SとM (幻冬舎新書)

  • 幻冬舎 (2008年3月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784344980730

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

テーマは、日本人と西洋人の気質の違いを通じて、SとMの関係性やその文化的背景を考察することです。読者は、SとMがキリスト教の影響を受けていることや、歴史的な視点からの解釈に新たな気づきを得ています。ま...

感想・レビュー・書評

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  • 日本人の気質と西洋人の気質の違いに納得した。それによって色々な論理の瑕疵などにも気づけた。
    また日本人の世界観がひとつ明らかになった。人身御供や人柱があったのは森的だったからなのだろうなと。同時に人類学にでてくる交換や贈与の話も、森の人なら海に出られるのではと思った。砂漠の人は人間をコントロールすることになるのだろうと。

  • 「SMをキリスト教との関わりから、文明史的に考察したもの」 で、SMの実践的指南書でも、SM業界のインサイドレポートでもありませんが、スリリングでとても面白かったです。実際は、鹿島茂が語り、木村俊介がリライトしたものです。

    『SMとは、「想像力」 を核とした 「関係性」 であり、二人の想像力によって規定されている。』 というのは納得できます。私はMと間違われやすいですが、典型的なS、サービス満点のSです。

    最近は、自己愛型のSMが跋扈している。SMは、キリスト教が絶対的なものでなくなったときに生まれた。信者は自己処罰の果てに、絶対的な神、理想のSとまじわる幻想を抱く。すべての文化は、最終的にはMにたどりつくもの。SMは、文化の進化のバロメーターである。

    SはMの願望を先取りすることで、Mに奉仕することになる。Sは、「Mの理想に従って鋳造されてしまう人」 で、だから、サービス精神満点でなければなりません。主導権は、完全にMにあるわけで、「SはサービスのSです」(みうらじゅん)、Sは相手の欲望を汲みとるために、想像力豊かじゃないと務まりません。SMの本質は 「逸脱」 を楽しむことである。
    たくさん珍しい本に言及されているので、参考文献の一覧あればさらによいと思います。

  • SとMについて歴史的な考察をした一冊。
    なので、精神分析的なものはほとんどないので、その筋を期待して読むとガッカリします。

    SとMがそもそもキリスト教から来た概念であること、そして西洋人は狩猟民族なので鞭を、日本人は農耕民族なので縄を使うというのは普通に勉強になりました。

  • パリが愛した娼婦に続き、鹿島先生の本。

    日本と海外のSMの違いについて、その発祥について、などなど盛りだくさんの本でした。すっごい面白かった!
    時々「それはちょっと飛躍しすぎでは…」って思う部分もあるんだけど、この人の場合はこういうこと考えるのが楽しくてしょうがなくて、ぶっとんじゃったんだろうなって思えるw

    Mの女の子が嫌いなのは「粗暴で自己中なだけの自称S」とか、普段私が言ってるのそのまんまじゃん!って思いながら読んでました。
    多分この人、自分の中に女でMな部分が多くあるんだと思う。

    特に西洋のSM文化は「家畜文化」から来てるっていうのはすごい納得した。拘束具も革だし、鞭だもんね。
    日本のSMが緊縛メインなのは着物文化からっていうのはちょっと無理があるような気もしたけど、「日本人は自由が嫌い。だから緊縛がメインになるし制服にも萌える」っていうのはすごい的を射ていると思う。

    これまで読んだSM本の中で一番面白かった!
    そしてやっぱり私は日本の、じめっとしたSMが好きだな。緊縛はアートだと思います。

  • この人は、すごいなぁ。突き詰めますね。
    SMに関して、歴史・文化的考察をしているのだが、ここまで徹底して考察されると、本人は否定しているが、ある意味「変態さん」とよいのではないだろうか(これは、鹿島氏に対しては褒め言葉になる?)?

    この人の書く本はとっても読みやすく、ばかばかしく、教養深く、変態チックである。

    なので、僕は好きだ。

    ちなみに変態は迷惑さえかけなければ悪ではないからね。

    この本の面白いところは、「健全な!?」SMを解説し、現代の世俗的に受け入れられているSMの一般的見解を、「間違ってる!」と断罪している点である。

    この本を読むまでは、僕も断罪される側の一員であったわけだけど、これを読んでからは、真面目にSMについて考えてみようとちょこっとだけ思った。

    これで僕も変態に一歩近づいたかな?

