民主主義が一度もなかった国・日本 (幻冬舎新書)

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レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981522

感想・レビュー・書評

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  • この本が出されてから丸一年以上が経過し、鳩山をはじめとする民主党のカスぶりがこれ以上ないような状態でさらけ出されている今日、書かれた内容も寒々しく聞こえるのは仕方無いところ。。
    一方で、他の著書でも言われているような宮台氏の見解というものには非常に納得できるものが多いと思うのも事実。
    民主党うんぬんは置いといて、日本の政治を考える上でとても良い材料になるのは間違いないと思う。

    しかし…政権交代直後の上梓ということもあって仕方がないとは言え、ルーピー鳩山を買いかぶった内容の部分は読んでいて恥ずかしいばかりです。。

  • 自民党から民主党への政権交代を果たした直後の興奮と、その後の凋落を知る立場からすれば、まさに虚しいばかりの宮台真司と福山哲郎による対論。
    ここで変えようとしていたものが、なぜ変えられず、それどころか退行してしまったのはなぜなのか、改めて考えないといけません。次の政権交代のために。

  • レビュー省略

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:302.1||M
    資料ID:95100100

  • とても良い内容を話しているのにどうしてこうなった。

  • 民主党政権が誕生して1ヶ月を経た頃におこなわれた、社会学者の宮台真司と、外務副大臣(当時)の福山哲郎の対談です。新しい政治が始まるという期待に満ちた2人の言葉が随所に見られるのですが、安倍政権が高い支持率を維持している現在読むには、ややつらいものがあります。

    本書の冒頭で宮台が、市場主義対談合主義、権威主義対参加主義の2つの座標軸で構成される大枠を示して、民主化とは権威主義から参加主義へと移行することを意味するのであり、その際、個人を社会的に包摂することがめざされなければならないという見解が示されています。それに続いて、二大政党制そのものよりも、民主化への移行が重要だと主張しています。ただ、自民党の一人勝ちとなった現在から見ると、政治参加を含む個々人の社会的包摂を実現するフォーマットとして、二大政党制を確立させるというのも、重要だったのではないかという気がします。

    もう一つ気になったのは、民主党政権が打ち出した「東アジア共同体構想」です。宮台もこの頃しきりに「亜細亜主義」を語っていましたが、本書ではその境界設定問題が取り上げられ、境界設定は恣意的だが任意ではないという主張が提示されます。ただこれも、現在の安倍政権が中国封じ込めという、まったく政治的に反対の立場に沿った境界を設定して、アジア・太平洋地域における実のある外交を展開しているのは、皮肉な事実だという気がします。

    それにしても、宮台とサシで議論のできる福山哲郎に感服しました。以前に谷垣禎一が、東大で丸山真男の講義を受けたけれどもあまり理解できなかったという、正直すぎる学生時代の回顧を語っていたのを覚えていますが、福山の方は政治家にしておくのがもったいないほどアカデミックな政治思想史についての深い教養を持っており、単なる「政策通」の他の松下政経塾出身者とは一線を画しているように、個人的には思っています。

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    運転手も運転経験が乏しいなら、乗客たちも命令して監視する経験が乏しい。運転手のミスや乗客たちの頓珍漢でバスはあちこちにゴッツンコ。

    その都度の目的やルートを適切に指示できない「自分自身」に、嫌気がさした乗客たちが、全てを運転手のせいにして、頬被りをしかねない。4

    それどころか「考えないで、俺に任せろ」という馬鹿な運転手に、再び「丸投げ」しかねない。5
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    官僚が、大臣、副大臣、政務官の間にお互いのコミュニケーションがないことを前提に、徹底的に情報を分断するんですよね。

    ダイレクトに電話しちゃうと、頭越しで誰かの顔潰したという話になっちゃうわけね。109

    役人が手練手管に長けているので政治家が手玉に取られているというのではなく、むしろ、自民党の派閥政治的な仕組みに官僚制が適応して、ある種の最適化を行った結果、役人のハンドリング能力が上がっている点にありますね。114
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    「慣れ親しみ」の中に埋没しがちなこうした傾向を、丸山眞男は「作為の契機の不在」と呼びます。「慣れ親しみ」を害するものに否定的に反応しがちなものの、環境が変わってしまえば、やがて新しい環境に何事もなかったかのように「慣れ親しんで」しまう。207

