挫折し続ける初心者のための最後のジャズ入門 (幻冬舎新書 な 2-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980228

感想・レビュー・書評

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  • 大変感銘を受けました。
    好きな音楽は?
    と聴かれ、平気でJazzと答えていた自分が恥ずかしい。
    同じように自称Jazzファンと謳っている人は全員読む
    べきだと思います。
    ・月に何十枚もCDを買う愚か者
    ・Jazzなんて難しくないよ、と平気で他人にいう愚か者
    ・とりあえずスタンダードナンバーを勧めとく愚か者

    著者はマイルスと親交があったせいか、
    マイルスばかり偏重する傾向がありますが、
    それでも妙に説得力がありました。
    著者に言わせればJazzを聴くという事は、
    音楽との戦いなんだとか。

    嗚呼、私もちょっと自分を見直そう。

  • 2007年1月1日発売

  • 本書はジャズの入門書ではなく、「ジャズ道」の入門書だと著者は述べています。たしかに、ジャズに対して求道的なジャズ・ファンというのは存在しています。多くの初心者は、そうした難しくて怖そうな人を避けて、親切でやさしいジャズへの入口をさがそうとするのですが、著者はそうした「親切」はまったく役に立たないと断じます。

    その一方で著者は、ジャズにまつわる膨大な薀蓄に埋もれてしまうのも、ジャズ道の正しいあり方ではないとも述べています。ジャズはなによりも音楽であり、「音楽を聴くこと」に徹底してこだわることがジャズ道への正しい入口だというのが、著者のスタンスです。本書のなかには、「ジャズを聴くことは闘いであると知るべし」という心得さえ掲げられています。「オシャレっぽいジャズをちょっとかじってみよう」というような初心者は、ハナからお呼びでないということなのでしょう。

    本書では、マイルス・デイヴィスのIn A Silent Wayと、ビル・エヴァンスのWhat's Newの2枚がジャズ道への入り口として薦められています。次に、マイルスとビル・エヴァンスのアルバムがそれぞれ5枚、ブルーノートとECMのアルバムがそれぞれ5枚、さらに「現代の知的ジャズ生活を彩るベスト・アルバム」として、ノラ・ジョーンズやビョークを含む12枚が紹介されています。著者の評価の鍵語ともいえる「知的」ということばが、なにを意味しているのか明確ではないのですが、読者の参考にはなると思います。

    著者の紹介の仕方はかなり独断的ですが、「我こそはジャズ道に参究せん」と考える初心者を強引に引っ張り込んでいく一つの方法ではあると思います。もっとも、ジャズ道に入門することさえ果たさず門前に立ちつくしている者としては、ご苦労様という感想しか出てきません。

  • なんか、
    手に取ってしまった。
    で、
    はっきり物言うし、
    止めればいいよJAZZ!
    って、
    言ってる方なんですがそこに好感を持ったわ。

    んで、
    正確には、
    ジャズ入門ではなく、
    ジャズ道入門ですから!


    【ジャズは難しい】
    ジャズは難しい!
    と、
    よく聞く。
    かぐりん的には、
    聞いてて良ければいいじゃん!
    小難しく考えて聞くから難しいとなるんじゃないか?
    と、
    思ってたというか思ってるし、
    小難しく聞いてない。
    良いか悪いかのみで判断!

    中山康樹さんいわく、
    不慣れな音に対する嫌悪感なんだ!
    と、
    書いてるけど、
    じゃなんで聴こうと思ったの?
    と、
    考える。
    どうしてジャズを聴こうと思ったかの根本原因が起因してるのか。


    クレジットか!
    確かに、
    (vib)とか(tp)とかわからんが、慣れだな!
    上記と同じ。


    【CD】
    カインドオブブルー
    とか、
    ワルツフォーデビー
    とか、
    テイクファイブ
    の、
    CDのこととか書いてますが、なるほど!
    で、
    良いかな?


    ボーバストラックは納得した!
    と、
    ボックスセットは今は確かにいい!
    歳とってから買うかもね。


    【聞く構え】
    最初、
    東方系の音楽を聴いてるときもそうだった。
    聞きなれないと、
    聞きなれる!
    に、
    するのが苦痛かもね。


    すんなり入ってくる音楽と、
    聞き慣れないけど慣れれば好きになるするめのような音楽もあれば、
    今のレベルでは無理だが、後々好きになる可能性のある音楽もあれば、
    間違いなく無理なのも存在する。


    M3のイベントに行って、
    30枚とかCDをGETして聞くの大変だし、
    聞き込んで好きになる場合があるので1枚に対して最低3回は聞くようにしてたけど、
    疲れるよね、確かに。
    そう、
    かぐりんは最低でも3回は聞くスタンスです!
    それが初心者には無理だ!
    本の中では10回!
    と、
    書いてるけど、
    それが普通というか当たり前なんですけどね。。。


    【やばたん】
    本の中でオススメしてる、
    「マイルス・デイヴィス」の『イン・ア・サイレント・ウェイ』がやばたん!
    2曲入ってて、
    2曲目がイン・ア・サイレント・ウェイでこれもいいんですが、
    1曲目のシュー/ピースフルがキタァー!
    今は、
    こればっかり聞いてる!


    ヴィブラフォンが好きなんで、
    「ボビー・ハッチャーソン」の『ハプニングス』もいい!

    ちょっと落ち着くまで、
    この2枚を聞きまくる!
    この、
    2枚に出会えたきっかけ本としてこれ最高!


