- Amazon.co.jp ・本 (511ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344981348
感想・レビュー・書評
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クラシック初心者が、どのオーケストラを聴けばいいのかなみたいな観点で、本書を読むと少し失望するかも。(私がそう)
そもそも、この十のオーケストラはかなり恣意的に選ばれている。特にカラヤンとの関係がポイントになっている。
どの章もその成り立ち、歴史を語るのに重きが置かれている。さながら世界史の現代史のお勉強をしているよう。
それでも名指揮者の人間臭いところや裏話的なところ、知られざる一面が分かってそれなりに楽しめました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オーケストラは「カラヤンとの関係を軸に」選ばれたらしいが、本文がカラヤン一色ということはなく、むしろ控えめ。扱いにおいて、他の多勢の指揮者たちとの差は特に感じなかった。
そう、本書には、実に多くの有名指揮者が登場する。著者の方針として音色等の話題には触れないこともあり、さながら指揮者列伝だ。
とはいえ主軸はあくまでオーケストラにあるので、ある時代の首席指揮者として長々触れてきた人物の伝記が途中でぶつりと途切れ、この続きは次に移った別オケの章でね、ということがままあり、いっそ人物基準のほうが読みやすかったのではと思わせる。「さっきの人がここにも!」的昂奮は私にもあったが、悲しいかな基礎知識があまりに乏しく、点と点が線に繋がるあの快感は味わえなかった。せめて充実した人名索引があれば、かなり違ったのではないだろうか。
さりとて本書は、音楽好きに供するものでもない。クラシックマニアだが歴史はあんまり…という向きにも、ぴんとこないのではないかと思われる。
いろいろ書いたが、本書の正しきターゲット層——クラシック音楽をメイン、近現代史をサブの趣味に持つ人——には紛れもなく、こたえられない良書であろう。歴史好きのクラシック初心者としては、もっと知識を深め、本書の本当の面白さがわかるようになった頃、ぜひとも再読したいと感じた。
2011/10/19〜10/21読了 -
中川氏らしい切れ味の良い語り口で世界のオーケストラの歴史が紹介されています
カラヤンとの関係を軸に選んでいます -
カラヤンを軸に据えているので関係が掴みやすく面白く読めた。
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世界の10大オーケストラと行っても、その選択は「有名な」「上手な」という観点だけではなく、この本のテーマの一つであるカラヤンに関係するオーケストラが選ばれている。この選択は悪くはない。例えば、ロンドン響はないが、フィルハーモニアはある。普通に実力を考えれば、ロンドン響だろう。しかし、エピソードを考えるとフィルハーモニアのほうがおもしろい。この本が主に描く第二次世界大戦前後のころは、オーケストラ力学という意味ではかなりおもしろかった時代だろう。現代はそれに比べれば平和だ。エピソードはいろいろとおもしろく、それなりに楽しく読めるが基本的には二次情報で、大きな発見はない。クラシック好きの薀蓄という感じもある。
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1、シュターツカペレ・ベルリン
2、ニューヨーク・フィルハーモニック
3、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
4、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
5、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
6、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
7、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
8、イスラエル・フィルハーモニック管弦楽団
9、フィルハーモニア管弦楽団
10、パリ管弦楽団
とても簡潔にまた詳細に、さらに指揮者のエピソードも淡々と述べられていて、面白かったです。全体的にカラヤンを軸としているので、その辺が公平ではないと思いますが、へぇ〜、とか、ほう〜、とか感心する場面がたくさんあります。 -
淡々と?オーケストラの歴史を書いているだけなので,参考にはなるけれど,面白みがない。
どのオーケストラについても1990年頃で話が終わっているため「?」と思うが,それ以降についてはエピローグという形で書かれている。
同じ指揮者の名前があちらこちらに出ていて,名指揮者は引っ張りだこだったということは分かる。
私のような素人向けではないかも・・・。