを突きつけます。
しかしこの選民意識と決めつけ感あふれるサディスティックな文章の裏には何があるのか。
ほんとにジャズを究めたいのか?
これ判らなきゃ聴くの諦めたら?
ジャズじゃなくてもいいんじゃないの?
人生の中で何を選ぶか選ばないか。選んだ中で突き詰めてみて、自信もって独自の世界観を持てと。そんなメッセージが込められてるんじゃないか。そう前向きに捉えることにしたほうがよいでしょう。
「最後のジャズ入門」とは、入り口でハンパにうろついている初心者へ、最後に引導を渡すという、決して救われることのない入門書なのだった。 -
はじめににて、「ジャズの神髄ならぶにその魅力に合理的にして最短かつ最速に触れるためのノウハウであり、それを強引かつ強制的に説いたものをジャズ道入門書」と書かれているとおり、著者の考え方が全面に出された入門書。
CDは月に2枚程度の購入にとどめるべき、CDは100枚前後の所有を善しとすべしなどは参考になる記述。
最近、音楽を聴く時間がめっきり減っているが、この本に書かれているアルバムを購入していきたい。
ジョニ・ミッチェルのことを好意的に触れていただいているのは嬉しい限り。彼女のアルバム「ブルー」を買ってみようかな。
マイルスの「イン・ア・サイレント・ウェイ」、エヴァンスの「ホワッツ・ニュー」の2枚は買いたいな。 -
音楽をジックリ聴いてみるか。JAZZに限らず。そんなことを思いました。
著者プロフィール
中山康樹の作品