    でもね、結局のところ、ゲームはいつかは変わるんです。今までもそうだったでしょう。207
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    「緑を使った国土再建」こそは、遠い将来にわたって、最後の、そして最大の……。254

    ダムにもいろんなダムがある。護岸にもいろんな護岸がある。想像力を豊かにすることで、公共事業を、従来とは比較にならない「良きもの」にもできるのですね。255
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    潜在フレームを書き換える程度のことで人格は変わらないからです。人格を含めたリソースの使い方が変わるだけ。分かりやすく言えば、自信がつくことと人格が変わることとの間には、何の関係もないのです。

    非常時のパフォーマンスを上げるべく、平時のリソースをどう組み替えるか。だからこそアウェアネス(気づき)の訓練と呼ばれるのです。256

    意識的に選択できるものの領域を拡げる訓練です。それが日本では「人格改造」として受け入れられてしまった。

    改元観念に象徴されるような「空気の一新」「丸ごとの変化」という祝祭と結びついた原初的観念が支配しやすく、かわりに「リソースを組み換えてパフォーマンスを上げる」という戦略的観念がなじみにくいのです。

    日本社会が使えるリソースはこれから大して変わらない。でもリソースを組み換えられる。組み換えればパフォーマンスは一変する。257
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    崇高なるものへと統合されることによる尊厳。自由に物が言えて行動ができる中で自分自身の試行錯誤で培った自己信頼としての尊厳。どちらが強力かといえば、圧倒的に後者だというんですよ。259
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  • 2009年出版。
    社会学者の宮台真司氏と当時民主党議員の福山哲郎氏の対談本。
    ちょうど自民党政権から民主党政権になったときの話だから、まだ民主党が隆盛な時期。当時は自民党が負けて民主党になるのは自明のことだったが、今思うと民主党よ・・・という感は否めない。しかしこの本に書いてあったように、民主党は政策はいろいろ考えていたかもしれないが、政治過程についてやはりまだ未熟だったと言わざるをえない。しかしそれは与党にならない限りどうしようもないのだが。
    また、野党はマニフェストで勝負をして、与党は実績で勝負するというのは確かにと思った。メディアは各党のマニフェストを比較したりするが、与党はマニフェストがあるなら、じゃあやれよって話になるから(笑)
    自民、民主どうこうもあるけど、やっぱ日本の空気感というか、メディア含め民度が低いというか、今まで自民党政権の間に政治家に丸投げしていたのは、大いに反省したほうがよいと思った。
    福山氏が言っていたが、当時の民主党議員は何気ない生活の中で接する人たちに称揚されていたというのは少し驚いた。当時の自分がそんなに民主党に期待感を持っていたわけではなかったから。今では民主党議員は、民主党というだけでかなりディスられたりもしているけど、その中でもできる議員さんは苦境を超克してほしいと思っています。
    あと、やっぱり小沢一郎は政治過程や選挙に関しては強いし、原発再稼働を唱えている人は超保守的だし、この本読んでると、クリーンエネルギーにはさまざまな可能性があるのではないかと思えてきた。
    本の内容としては、要所要所単語がわからなかったりで、もっと色々知識をつけたいなと思った。

  • 希望に満ちた書。
    地震の前に読んだが、地震の後はこれは無理だと実感。非常によいビジョンだが、地震なくてもズルズルいって達成しない気もする。

  • 言葉が足らないと~ からのリファレンス。

    次の総選挙に備えた定点観測という意味で参考すると非常に面白い一冊。

    当時、外務副大臣、民主党参院政審会長の福山氏と首都大学東京教授の宮台氏による対談2009年11月の第一刷。

    本書にたびたび出てくる「事情変更の原則」について、実際に法理として適用されたのは、ワイマール憲法下でわずかに事例があるだけ、という点は留意しなければならないですね・・・。

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著者プロフィール

社会学者。首都大学東京教授。著書に『日本の難点』(幻冬舎)、『どうすれば愛しあえるの 幸せな性愛のヒント』(二村ヒトシ共著/KKベストセラーズ)ほか多数。

「2017年 『子育て指南書 ウンコのおじさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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