日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 152
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980600

作品紹介・あらすじ

多くの日本人は新宗教をずっと脅威と好奇の眼差しで見てきた。しかし、そもそも新宗教とはいかなる存在なのか。「宗教」の概念が初めてできた明治以後それがいつどう成立したか案外、知られていない。超巨大組織・創価学会に次ぐ教団はどこか、新宗教は高校野球をどう利用してきたか、などの疑問に答えつつ、代表的教団の教祖誕生から死と組織分裂、社会問題化した事件と弾圧までの物語をひもときながら、日本人の精神と宗教観を浮かび上がらせた画期的な書。

感想・レビュー・書評

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  • 創価学会や天理教、生長の家、など、よく名前を聞くし近所にも施設がある宗教の変遷がよくわかり、面白かった。
    新宗教に対する偏見みたいなモノはなしに、中立的に事実を取材して書いてある。
    興味深いのは、新宗教の教祖はほとんど女性だということ。やはり最初は、病気や子どもを亡くしたことなどをきっかけに、祈祷などに頼るようになるみたいで、そこから“教祖”になってゆく。
    中世に生まれた浄土真宗や日蓮宗や禅宗なんかも、最初はその時代の“新宗教”だったわけで、「念仏唱えれば極楽へ行けるなんてあり得ない」とも言える。でもそれを裏付けるような“宗教体系”を作っていき、組織を作り、信者を集め、宗教団体になってゆく。教祖は女性でも、2代目の代表者からはだいたい男性になる。
    宗教って何なのかな、という観点からも面白い本でした。

  • ここで扱われている10大宗教とは、以下の通り。

    01 天理教
    02 大本
    03 生長の家
    04 天照皇大神宮教と璽宇
    05 立正佼成会と霊友会
    06 創価学会
    07 世界救世教、神慈秀明会と真光系教団
    08 PL教団
    09 真如苑
    10 GLA

    漢字変換が大変。
    それはともかく、「大本」教について書かれた「大地の母」という小説は、とんでもないものらしい。著者によると、
    「そこでくり広げられている物語は、想像を絶するもので、物語のあまりにもドラマチックな展開に、私は全十二巻を一気に読み終えた。『邪宗門』よりもその内容ははるかに強烈で、圧倒的だった。…全編を通して繰り返されるのは、神話的なドラマであり、初代教祖である出口なおと王仁三郎の神憑りであり、二人に降った神同士の対立と抗争である。そこでは、当たり前のように奇跡的な出来事が起こり、時間さえも逆戻りしたりするのである」(p54)


    小説の作者は登場人物の出口王仁三郎の孫にあたる人で、すべて事実にもとづいていると述べているらしい。これは面白そうだ。そのうち読んでみるかもしれない。

  • 70点。10の新興宗教(本書では新宗教と呼ぶ)を選び、それら団体の来歴や教義、組織形態を客観的に概説した一冊。深く知る必要はないと思うけど、これくらいは知っててもいいんじゃないかなぐらいの感じ。
    「吹奏楽の甲子園」と言われる普門館って立正佼成会の施設だったんだと初めて知った。ブラバンの憧れは言葉通り「聖地」だ。

    社会が変われば不満の中身も変わるし、どういった人々が不満をもつかも変わる。宗教がそれら人々の受け皿になるんだとすれば、今後も新たなる新宗教が生まれるだろうし、それは時代を映す鏡にもなるのかもしれない。

  • 新宗教(新興宗教)についてわかったようなわからないような。

    わかったこと
    ・従来の宗教との類似性、違い
    ・各新宗教の教義(系列)の違いと関係
    ・新宗教の発展理由
    わからない
    ・新宗教の目指すもの(創価学会は何となくわかった)
    ・宗教を起こす、教祖となる理由

