参議院なんかいらない (幻冬舎新書 む 1-1)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980402

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  • 主に小泉の郵政選挙前後の参議院のあり方について、
    村上・平野・筆坂元参議院議員が語っている。
    前回

    「日本の選択 あなたはどちらを選びますか? 先送りできない日本2」
    http://booklog.jp/users/syura12/archives/1/404110369X

    で参議院の優越について、自分なりに疑問が出たので
    まさにこの疑問を解決してくれそうなタイトルだったのでジャケ買い。

    以下、この本のまとめ。

    ①参議院は本来、政局とは一歩離れたところで、国益中心に立って物事を判断するのが参議院の責務。
    →参議院は日本の政治の在り方はこれで良いかという、政治の本質論を話す場。

    ②参議院は内閣の解散権が及ばないという意味で、対内閣との関係では相対的に強い。
    →政局に翻弄されることなく、国政の重要問題を長期的な視野から議論し、国政に生かすことができる。
    衆議院が地域と密着し、日常的に惹起する問題へ対応するに対し、参議院は大所高所からの意見を期待される。

    →but選挙でしか選ばれない選挙制度。参議院選が政局に関わってしまう本質がある。

    →つまり、参議院の選挙制度を憲法論として議論をしなくてはいけない。

    ③内閣総理大臣の指名権を持たない
    →与党の党首選は事実上の総理大臣選挙。これを行うことで、参議院のご機嫌とりが必須になる。あくまで、参議院は良識の府であるべきである。

    今まで参議院は衆議院で議決されたものをただ追認するだけの機関だと思っていた私は本当は参議院にそんな役割があったのかと、目から鱗。
    この本自体は2007年に書かれているが、その時に挙げられた課題は今も改善されていないのではと感じる。

    面白いんだけど、自分の政治に関する知識が低すぎて、
    いちいち調べないといけないのでやっかいでした。。
    そもそもの政治論から読まないとダメかな、そろそろ。。


    この後の課題
    ・亡国(展望社)を読む
    ・新清水宿舎建設
    ・文書通信交通滞在費
    ・参議院事務局
    ・貴族院と戦争の関係性
    ・生長の家
    ・孟子 公孫丑編

  • すでに議員を辞職した(罷免された?)
    元参議院の大物政治家3人の対談本。

    岡目八目全開のネタ本かと思いきや
    良識に飛んでいて素直にびっくり&タメになる。

    でもさ…

    「私が現職だったら院内の閣議室の前で
     三島由紀夫のように割腹したかもしれません」

    って、おまっ!!(爆笑)

    人間守るべき立場がなくなると、
    ここまで志が高くなるものなのかと。。

    上記のような言いっ放しジャーマン発言も随所に見られ、
    笑いながら政治、議会が勉強できるお役立ち新書です。

    選挙に行く前にぜひ!
    いや、これは面白いわ。いろんな意味で。

  • 参院の現状を嘆き、いろいろな改革案や理想像を熱く語っている。ただタイトルとは違い、参院不要論どころか、参議院を無くした場合の弊害を検証するような突っ込んだ議論もない。三人とも学者では無く、ドロドロした国会で生きてきた人たちだから現実に近い議論になるんだろうが、ちょっと残念。
    衆院で可決された郵政法案が参院で否決された際に、憲法で定められた手順(両院協議会→衆院再議決)を経ず、小泉首相が衆院を解散したことをこれほど激しく非難するんだと驚いた。参議院議員としては、自分達の存在意義を否定されたように感じて悔しかったのかも知れないが、憲法違反という訳でも無く、ただの恨み節っぽい。
    どうせ存在意義が薄れていることを皆感じているんだから.タイトル通り参議院廃止に向けての憲法改正議論を聞いてみたかった。

  • [ 内容 ]
    庶民感覚に欠け平気で嘘をつき議員特権にあぐらをかく政治家が国家の舵を握っている。
    これはまさに国民の悲劇だ。
    参議院が否決したにもかかわらず郵政民営化法案は成立した。
    すでに国会は二院制の原理を否定し死んでいるのだ。
    こんな政治家のご都合主義を許していいのか―いま参議院の腐敗が、国会の死に体を象徴している。
    かつて「参議院の天皇」の異名をとった村上正邦、小沢一郎の知恵袋・平野貞夫、元共産党の論客・筆坂秀世が参議院大改革案を緊急提言。

    [ 目次 ]
    第1章 国会議員は特権階級であってはならない
    第2章 タレント議員の府
    第3章 参議院をを殺した政治家たち
    第4章 参議院改革の歴史
    第5章 「村上天皇」体制とその変質
    第6章 参議院改革論
    第7章 政治改革の本丸は参議院の大改革

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 参議院の現状、改革について討論している本。

    授業のレポートのためにというのもある。

    参議院の形骸化、政局化というのは多くの人に考えて欲しい問題である。

  • 東国原知事は地方行政の技術的なことは多少知っているだろうけど、人間や政治の本質という意味ではまだ評価できない。
    政治家もタレント化しないと当選できない。片山さんまでタレント化した。
    村山氏は参議院の天皇と言われ、初めて参議院で派閥の領袖になった。
    政治家は絶対という言葉を絶対に使ってはいけない。

  • 参議院を中心に活動してきた政治家が今の日本政治を面白いくらいにぶった切っている鼎談集。
    よくここまでいえるのかと思える内容や参議院をめぐる考え方などが書かれており、全部を鵜呑みには当然できないが、参議院選挙前に読んでおくとなかなか面白い。

  •  元参議院議員による参議院改革提言の書。
     といっても対談方式なので現状の問題点が総覧できるものの、深堀りはされていない。興味深いのは「参議院の天皇」と呼ばれた村上氏が問題によってはほとんど発言していないこと。コメントする程のことでもないのか、そこに改革の大きな障害が横たわっているのか。
     もちろんここに書かれた問題点が解決されれば、日本もよくなると思う。が、なかなか現参議院議員に期待できないのが実情か。。。

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