ネットカフェ難民: ドキュメント「最底辺生活」 (幻冬舎新書 か 4-2)
- 幻冬舎 (2007年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344980549
作品紹介・あらすじ
金も職も技能もない25歳のニートが、ある日突然、実家の六畳間からネットカフェの一畳ちょいの空間に居を移した。パソコンで日雇いバイトに登録し、日中は退屈で単純な労働に精を出す。夜は11時以降が入店条件の6時間深夜パックで体を縮めて眠りを貪り、延滞料金をとられないよう、朝は早く起床。時にファミレスや吉野家でささやかな贅沢を楽しむ。やがて目に見えないところで次々に荒廃が始まった…メディアが映し出さない"最底辺"の実録。
感想・レビュー・書評
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書名から、ネットカフェ難民についてのルポルタージュなのだと思って読んだら、そうではなかった。著者自身のお気楽ネカフェ難民生活を綴った、たんに質の低いエッセイである。
著者は東京藝大の大学院まで出ながら、その後、ニート&引きこもりになり、そこから“脱却”してネカフェ難民になったという人物(執筆当時25歳)。
車谷長吉の『赤目四十八瀧心中未遂』に出てくる焼鳥屋のおかみのように、「このバチあたりが!」と言いたくなる(未読の人には意味不明だろうが)。
その昔、1960年代に「フーテン」が流行ったころ、金持ちのおぼっちゃんがファッション的に新宿あたりをさすらって「フーテンしてみる」ケースがよくあったという。それと同じ「お遊び」のニオイを感じてしまう。
著者の綴るネカフェ難民生活はあまりにお気楽そうで、絶望にまみれた“本物のネカフェ難民”とは次元が違うと思えてならないのだ。こんなの、「最底辺生活」じゃないだろ。真の「最底辺」はもっともっと下にあるはずだ。
中途半端に文学的な気取った文章も鼻につく。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者が遊び感覚でちょっとネットカフェ難民をやってみた感想という本。
著者の個人的な日記といった方が正しいと思う。
著者が考えたこと、著者なりの哲学の比重が大きく、ネットカフェ難民の実情部分は少ない。参考文献もなく、全体的に根拠が薄い印象。
著者は実家が裕福で、学歴も対人能力もあるため、あまり最底辺感がない。
本書中の貧困さを感じさせる部分としては一週間風呂に入らない、服を着替えないなどがあるが、お金がなくて入れないわけではないので、意図的に不衛生でいるだけに思う。
ネットカフェで砂糖をパクったり、ブース内でハンダごてを使って店員に注意されたり、著者の自分勝手なところも多い。 -
1人のネットカフェ難民の日記のような感じ。
自分も1人旅の時はよくお世話になる。
難民になった時の参考には少しなる。 -
自称ニートの作者が、ネットカフェに寝泊まりして日雇いの派遣の仕事を数日だけするだけの日記。
どこも難民じゃないし、
どこかバカにしてるような…体験するってことが。
自分語り、みたいなのが更にうんざり。
すっとばして読んだ。
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なんちゃってゴッコなんだけど、このどうしょもなさや何の考えも無さ、それらとは裏腹にある程度ある教養っていうのが意外とネットカフェ難民の実情に近いのかも。1ヶ月の日記なだけなので何のオチもなしに終わる。これが終わらない日常であることを示唆しているかのようだ。
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ただ勢いだけの潜入ルポでは無く、哲学的な視点からの考察も有りながら、堅苦しくなく読める。
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なんか思ってたのとは全然違った。
ドキュメントのレポートみたいなんかと思ってたら、変にインテリなニートが、ネカフェ難民になって、変にインテリに自己分析したり自己肯定したり、社会批判したり、なんつーか、痛い本。
それはそれで面白くなくはなかったのだけど、本として尻切れトンボすぎてわけが判んない。
個人の夜中に書いた日記のよう。