    【まとめ?】
    ジャズが難しいとか簡単とかどうでもいい。
    聞きたい人が聞けばいい。
    と、
    ジャズ喫茶に行けみたいな事も書かれてる!
    さて、
    これ書いたら行こう笑
    と、
    ジャムセッションを聞いて欲しいかな?
    おもしろい!
    高田馬場のイントロな!
    とか、
    ジャズ喫茶もですがバーも!
    朝霞台の停車場さんがオススメ!
    問題は、
    初心者が拍手できるかどうかだ笑
    かぐりんは戸惑った!

  •  絶妙。ここまで的確に読者の気持ちをつかむことに成功している本を私は他に知らない。本のタイトルと内容が見事に一致しているのも好印象。文体は軽妙洒脱、楽しんで読めます。

     そんな風にぎゅっと心をつかまれてしまった以上、掲載されている推薦盤、買わないではおれないでしょう。しかしここに載っている推薦盤を聞いて気に入るかどうかは、当たり前ですが個人差が大きいと思います。

     それを差し引いても、よくできている本と思います。著者に音源の売上のいくらかを支払ってもいいんじゃないでしょうか。売上に貢献していると思います。

     本のタイトルに当てはまるあなたには強力にお勧めします。

  • 2014年6月28日読了。中山康樹によるジャズ入門書。ジャズ入門というより、「いかにして『ジャズ道』に邁進するか・駄目なら諦めることも選択肢」とするある意味で厳しい(半分冗談ではあるのだろうが)「道」を説く本。「ジャズとは怖いものである・怖くなければ世の中にコレほど多くの『ジャズ入門書』が存在するわけがない」「入門用の口当たりよいやさしいジャズを初心者に聴かせて『ほおら、こわくないでしょう?』などと洗脳しようとするのはジャズマニアの悪意なき罪だ」などいかにも著者らしい言説が並ぶが、確かにシャレッとしたスタンダードナンバー(それ自体諸説あり)をいくら聴いても他のジャズを聴きやすくはならないし、ジャズファンにはなれない。難しかろうと敷居が高かろうと、本物のジャズを集中して何回も徹底して聴きこむことでしか、ジャズを理解することはできない、ということか・・・。考えてみれば、ロックであれポップスであれ「数曲聴いただけで理解したい」なんておこがましい発想だもんな。

  • ジャズが聴きたいだと?だったらもっと真剣に向き合えよと、いきなり初心者を突き放すどころか門前払いするような勢いです。

    なにオムニバスとか気軽なもん買ってんだ。いきなり頂点を聴いてみろと。
    おすすめ2枚のうちのマイルスの「In A Silent Way」は、電子キーボードの音で始まっちゃうような、ジャズとよばれる中でも初心者からすればかなり異色のものなんじゃないの?というもの。
    世間が何となくもっているジャズのイメージを、最初の段階であえてブチ壊し、そんなイメージだけじゃ語りきれないジャズの奥深さと難解さを突きつけます。

    しかしこの選民意識と決めつけ感あふれるサディスティックな文章の裏には何があるのか。

    ほんとにジャズを究めたいのか?
    これ判らなきゃ聴くの諦めたら?
    ジャズじゃなくてもいいんじゃないの?

    人生の中で何を選ぶか選ばないか。選んだ中で突き詰めてみて、自信もって独自の世界観を持てと。そんなメッセージが込められてるんじゃないか。そう前向きに捉えることにしたほうがよいでしょう。

    「最後のジャズ入門」とは、入り口でハンパにうろついている初心者へ、最後に引導を渡すという、決して救われることのない入門書なのだった。

  • はじめににて、「ジャズの神髄ならぶにその魅力に合理的にして最短かつ最速に触れるためのノウハウであり、それを強引かつ強制的に説いたものをジャズ道入門書」と書かれているとおり、著者の考え方が全面に出された入門書。

    CDは月に2枚程度の購入にとどめるべき、CDは100枚前後の所有を善しとすべしなどは参考になる記述。

    最近、音楽を聴く時間がめっきり減っているが、この本に書かれているアルバムを購入していきたい。

    ジョニ・ミッチェルのことを好意的に触れていただいているのは嬉しい限り。彼女のアルバム「ブルー」を買ってみようかな。


    マイルスの「イン・ア・サイレント・ウェイ」、エヴァンスの「ホワッツ・ニュー」の2枚は買いたいな。

  • マイルスデイヴィス、ビルエヴァンスなどの有名人の紹介がある。
    ブルーノートなどの記事もある。

    ボックスセットを買うなという記事がある。
    資料として買うのならいいのではないかと思った。
    いろいろ課題があるのを、知らずに買うなという趣旨だと理解しました。

  • 音楽をジックリ聴いてみるか。JAZZに限らず。そんなことを思いました。

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著者プロフィール

1952年大阪生まれ。『スイングジャーナル』編集長を経て音楽評論家。ロックにも造詣が深くビートルズ系の本の中でも『ビートルズを笑え!』は辛口でありながら面白く書かれている。オノ・ヨーコに批判的で日本語が読めるオノに対して批判する評論家としては希有な存在。主な著書に『マイルスを聴け』(双葉社)『エヴァンスを聴け』(ロコモーションパブリッシング)『超ブルーノート入門』(集英社)『Jazz名曲入門』『Jazz名盤入門』(宝島社)『ジャズを聴くバカ、聴かぬバカ』(KKベストセラ-ズ)『スイングジャ-ナル青春録』(径書房)『ビートルズ アメリカ盤のすべて』(集英社)『ビートルズ全曲制覇』(エイ出版)『ビートルズを笑え!』(廣済堂)『ディランを聴け』(講談社)『音楽中心生活』(径書房)『超ビートルズ入門』(音楽之友社)『クワタを聴け!』(集英社新書)『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』(NTT出版)等がある。

「2012年 『かんちがい音楽評論[JAZZ編]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中山康樹の作品

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