自由と民主主義をもうやめる (幻冬舎新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980976

感想・レビュー・書評

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  • 保守主義の入門書。
    我々が無条件に重要だと信じ込んでいる「自由・民主主義」について、改めてその価値を再考する必要があると感じた。しかし、「自由・民主主義」に代わる新たな価値観の創出は可能なのか?現時点では、我々は「自由・民主主義」とうまく付き合っていくしかないのではないだろうか…

  • 自由は放縦、国民に良識がなければ民意も正しいとはいえない。価値と切り離せない。国の育んできた価値を大事にしようというのが保守の精神。戦後日本では、受け継がれてきた価値が何か、よくわからなくなってきている。

    自由と民主主義、という言葉に対して、無条件に良いものとして思考停止になっていたことに気付かされました。

  • 書店で見つけて立ち読みしましたが、最近同じような話を読んでいたので、買わずにいました。そしたら、たまたま図書館に出ているのを見つけたので借りてきて読みました。講演会などで話したことをもとに書かれているので、大変分かりやすく出来上がっています。「保守主義」と言っても、アメリカ型のものと、ヨーロッパ型のものがある。著者はヨーロッパで言われるところの保守主義にシンパシーを感じているようです。日本という国が持ってきた文化とか、昔からある価値観、精神などをもう一度見直していくべきときに来ていると言われています。私自身、「保守」と「リベラル」に分ければ、「リベラル」の方により共感するのですが、本書を読んでいると、保守的な部分も分からなくもない。たとえば、結婚式に仲人を立てなかったり、七五三などの行事ごとをしなかったり、お盆やお彼岸にお墓参りに行かなかったり、しきたりや何かに全くこだわりがない。けれど、そういうことを大切にしている人を否定することは全くない。逆に、精神的な部分で言うと、日本人の持っている「あいまいさ」とか、「あうんの呼吸」とか、「もったいない」という精神などは非常に良く分かるし、自分の中にもそういう要素が十分にある。こういう話を、世間話として、ホームパーティなどでしているとおもしろい。それぞれの家庭の考え方がある。このあたりの考え方が合う人がカップルになっているようだ。生活に大きく関わる部分だから当り前なのだけれど。日本の持っている良さを再発見すればいい。しかし、その良さを世界に広めようとするのは日本らしくないのかもしれない。

  • 「自由」と「民主主義」を無条件によいものだとすることをやめようと言う内容であり、とても奥が深い内容だった。

    保守や革新、左翼や右翼など私たちの世代は学生運動などを知らないため、とても理解しづらいものでしたが、戦後の歴史を思想的な背景にもとづいて詳細に説明してくれています。

    そのうえで現在の世界が抱えている「ニヒリズム(この世界には本質的に価値がないとする考え方)」という問題に、日本的価値観である「無」や「空」を掲げて、ニヒリズムを克服することを考えないと社会がもたないと説いている。

    この本を読み、私たちがいかにアメリカ型社会を無条件に受け入れてきたかが理解できる。もちろん全てがアメリカ型でははないが、表面的な部分を受け入れるうちに、徐々に内面(価値観)までアメリカ型になり始めているのではないかという危惧を感じた。

    東日本大震災が起こったときに、日本人の助け合い、礼儀正しさ、我慢強さは海外でも報じられました。それこそが日本人が他国に誇れる「調和を求め、節度を求め、自己を抑制することを知り、他人に配慮する。」という価値観だろうと思います。

  • 読了。

  • 愛国心≠ナショナリズム
    国=国民or国家
    保守主義=伝統を大切にし、革新とのバランスを図ろうとする考え。


    戦後日本は戦前の価値観を否定し、日本の文化を軽視し、アメリカの文化を迎合してきた。
    アメリカに留学して学んだ経済はアメリカに適したものであって、異なる土壌である日本にそのまんま取り入れる事は誤り。
    日本の仕組みを全否定し、アメリカのやり方が正しいと盲信することは危険。
    日本の歴史、文化とは?

    筆者の「義」という考え方には疑問だけれど、こういうことについて考えるきっかけを与えてくれた。
    読んで良かった。

  • たまたま、この本と中島義道の「生きることも死ぬこともイヤな人のための本」を同時並行して読んでいたのだが、対極にあると思っていた二人の思想の根本が実はニヒリズムで繋がっているように感じた。どこか二人の対談でも企画してもらえないかな。ひとつ忠告するとすれば、どちらの本も普通に世間を生きている人には何の役にも立ちません。
    「なんかイヤなんだよねー」とか「世間ってウザイなぁ」と思っている人が読んで少し安心する、といった本ですね。

  • 「保守主義」の定義から始まり、日本が目指してきた「民主主義」や「自由」のどこに問題があったのかを考察する。
    欧米の「保守」が、自分たちの文化や伝統を守りながら新たなものを取り入れてきたのに対し、日本は、「自由や民主主義、市場競争によって、何を表現したいのか、どんな社会をつくりたいのか」、そのヴィジョンも、想像力もないままに、ただただ日本中を東京化しようとしてきた。
    本当の意味での「保守の精神」とは何なのか、また、日本の強さとはどこにあるのか、ただ欧米の右に倣え…では、日本の精神や国はどんどん空洞化していくばかりでなかろうか。

  • 前半の保守、革新、左翼、右翼の説明は分かりやすく良かった。

    後半はなんとなくいつもの佐伯先生の主張かなと。

  • タイトルからは分かりにくいけど、本当の「保守」とは何かを主張する本。国が豊かになり、自由や民主主義が過剰に浸透した結果としてニヒリズムが蔓延してしまった現代社会に対する処方箋が、いわゆる「保守」思想であるという。著者は、単なる進歩主義として自由や民主主義を追いかけるのではなく、地域における伝統や慣習を活用して社会秩序を継続していくことが「保守」の基本的な考え方だと主張している。全体的に専門用語が多くて、政治学の基礎を知らないと論旨をきちんと捉えることが難しいのだが、タイトルは刺激的で面白いし、実際、自由や民主主義が日本でうまく機能しているようには思えないので、提起された問題は的を得ていると思う。

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