    ところで、僕は通勤電車の中でこの本を読んでいたのだが、見出しのページなんかは、一般的に言う卑猥な言葉がちりばめられているので、ちょっと恥ずかしかった。

    もしかしたら、周りの人から「この人、SM趣味なのかしら」と密かに思われていたのかもしれない。

    断っておくが、僕にはSMの趣味は全くありません。興味はあるが・・・。

  • 普段の会話でもSだMだみたいな会話をすることがあるけれど、そもそもSとMって?と単純な興味から読んだ本。歴史的にSとMを紐解き、西洋と日本の違いなどを学ぶことができて知識が深まった。
    特に、
    ◯M は「乗り越え主義」(苦労して乗り越えた先に幸せがあるみたいな考え方)
    ◯キリスト教の絶対的な「神」に処罰をしてほしい欲望がMを作った
    という筆者の解釈はなるほどなーと思ったし、西洋は鞭を使うのに対して、日本は縄を使うというのも興味深かった。

  • 約束事の枠にある様式美、暗黙の信頼関係というものが果たす役割の妙。

  •  なぜ「ですます」調なのかと思ったら、語り下ろしなのだった。
    「あらゆる対人関係は畢竟SMではないか」
    「罪の文化と恥の文化は、そのまま彼我のSM観と照応している」
     上記二つは以前から私の考えていたこと。
     フランス文学や文化を知悉し、下情にも通じた鹿島先生ならではの視点で、その考えが補強された。メルシー。

  • キリスト教の教えから展開されるM性の開花など論点は面白かった

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/s_and_m.html【書評(18禁)】『SとM (幻冬舎新書)』 : なおきのブログ

    <目次>
    プロローグ あなたはS?それともM?
    第一章 そもそもSとは?Mとは?
    第二章 SMって何?いつから発生した?
    第三章 SMは、どのようにエスカレートしたのか?
    第四章 SMは、歴史の必然から生まれた
    第五章 SMの理想の相手は、どこで見つかるのだろう?
    第六章 SMは、文化のバロメーターである
    第七章 日本人にとって、SMとは何か?
    エピローグ
    編集協力


    2017.08.21 朝活読書サロンで紹介を受ける
    2017.09.03 読書開始
    2017.09.06 読了

  • 文明史の視点からSMの成立を考察している本です。

    キリスト教の教父たちは北ヨーロッパに布教する際に、サクリファイス(供犠)をおこなうケルト人の信仰にあわせて、キリストの磔刑を利用しました。これは、ゴシック建築が北ヨーロッパの聖なる森の代用として作られたのと同様だと著者はいいます。こうして、キリスト教の宗教感情の中核に「苦悩」が位置づけられることになります。つまり、精神的・肉体的な苦しみを介さなければ神に近づくことができないということが、教義の根本とされるに至ったのです。

    ところが近代に入ると、こうした「苦悩する人間」に対する神の座を、人間自身が占めるようになります。サドの小説の登場は、「近代の目覚め」だと著者は指摘しています。このような意味で、「キリスト教が人間の自由を束縛している」という近代的な自我の確立と、「アンチ・クリストは自由を束縛するくびきを断ち切る」というサドの宣言は等しい意味をもっています。

    さらに著者は、中世から近代を経て、それ以後に至るまでの歴史を、「自我」というパイの配分というたとえを用いて説明します。つまり、リビドーの備給が神から自我へ向かうことになり、さらにそのリビドーを他者と分かちあうことで民主主義が成立したのです。こうした歴史的経緯とかさなる仕方でマゾヒズムが成立したと著者は主張します。それは、自我に備給されていたリビドーを他者に振り向けるということであり、「支配している相手に支配されること」を意味します。こうして著者は、M願望は本質的に自己本位だと結論づけます。

