ネットカフェ難民―ドキュメント「最底辺生活」 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 220
レビュー : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980549

作品紹介・あらすじ

金も職も技能もない25歳のニートが、ある日突然、実家の六畳間からネットカフェの一畳ちょいの空間に居を移した。パソコンで日雇いバイトに登録し、日中は退屈で単純な労働に精を出す。夜は11時以降が入店条件の6時間深夜パックで体を縮めて眠りを貪り、延滞料金をとられないよう、朝は早く起床。時にファミレスや吉野家でささやかな贅沢を楽しむ。やがて目に見えないところで次々に荒廃が始まった…メディアが映し出さない"最底辺"の実録。

感想・レビュー・書評

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  •  書名から、ネットカフェ難民についてのルポルタージュなのだと思って読んだら、そうではなかった。著者自身のお気楽ネカフェ難民生活を綴った、たんに質の低いエッセイである。

     著者は東京藝大の大学院まで出ながら、その後、ニート&引きこもりになり、そこから“脱却”してネカフェ難民になったという人物(執筆当時25歳)。
     車谷長吉の『赤目四十八瀧心中未遂』に出てくる焼鳥屋のおかみのように、「このバチあたりが!」と言いたくなる(未読の人には意味不明だろうが)。

     その昔、1960年代に「フーテン」が流行ったころ、金持ちのおぼっちゃんがファッション的に新宿あたりをさすらって「フーテンしてみる」ケースがよくあったという。それと同じ「お遊び」のニオイを感じてしまう。

     著者の綴るネカフェ難民生活はあまりにお気楽そうで、絶望にまみれた“本物のネカフェ難民”とは次元が違うと思えてならないのだ。こんなの、「最底辺生活」じゃないだろ。真の「最底辺」はもっともっと下にあるはずだ。

     中途半端に文学的な気取った文章も鼻につく。

  • なんちゃってゴッコなんだけど、このどうしょもなさや何の考えも無さ、それらとは裏腹にある程度ある教養っていうのが意外とネットカフェ難民の実情に近いのかも。1ヶ月の日記なだけなので何のオチもなしに終わる。これが終わらない日常であることを示唆しているかのようだ。

  • ただ勢いだけの潜入ルポでは無く、哲学的な視点からの考察も有りながら、堅苦しくなく読める。

  • 浮き世、ここに極まれり、という一書。2007年刊行。ライトなコミュニケーション能力と、柔道有段者だからだろうが、力仕事に耐えうる体力とが、著者のネットカフェ難民生活を支えているよう。しかし、その力を備えていないならどうなるのだろう。

  • なんか思ってたのとは全然違った。
    ドキュメントのレポートみたいなんかと思ってたら、変にインテリなニートが、ネカフェ難民になって、変にインテリに自己分析したり自己肯定したり、社会批判したり、なんつーか、痛い本。
    それはそれで面白くなくはなかったのだけど、本として尻切れトンボすぎてわけが判んない。
    個人の夜中に書いた日記のよう。

  • 作者は止むに止まれずネットカフェ難民となった訳ではなく「まあやってみるか」という軽い感じで始めた生活である為か、サブタイトルにある「最底辺生活」という程の悲壮感は無い。
    またコミュ力もあり仕事の要領もそこそこ良い。
    最終章にたどり着くころには「もう実家に帰って普通に就職してしまえよ」と突っ込みたくなった。
    ただ、文章は軽妙で読みやすい。

  • リアルなネカフェ生活。
    それが、どんな生活か、よ~くわかる。
    非正規雇用の実態も。

  • 自分もアイドルのライブ遠征で前乗りしたときなんかにネットカフェを利用するけど、住居の拠点ではない。
    ネットカフェを住居の拠点にしている著者の1ヶ月を記したもの。
    自分がネットカフェ難民になったときの知恵を得るというよりも
    「こういう風にはなりたくない」と言う視点で読んだ。

    眠ると寝る違い
    眠るは身体の仕事、寝るは人間の技。
    いつでもどこでも寝ることができると便利

    歯ブラシは必需品
    内部に悪いものを溜めておくと気力が奪われる
    口は大事な入力装置。糧をカロリーに変換する(食事?)

    ネットカフェはパック料金ならば安いが、その後は普通に15分100円の延長料金になるので、一度精算して退店し、再び入店した方が安く済む。

    新聞の使い方
    座布団、じゅうたん、布団、トイレットペーパー
    くしゃくしゃに丸めて胸元に入れると簡易カイロ
    インクのところでこすると体磨き、消臭効果

    ネットカフェ難民は日中日雇いバイトをしている
    毎日仕事があるわけでないので、仕事にない日の時間の使い方が重要
    1日中ブックオフで立ち読みするよりも、100円程度の本を買って、公園で読む方が、体力的・経済的にも良い。

    ネットカフェ難民はときにコミュニケーション不足になりやすい
    自分の中に他人というアーカイブを形成するのが億劫

    マクドナルド難民
    100円で夜通しいられるが、寝ることはできない。

  • ネカフェで生活か・・・。シャワー浴びる必要ないとかパンツは洗濯しないで新しいの買うとかねー。うーむ。ちょっとムリだと思った(笑

  • それなりの学歴があり、人並み以上の能力があることを自覚しながら自分がダメ人間であるふりをして「ネットカフェ難民ごっこ」の日記を書いた本ってとこかな。メディアが映し出さない"最底辺"の実録ってあるけどこの著者の経験のどこが最底辺なんだか。文章自体は面白いから暇つぶしの読み物としては良いかも。社会問題としてネットカフェ難民の事を気にしている人がこの本を読んだら途中でゴミ箱へ投げ入れてしまうことは間違いないと思う。

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著者プロフィール

1981年生まれ。埼玉県出身。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。作家・編集者、東京工業大学非常勤講師。主な著作に『ネットカフェ難民』、『知識無用の芸術鑑賞』(ともに幻冬舎)、『若者はなぜ正社員になれないのか』(筑摩書房)、『自殺しないための99の方法』(一迅社)、『小幸福論』(オークラ出版)、『はじめての批評』(フィルムアート社)、『流されるな、流れろ!』(洋泉社)、『重版未定』、『重版未定2』(ともに河出書房新社)『編プロ☆ガール』(ぶんか社)などがある。現在は『ぽんぽこ書房小説玉石編集部』(「小説宝石」光文社)を連載中。

「2018年 『労働者のための漫画の描き方教室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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