岩崎弥太郎と三菱四代 (幻冬舎新書 か 11-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 619
感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981560

作品紹介・あらすじ

三大財閥中、三百年以上の歴史を持つ旧家の三井・住友に対し、三菱は明治の動乱に乗じて短期間で巨万の富を築いた特異な会社である。坂本龍馬の遺志を継いで海運業を起こし、権謀術数を駆使してわずか五年で頂点を極めた政商・岩崎弥太郎。日本初のビジネス街・丸の内を建設した二代目・弥之助。戦争景気で業績を伸ばし、昭和の大不況を勝ち残った三代目・久弥と四代目・小弥太。時代に即した巧みな経営術と、現在も続く財界随一のグループ結束力で成り上がった一族、岩崎家四代のビジネス立志伝。

感想・レビュー・書評

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  • 『岩崎弥太郎と三菱四代』河合敦著
    三菱。商事、地所、銀行。
    多くの事業が今も発展を続ける。

    兄弥太郎そして弟弥之助。
    晩年癌なるも国/事業の発展に意思を傾けた生き様。

    渋沢栄一とともに一読の価値ありです。

    『廉直と操守』
    弥太郎の言葉をノートに記載しました。

  • 三菱について全然知らなかったので、
    結構おもしろかった。
    ただ、そのすごさをネタに、
    現代の政治や教育の批判が所々に差し込まれてて、
    それも内容自体は賛同できるんだけど、
    この本にとってはすごく余計だった。

  • 三菱グループの創業の歴史。歴史が苦手な私でも面白く読めました。三菱の創業者は岩崎弥太郎と思っていたら、弟の岩崎弥之助が海運分野を切り離し、多角的経営を始めたのだと、初めて知りました。個人的に、この弥之助の人物像が好き。弥太郎のようなカリスマ性はもっていないけれど、温厚で大胆な経営、政治にも興味はないように見せかけて、実は深く介入する頭のよさ、そして自分で興した事業をたった数年で弥太郎の長男に渡してしまう潔さ。弥太郎もすごいけど、弥之助すごい!


    *メモ*

    「人間は一生のうち、必ず一度は千載一遇の後期に遭遇するものである。しかし凡人はこれを捕らえずして逃してしまう。古語にも『幾を知るは、夫れ神か』とある。これを捕捉するには、透徹明敏の識見と、周密なる注意と、豪邁なる胆力が必要である」by弥太郎

    弥太郎、弥之助を含む明治の頃の実業家は公共的精神に富んでいる。時代のなせる業というのもあるが、現代では短期的利益のみにとらわれて行動する人もいる。大きな公的理想を持たなければ、勝利を手にしても虚しいだけ。

    弥之助の教育方針は、子供たちを甘やかさず、厳しく鍛え上げる。我慢する心を幼少時代に叩き込む。

  • 僕は日本史専攻ではない歴史音痴。

    三菱の創業者ということ以外
    何も知らなかったので読んだ。

    坂本竜馬との出会いや
    海運事業を通じて
    三菱を興した弥太郎。

    その海運事業から
    日本の将来のために
    撤退し他の事業を
    多角的に展開させた弥之助。
     
    この2人のエピソードは
    特に目を見張るものがある。

    日本人に明治維新から
    文明開化時代を生きた志士たちを
    好きな人が多い理由に納得。

  • 面白かった。若い人に是非読んで欲しい。岩崎家にフォーカスされているが、明治から昭和初期における日本の胎動をリアルに感じられる。個人的には弥之助に憧れる。

  • 龍馬伝の実質的主役(になっちゃった)
    とも言える、岩崎弥太郎。

    日経新聞の広告を目にして
    ちょっと読んでみようと3時間くらいで通読。

    史実の整理、軽い文体。
    歴史の入門編、という意味ではおもしろぃ

    ビジネス立志伝的要素も取り込まれようとされていますが
    その辺の筆者の意見と批評が、独自性と論理性において
    若干ぺらぺらなのは、「新書」を意識してのコトでしょう

    そう考えると、790円は高い。
    新書って、ホントはワンコイン(500円)の価値を提供する
    そんなフォーマットなんじゃないかなぁ

    なんて感じた一冊でシタ

  • タイトル通りの三菱四代についてコンパクトにまとまった作品。

    四代と言いますが、ページの配分的にはざっくりと、初代の弥太郎が65%、その弟で二代目の弥之助が25%、残り10%が三代目四代目の記述、といったところ。

    ・・・
    初代弥太郎の記述が中心なので当然ですが、弥太郎のやらかしが目につきます笑
    血の気の多さとか、遊郭通いとか、公金使い込みとか。

    初期の事業である商船時代の社訓で『俺の会社だー、儲けも損も全て俺の責任だからなー』(P.88)みたいなことを書かれているようです。経費の請求でレシートを白紙に貼り付けて請求しているのを見て激怒しているという逸話もありました。コスト意識の強さの観点を強調してのことだと思いますが(今なら裏紙使用はコンプラや情報漏洩的に問題になりそうですが)。

    初代弥太郎は、ケチというよりも、オーナーシップという言葉で形容したほうがしっくりしそうです。マイクロマネジメントと言えなくもないですが、全て自分事としてオーナーシップをもって仕事していたと。

    そのような姿はきっとエネルギッシュで、魅力のある方だったのだと思います。

    ・・・
    感心するのは二代目の変わり目の速さ。

    商船事業で政府系企業との消耗戦の末、三菱商船合併を画策。合併企業からは手を引き新たに三菱社を創設。こちらが今の三菱系列の元となっていることになります。

    鉱業(銅)、炭鉱、造船・重工業、銀行など現在の三菱グループの中心的企業がこの時代につくられた模様です。

    このドラスティックな変化を前に二代目の胸に去来したものは何だったか、少し知りたくなりました。

    ・・・
    もうひとつだけ。

    筆者がしきりに岩崎家を持ち上げて『国の為という精神がすばらしい』『公共心がある』的なことをいっているのですが、やや時代錯誤的に感じました。

    会社は、よりお金があるところに目を向ける、個人的にはそれだけだと思います。

    但し、公共心とか、(少なくとも)大衆への言葉が語れるかたでないと、大成することは難しいのかもしれませんね。

    ・・・
    ということで三菱グループのアンチョコ系歴史本でした。

    学生さんが就活で使いそうなハンディな厚さですが、サラリーマンがちょっとした勉強で読むのにも適しているかもしれません。

  • 三菱の歴史が理解できてよかった。

  • 岩崎家の発祥から発展までが簡単にまとめられているわかりやすい一冊
    創業家の血の滲む様な、昔ながらの根性論ストーリー  

    偉人の多くが少年期を過ぎてからも弥太郎のように大風呂敷を広げ続けている 

    英雄色を好む 弥太郎も長崎で相当色街に耽って失敗している 機を知るは夫か神か 人間は一生のうち必ず一度は千載一遇の好機に遭遇するものである

    三菱は初めは坂本龍馬などの土佐商会の海運から次第に政府からの委託も受け拡大していくが最終的には政府のこしらえた共同運輸と相対し、最終的には合併して日本郵船。
    日本郵船に海運を渡してから炭鉱業で発展、三井、住友、三菱の御三家に数えられるまでに。

  • だいぶ雑 夢とか気合いが成功の秘訣って

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著者プロフィール

1965年、東京都生まれ。青山学院大学文学部史学科卒業、早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学。文教大学付属中・高校教諭。早稲田大学教育学部講師。教育活動の傍ら、精力的に執筆活動も行なっている。

「2016年 『大学入試問題から日本史を学びなおす本(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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