  • 天理教,大本,生長の家,天照皇大神宮教,立正佼成会,創価学会,世界救世教,PL教団,真如苑,GLAという,10の新宗教について,その成り立ちや仏教等との関連,他宗教との違いなどを解り易く説明している。
    新宗教は,社会問題となる時にしか我々の前に出て来る機会はあまりなく,病気の治療法,予言などがきっかけになっている事が多い。このため,破壊的なカルトとして私も捉えてしまいがちだが,そんなことはない新宗教の方が多い。ただ,新宗教も信者を集めねばならず,そのためにはアクティブな活動を展開をする必要があり,注目の的になってしまうのだろう。
    そもそも新宗教といっても,立正佼成会や創価学会,PL教団,世界救世教のような日蓮・観音信仰,天理教や大本のような神道系のものなど,必ずと言っていいほど,神道か仏教の影響を受けていて,多くはそのどちらの影響も受けいている。具体的には,天理教や大本,金光教は,名称は異なるものの,国常立命というオーソドックスな神を根源的な神として信仰している。これは,ユダヤ,キリスト,イスラム教が同一の神を信仰の対象としているのと基本的には同じ事である。
    よく考えれば,キリスト教ですらも,当時としては異端であり,新宗教だったのは周知の事実である。
    新宗教に信者が集まったのは,高度経済成長の時代で,地方から都市に移って来た新しい都市住民たちだった。彼らは未組織の労働者として不安定な立場にあり,都市に新たな人間関係のネットワークを築くうえで新宗教の信者になることは大いに役立った。また,面白いのは,高度経済成長時代に巨大教団に発展したのは,いずれも日蓮系・法華系教団であり,現世利益を説いている教団だったということだ。明日も知れぬ生活に対して,現世利益を説く教団は彼らの目から見ればまぶしかったのだろう。
    このように,新宗教が興るのは,社会が危機に陥っていたり,不安定化している時期で,社会問題を批判したり,このままの状態が続けば決定的な危機が訪れることを強調する事によって発展して行く。(どこかの政党に似ているが)。
    ただ,その時でも,地球がいついつ破滅するといった世紀末説を唱えるようなところは,地球が破滅することなく世紀末を過ぎた場合,信者を失ってしまうことに注意しなければならない。予言が外れた時は,信者が去っていくのは当然である。
    今後,宗教として伸びて行くためには,江原啓之のように,霊界からのメッセージをメディアなどを通じ,柔らかく伝えるようなことをやっていかなければならないのかもしれない。GLAなどは,女性教祖がアイドル路線をはしったりしたこともある。これまでのように閉ざされた宗教ではなく,明るく,開かれた現代風の宗教を目指すべきなのだろう。
    宗教とは,よく生きるための生き方の示唆である。そういう意味では,最近流行りのような,60歳からのライフセミナーとか,いきいきなんとかセミナーとかも,結局は宗教のようなものである。
    日本人は,占いや言霊を信じ・楽しむ人種であり,宗教を受入れやすい性格を持っている。著者は,日本人が無宗教と言われることについて,『日本の場合,既成宗教が仏教と神道という2つの宗教が組み合わさった特殊な形態をとっているため,自分たちを神道の信者とも,仏教の信者とも決めることも出来ない。そこから特定の宗教に属していないという意識が生み出される。』と言っている。それに加え,私が思うに,生活の中に宗教がちりばめられ,毎日触れているからこそ,あらためて宗教を実感しにくく,自分は無宗教だと思ってしまうのではないだろうか。それは全く違っていて,日本人はめちゃめちゃ信仰心の厚い,仏教・神道の両宗教の信仰人種なのではないだろうかと思ってみたりする。

  • 日本の10大新宗教 2007

    数々の新宗教をざっくりとつかめる良書
    2015年7月4日記述

    宗教学者の島田裕巳氏による著作。
    2007年出版。
    新宗教について解説している。
    しかし多くの新宗教があるのだなとそれだけでも勉強になる。

    1.天理教
    2.大本
    3.生長の家
    4.天照皇大神宮教と璽宇
    5.立正佼成会と霊友会
    6.創価学会
    7.世界救世教、神慈秀明会と真光系教団
    8.PL教団
    9.真如苑
    10.GLA(ジー・エル・エー総合本部)

    率直に言うと天理教、創価学会、PL教団くらいしか認識が無かった。
    天理教は日本史で学んだ記憶がある。
    開祖中山みきは人物名も教科書か何かで覚える機会があった。
    他については宗教ということでCMやりまくる訳でも無いので知らんくても仕方ないのか。

    大本の出口王仁三郎という人物は生長の家など他の新宗教に多くの影響を与えてきた。
    正直言ってもうちょい知られるべき人物かもしれない。
    まあ新宗教ということで評価が定まってないのかもしれんが・・

    高度経済成長と核にして信者を拡大してきた新宗教。
    創価学会や立正佼成会はその流れで拡大してきたのか。
    創価学会が元は創価教育学会であったこと。
    創立者牧口常三郎、2代戸田城聖・・

