ゲームニクスとは何か: 日本発、世界基準のものづくり法則 (幻冬舎新書 さ 3-1)
- 幻冬舎 (2007年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344980457
作品紹介・あらすじ
国内販売数が、携帯電話人口の約5分の1に届いたニンテンドーDS。ブレイクするiPod、グーグル、ミクシィ。これら一人勝ち商品の共通点が「ゲームニクス理論」だ。日本のゲームは、スペースインベーダーやドラクエに始まりWiiに至るまで、初心者もマニアも共に熱中させることのできる世界でも稀有な存在。ゲーム制作のノウハウを体系化したのがこの理論。ポイントは「使いやすく」「使い込める」ものづくり。あらゆる分野に応用できる日本発の知恵だ。
感想・レビュー・書評
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA8280598X詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人を夢中にさせるためのノウハウ。そう考えると大変すばらしい方法論で、全てのことを幸せにできる可能性があると感じた。既に医療、福祉、教育分野への活用も始まっている。
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p.89 ゲームだからマニュアル不要で遊べるのではありません。「マニュアル不要でも遊べる」ための、さまざまなテクニックが、ゲームにおいては進化してきたのです。
→ ゴールへの自然な誘導、細やかな反応、少しずつ難易度を上げてやる気を持続。
この繊細で絶妙な気配りがヒットゲームでは当たり前という凄さ!!
これって、読書会に応用できる♪ -
疎んじていた「ゲーム」に潜む、
「知らないうちに夢中になる」感覚
これを世の中に応用できたら?!
素敵な発想で書かれていて、目からウロコの視点あり。
○ゲームのテスト評価
・「スーパーマリオクラブ」という組織にて、独自のチェック機構をもっている
○ゲームニクス理論
・子供からお年寄りまで、パッと見ただけで使い方が分かって、無理せず使いこなせるようになり、
知らぬうちに夢中になってしまう」製品を開発するための技法
○任天堂の一人勝ち
・日本の携帯電話人口の5分の1が「ニンテンドーDS」を持っている!
○操作性
・「ボタンの信頼性が低い」とユーザーは、使いづらい
・筆頭は、携帯電話。キャンセルボタンが不統一
⇒まさしく、そう思う!
○銀行のATM
・行列ができるのは、メニューのつくりが悪いのが原因。
→よく使う、「ひきだし」ボタンを大きくすることで、かなり改善する
⇒なるほど! -
テレビゲームそのものではなく、テレビゲームが備えているインタフェースについての本
ゲーム内容を特に解説しているわけだはない。
数ページを読んで、残りはざっと読んだが優れたインタフェースの解説のみで、どうすれば優れたインタフェースを作れるのかについては書かれていなかった。 -
ただ、比較の仕方が乱暴すぎて説得力に欠ける。 物が売れるには数えきれないほどの要因が関係するのに、ユーザーインターフェースだけで決まるかのような書き方はいただけない。 とは言え、読んで良かったと思う一冊である。
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目的は2つ。
マニュアルがなくても、直感的、本能的に理解し、操作できるようにすること。
複雑な内容でもストレスなく理解させ、自然と段階的に学習できるようにすること。
第1原則は直感的なユーザーインターフェイス。第2原則はマニュアルなしでルールを理解してもらう。第3原則ははまる演出と段階的な学習効果。第4原則h会ゲームの外部化(現実とリンクさせる) -
五年前の本が既に過去のもの感あってビックリ。ゲーミフィケーションに向かって徐々に体系化進んでたんだなぁ、という感じ。とはいえ、「ゲームとはプレーヤーを誉めるメディア(=おもてなし)」「インターフェースが決め手」という力点は参考になる。
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ゲームが好きだ・楽しいと一度でも感じたことがある人ならば、読み物として楽しめる本だと思います。
ただし、やはりゲームニクスという理論にのっとって書かれているなという表現があり、自分にはその言い回しじゃなければもっと読みやすいなという部分もありました。 -
ゲームニクスの概念のエッセンスが良くまとまっている。
日本の強みであり、浮上のひとつのカギであることも同感。
未来予測のあたりはふわふわしてて参考にならない。
後書きの通り、要は「もてなし」の心だ、と。 -
