- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344981072
作品紹介・あらすじ
底なしの不況に落ち込んだ今、急増する貧困層を食い物にして儲けるビジネスが跋扈している。「敷金・礼金なし」で貧困層を誘い込み、ほんの数日の家賃滞納で法外な違約金を請求する「ゼロゼロ物件」。多重債務者にニセの養子縁組をさせてさらに借金を重ねさせる「リセット屋」等々。なけなしの金をむしりとり、貧困層をさらなる困窮へと陥れる「貧困ビジネス」は、もはやモラルをかなぐり捨てた、日本経済の末期的症状の象徴だ。気鋭のエコノミストがその実態を生々しくレポート。
感想・レビュー・書評
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次は貧困ビジネスの光の部分をクローズアップした本を読んでみたい。
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少し前の本なんで特に目新しい話はない。どれもウシジマくんとかでネタになっているような内容と言った感じ。しかし秀逸なのはセックスビジネス産業の記述の詳しさ。大量の湯を沸かすソープ、車で移動するデリヘルなどは、原油高による影響を受けやすくて、価格上昇となると途端に客足も落ち込む価格弾力性の高い産業なのだ、というのは大変参考になりました(なんのだ)。
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解像度が上がった
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タイトルに惹かれ購読しました。
15年ほど前の本ながら、現在にも通じる内容で、
とても勉強になりました。
貧困ビジネスが巨大市場であり、
社会の歪みを利用したビジネスモデルであり、
社会の底辺に根ざした構造であることが、
より一層解決を困難にしていることを
理解することができました。
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「悪貨は良貨を駆逐する。悪い目的でやる人がいるからこそ、悪いイメージがついてしまう」
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昨今の社会情勢の中で、日本でも低所得者層、貧困層が拡大している。こうした社会的弱者をターゲットにしたビジネスの中には、救済、援助を目的とするものもあるが、ほとんどは搾取しようというものであり、非合法のビジネスとは呼べないものも数多く存在する。本書では、こうしたビジネスの実態を紹介することで、問題提起している。
こうしたビジネスや犯罪は、マスメディアでも取り上げられることがあるのである程度想像はしていたが、正直自分に直接関係があるという実感がなかった。だが、ゼロゼロ物件の話など、すぐ近くに存在していることを認識させられた。
これからの社会を考える上で、貧困層の拡大は対岸の火事ではない。自分には無関係の話とせず、何が起きているのかを知っておく必要があるだろう。そういう意味で、割と気軽に読める(テーマは軽くないが)本書はお薦めできる。 -
社会
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概略を知ることができる良書。
ここに書かれているさまざまな貧困ビジネスをさらに詳しく知るためのガイドブックなんかがあればよかったかな、と。 -
資本主義が生み出した弱者を搾取するという構造が歪んだ形で現れたのが貧困ビジネスとよばれるビジネスモデルだ。
日雇い派遣や二重派遣など白からグレイゾーンだけでなく、性産業や臓器売買など闇社会にまで範囲を広げてとりあげている。
いかんせん新書であるので一つ一つのテーマに関しては概略レベルまでしか触れられてはいないが、その分読みやすいので問題意識を抱くとっかかりや考えるべき事柄についてのヒントにはなるのではないだろうか。 -
ホンマでっかTVでお馴染みの門倉氏による一冊。
彼のアンダーグラウンド経済は、中々に面白い。本作は貧困ビジネスについて。
ゼロゼロ物件、名義貸し、闇金、臓器売買...
乾いた雑巾から搾り取る。
無いところから金を生む。年々新たな法政策、改正策、出来りゃいたちごっこで、新たなビジネスモデルが生まれるわけだ。
市場主義経済である以上、格差は必定な気もするが。
本作が出されたのは2008年。もう10年も前か。派遣切りや商工ローン問題、サブプライムローンの余波がもろだった頃。
生活保護不正受給問題なんてのも一時、メディアを賑わせてたな。
さて、社会的弱者というものの定義は何なのか。また、そこに至るまでの責任はどこにあるのか。
だからと言って、共産主義じゃ崩壊するわな。
昨今じゃ働き方も実に多様になってきわけで、ノマドなんてのもあったり。
成人年齢も18引き下がり、さて、10年後にはどんな社会になっているのでしょうか。