    個人的には真如苑くらいしか参加出来そうにない。
    著者の指摘にもあったように集団行動を強く伴う活動の難しさを感じる。
    そのあたりが昨今の現状なのだろうと思う。

    本書は多くの新宗教を取り上げており、ざっくりと全体像をつかむ意味でも良い。
    ただ多くの人物名が出てくるのでその辺りの配慮があっても良かったかなと思えた。

  • 日本の代表的な新宗教の歴史と概要について、客観的な視点でまとめられています。
    有名なところでも、この手の話はあまり知らなかったので、ためになりました。
    いろいろと問題のある場合もありますが、人それぞれの価値観や信仰があるので、ざっくりとでも知っておいて、損はないと思います。
    偏見を助長するような内容ではありません。

  • 知らない宗教もあったので勉強になった。よくまとめられていた。

  • 新宗教といっても、日本の新宗教と呼ばれるものは神道や仏教ベースなので、「古さ」がある。
    神道ベースであれば、国常立命(くにとこたちのみこと)という同一の神を根源的な神として信仰の対象としている。それぞれ呼び方が違うだけで同じものを指すのは、ユダヤ・キリスト・イスラムにおける「神」と同様。

    人が宗教に頼るのは悩みや苦しみを抱えている時である。だが、本当に苦しい時には、人は神頼みしない。不況が長く続き、深刻化しているときには、豊かになれる見込みがないので、神仏に頼ったりはしない。むしろ、経済が好調で、豊かになれる見込みがあるときに、人は神仏に頼る。高度経済成長は、まさに神頼みが絶大な効力を発揮した時代だったのである。

    →今の中国がまさにそれ。法輪功とか?今の日本の経済状況では新興宗教は流行らない。

    世直し思想や終末論で不安を煽り、信者を熱狂させ、新しい信者を獲得することはできる。しかし危機感を煽ることは信者の暴走を招きやすく、布教活動は激しくなり、あらゆる行為が正当化されていく。そして、仕事を辞めたり、家族を捨てたりするで軋轢を生む。
    その上、終末論が外れることで、失望感からその教団から離れてしまうリスクもある。

    巨大建築物を造るために金集めに走ると、献金額で信仰度を測る動きになり、これまた信者の暴走化や熱心すぎる布教活動へとつながる。

    終末論煽りや、お金集めが進むと、カルト認定されてしまうのはこのため。


    教祖が死ぬタイミングで分裂を生みやすい。
    古参幹部は教祖側、跡継ぎの息子・娘側とは別だったりすると、派閥まるごと抜けて別団体になるパターンが多い。

    テコ入れとして、終末論で煽ったりする。目をどこにむけさせるか、それが組織継続のための課題と解決方法。

    開祖(教祖)の身内に不幸があり、既存の宗教へ触れたことがきっかけで宗教の世界に入り、いつかのタイミングでお告げがくだり、生き神になりカリスマとなるパターンが多い。インテリ派よりも、キャラクターが強い派が多い印象。

    戦時中には神道系謳って、静かにしていないと逮捕される。
    高度経済成長にて、地方出身者を都心部で勧誘しまくったところは母体が大きく強い。

    各宗教のスタイルを表現するための項目は?
    ・ベース(神道?仏教?キリスト教?)
    ・身内が死んだ?
    ・教祖出身宗教
    ・教祖キャラ
    ・神とは
    ・布教スタイル
    ・超能力ありなし
    ・病気怪我治せる?(ホイミ)
    ・先祖重視?
    ・技術重視?ITやら
    ・クローズド?排他的?
    ・大型施設建造?
    ・農業やる?
    ・初期費用
    ・運用費用
    ・仲間の多さ

  • もう少し奥に入った話が聴きたいのたが、信者にならないと難しいかもしれない。

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著者プロフィール

1953年東京生まれ。宗教学者、文筆家。76年東京大学文学部宗教学科卒業。同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。84年同博士課程修了(宗教学専攻)。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を経て、東京女子大学非常勤講師。著書に『ほんとうの親鸞』『「日本人の神」入門』(以上、講談社現代新書)、『創価学会』『世界の宗教がざっくりわかる』(以上、新潮新書)、『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』『葬式は、要らない』 (以上、幻冬舎新書))、『宗教消滅』(SB新書)、『0葬』(集英社)、『戦後日本の宗教史』(筑摩書房)などがある。

「2022年 『性(セックス)と宗教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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