ゲームはちょっとだけやる、という私でもとても楽しめました。
考えるとヒットするゲームというのは、大変な工夫が必要なんですね。「押し付けでなく、自分の意志で行動しているという気持ちになってもらう」「取扱説明書なしで直観的に操作ができる」「ストレスと快感のバランス」というのが印象的でした。
また、ゲームに限らず、例えばホームページの使いやすさ・分かりやすさについても取り上げています。mixiは操作の快適性があったから広まったとのこと(もっともリニューアルする度に使いづらくなって、利用者が減ってるけども^^;)。
つまりアフォーダンスって大切なんだなーと思いました。 -
『スーパーマリオブラザーズ』ではスタートした直後、マリオは左端にいる。このことで、マリオを操作するプレイヤーは誰に教えてもらうこともなく、「右にいく」ことを選択する。これは説明されてみると「ああなんだ」と思うかもしれないけれども、実際にモノを作る人にとってそこまで工夫することはあまりなかったりする。
『ドラゴンクエスト』の一作目はプレイヤーを王様の間に閉じ込めることで、プレイヤーに自然とチュートリアルを体験させる。これも有名な話で、ドラクエをテストプレイした子供たちが街や城に向かわずに、いきなり敵と戦って死んでしまうことへの対応策として生まれたらしい。これも「ああなんだ」という工夫だけれど、ドラクエが生まれた当時は、目的も手段も分からないRPGなんてザラだった。
というわけで、説明書を読まないでプレイする子供にも遊べるように設計されたゲームの工夫のことを、作者は「ゲームニクス」と言ってるわけだけれども、この新書は「ゲームニクス」の理論的なところは語られません。むしろ、ゲームニクス的な考えが社会にどう普及していってるかに主眼を置いている模様。それは分かるんだけれども、ゲームニクスそのものの説明が薄いので、知らない人が読めば「世の中がゲーム的になっていくのか~、ふ~ん」としか思わないだろうなぁと。分かっている人に対しては内容が薄く、分かっていない人に対しては誤解を与えかねない内容だと思う。
でも、こういう考え方が広まっているという紹介としては価値がある。 -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784344980457 -
超入門書。さわりの紹介のみ。
・任天堂にはゲーム発売前にユーザー評価をする仕組みがある。
・ドラクエやスーパーマリオでのチュートリアル設計の例
・DSやWiiの成功要因の分析。リモコン操作の学習プロセス
・ほか、iPod、GoogleMaps、ミクシィ、 -
読了。
最近はやりのゲーミフィケーションだが、日本独自にゲームニクスという概念が提唱されている。しかも、2007年にはすでに。
ただし、このゲームニクスという概念、どちらかと言うとUIの作り込み、日本のホスピタリティ(おもてなし)のようなところに焦点が当てられており、そういう意味では今流行りのゲーミフィケーションとはやや違うところにフォーカスのある話かもしれない。
他分野への応用ができる、と言いながら、応用事例が少ないのが残念。
いずれにしても、日本のゲームのちからというのは強いということを思い知らされる一冊。 -
ざっと一読したが、日本のゲームの作り方、インターフェイスの完成度の高さ、ゲーム産業を手放しにほめている内容で、ゲーム業界の外部からの眼差しを変えたいという思いは伝わるが問題提起にはなっていないのが残念。
実質的な現在の日本のゲーム産業界の落ち込みを直視していない。出版年が古いので仕方がないと思うが。 -
Before iPhone時代に書かれたものだが、面白かった。しかし4年前からずっと使いづらいと言われ続けて改善されないテレビリモコン。。。どうにかならんのか。いらいらする。録画したものになんでYouTubeみたいにスライド式で早送り巻戻しできるようになってないんだ。
ゲームニクスの目的
1. 取説なく使い始められるようにする
2. 遊んでいるうちにはまり、うまくなるようにする
ゲームニクスの原則
1. 直感的UI(スペースインベーダー)
2. マニュアル無しでルールを理解してもらう仕掛け(スーパーマリオの1面の最初のところはチュートリアルになっている)
3. ハマる演出と段階的学習効果(ドラクエ。レベルアップの音楽、戦闘←→探索の切り替えによるリズム、大目標中目標小目標の組み合わせ)
4. ゲームの外部化(現実とリンク、ゲーマーコミュニティ)
google, iPod, ファミコン、いずれもそのサービス分野での後発組で、入り口がとてもシンプルなのが特徴。 -
eラーニング導入の推進役を担当中。分かりやすいシステムを構築したいと研究中に出会った一冊。
自分が子供のころ体験しているゲームを題材に解析しているため、理解しやすく腑に落ちた。