    このほか、皮と鞭を用いる西洋のSMが「苦痛」を求めるのに対して、縄を用いる日本のSMは「自由の拘束」を求めるという、比較文化的な考察もなされています。

  • 文化論的な本は参考文献から引用したものが多く、読みにくいが、この本は口述筆記したものなので、さらっと読めた。
    著者の見識が詰まっている。
    西洋のSMが宗教的儀式が関係するとはおぞましい。残酷なことも神の思し召しと信じればできるし、耐えられる?
    SMを知るために谷崎潤一郎の小説を読むといいと著者はいう。
    読み直してみようか?
    性とSMは関係あるようで関係なく、混同したくないと思う。

  • フランス文学研究者のSMについての文明論。軽い読み物のつもりで読んだら結構奥が深く考えさせられる部分もあった。とくにSとMは二元論ではないという部分や、理想のSはそんなに存在しないという部分はわかりやすくおもしろかった。

  • SとMについて、
    主にヨーロッパの歴史的背景から迫った本。

    ヨーロッパ史に疎い私にとってはけっこう苦痛だったが、
    そうでない人にとっては、興味深く読める本であると思う。

    この本を読んで、自分のことを多少なりともふり返ることができたのは収穫かなと。

  • [要旨]
    娼婦に肛門性交を強いて国を追い出された作家マルキ・ド・サド、被虐趣味に溢れた小説を書き一躍有名になったザッヘル・マゾッホ。彼らの嗜好を基に命名された「サディスム」「マゾヒスム」が浸透したのは十九世紀だが、そもそも精神的・肉体的な苦痛を介して人が神に近づくキリスト教に、SM文化の源流はあったのだ。鞭とイエスはどんな関係があるのか?そして、SMが輸入されることもなく日本で独自の発展を遂げたのはなぜか?縦横無尽に欲望を比較する画期的な文明論。
    [目次]
    第1章 そもそもSとは?Mとは?/第2章 SMって何?いつから発生した?/第3章 SMは、どのようにエスカレートしたのか?/第4章 SMは、歴史の必然から生まれた/第5章 SMの理想の相手は、どこで見つかるのだろう?/第6章 SMは、文化のバロメーターである/第7章 日本人にとって、SMとは何か?

  • [ 内容 ]
    娼婦に肛門性交を強いて国を追い出された作家マルキ・ド・サド、被虐趣味に溢れた小説を書き一躍有名になったザッヘル・マゾッホ。
    彼らの嗜好を基に命名された「サディスム」「マゾヒスム」が浸透したのは十九世紀だが、そもそも精神的・肉体的な苦痛を介して人が神に近づくキリスト教に、SM文化の源流はあったのだ。
    鞭とイエスはどんな関係があるのか?
    そして、SMが輸入されることもなく日本で独自の発展を遂げたのはなぜか?
    縦横無尽に欲望を比較する画期的な文明論。

    [ 目次 ]
    第1章 そもそもSとは?Mとは?
    第2章 SMって何?いつから発生した?
    第3章 SMは、どのようにエスカレートしたのか?
    第4章 SMは、歴史の必然から生まれた
    第5章 SMの理想の相手は、どこで見つかるのだろう?
    第6章 SMは、文化のバロメーターである
    第7章 日本人にとって、SMとは何か?

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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 人間には、生きるための本能があると同時に死に向かう本能があると、フロイトは言う。
    あまりに苦しく、あまりに怖いと、脳がそれを緩和するためにドーパミンを放出することが実際にある。例えばそれはマラソンしたときのランナーズハイなど。

    苦しくなればなるほどそれが快感に近づく。このことは現実でもよく起きている気がする。

  • SMをSがMを暴力的に支配する関係だと思ったら大間違い、キリスト教の由来から説き明かすのはいいけれど、比較文化論にありがちな割り切りすぎがあちこち(そうか?)とひっかかるところあり。

  • 文化史的視点からの見た本当のSとMについて解説。

  • 真剣に語ってるこの人は病気だと思う。

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著者プロフィール

鹿島 茂(かしま・しげる):1949年、神奈川県横浜市生まれ。フランス文学者、評論家、作家。東京大学文学部仏文学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。明治大学名誉教授。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、1996年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。2017年、『神田神保町書肆街考』を刊行、同年、書評アーカイブサイトALL REVIEWSを開始。2022年、神田神保町に共同書店PASSAGEを開店、現在4店舗を構える。

「2026年 『『共同幻想論』に挑む 家族人類学的考察』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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