- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344981560
作品紹介・あらすじ
三大財閥中、三百年以上の歴史を持つ旧家の三井・住友に対し、三菱は明治の動乱に乗じて短期間で巨万の富を築いた特異な会社である。坂本龍馬の遺志を継いで海運業を起こし、権謀術数を駆使してわずか五年で頂点を極めた政商・岩崎弥太郎。日本初のビジネス街・丸の内を建設した二代目・弥之助。戦争景気で業績を伸ばし、昭和の大不況を勝ち残った三代目・久弥と四代目・小弥太。時代に即した巧みな経営術と、現在も続く財界随一のグループ結束力で成り上がった一族、岩崎家四代のビジネス立志伝。
感想・レビュー・書評
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『岩崎弥太郎と三菱四代』河合敦著
三菱。商事、地所、銀行。
多くの事業が今も発展を続ける。
兄弥太郎そして弟弥之助。
晩年癌なるも国/事業の発展に意思を傾けた生き様。
渋沢栄一とともに一読の価値ありです。
『廉直と操守』
弥太郎の言葉をノートに記載しました。
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三菱について全然知らなかったので、
結構おもしろかった。
ただ、そのすごさをネタに、
現代の政治や教育の批判が所々に差し込まれてて、
それも内容自体は賛同できるんだけど、
この本にとってはすごく余計だった。 -
三菱グループの創業の歴史。歴史が苦手な私でも面白く読めました。三菱の創業者は岩崎弥太郎と思っていたら、弟の岩崎弥之助が海運分野を切り離し、多角的経営を始めたのだと、初めて知りました。個人的に、この弥之助の人物像が好き。弥太郎のようなカリスマ性はもっていないけれど、温厚で大胆な経営、政治にも興味はないように見せかけて、実は深く介入する頭のよさ、そして自分で興した事業をたった数年で弥太郎の長男に渡してしまう潔さ。弥太郎もすごいけど、弥之助すごい!
*メモ*
「人間は一生のうち、必ず一度は千載一遇の後期に遭遇するものである。しかし凡人はこれを捕らえずして逃してしまう。古語にも『幾を知るは、夫れ神か』とある。これを捕捉するには、透徹明敏の識見と、周密なる注意と、豪邁なる胆力が必要である」by弥太郎
弥太郎、弥之助を含む明治の頃の実業家は公共的精神に富んでいる。時代のなせる業というのもあるが、現代では短期的利益のみにとらわれて行動する人もいる。大きな公的理想を持たなければ、勝利を手にしても虚しいだけ。
弥之助の教育方針は、子供たちを甘やかさず、厳しく鍛え上げる。我慢する心を幼少時代に叩き込む。 -
僕は日本史専攻ではない歴史音痴。
三菱の創業者ということ以外
何も知らなかったので読んだ。
坂本竜馬との出会いや
海運事業を通じて
三菱を興した弥太郎。
その海運事業から
日本の将来のために
撤退し他の事業を
多角的に展開させた弥之助。
この2人のエピソードは
特に目を見張るものがある。
日本人に明治維新から
文明開化時代を生きた志士たちを
好きな人が多い理由に納得。 -
面白かった。若い人に是非読んで欲しい。岩崎家にフォーカスされているが、明治から昭和初期における日本の胎動をリアルに感じられる。個人的には弥之助に憧れる。
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龍馬伝の実質的主役(になっちゃった)
とも言える、岩崎弥太郎。
日経新聞の広告を目にして
ちょっと読んでみようと3時間くらいで通読。
史実の整理、軽い文体。
歴史の入門編、という意味ではおもしろぃ
ビジネス立志伝的要素も取り込まれようとされていますが
その辺の筆者の意見と批評が、独自性と論理性において
若干ぺらぺらなのは、「新書」を意識してのコトでしょう
そう考えると、790円は高い。
新書って、ホントはワンコイン(500円)の価値を提供する
そんなフォーマットなんじゃないかなぁ
なんて感じた一冊でシタ -
三菱の歴史が理解できてよかった。
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岩崎家の発祥から発展までが簡単にまとめられているわかりやすい一冊
創業家の血の滲む様な、昔ながらの根性論ストーリー
偉人の多くが少年期を過ぎてからも弥太郎のように大風呂敷を広げ続けている
英雄色を好む 弥太郎も長崎で相当色街に耽って失敗している 機を知るは夫か神か 人間は一生のうち必ず一度は千載一遇の好機に遭遇するものである
三菱は初めは坂本龍馬などの土佐商会の海運から次第に政府からの委託も受け拡大していくが最終的には政府のこしらえた共同運輸と相対し、最終的には合併して日本郵船。
日本郵船に海運を渡してから炭鉱業で発展、三井、住友、三菱の御三家に数えられるまでに。
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だいぶ雑 夢とか気合いが成功の秘訣って
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三菱グループの創業者、岩崎弥太郎から四代の歴史(幕末~終戦)を簡単にまとめた本。といっても内容のほとんどは初代弥太郎で占められている。
三菱は適時人を得たとはまさにその通りかもしれない。その適時人を得た弥太郎以降についてももっと書いてほしかったところですが。
それにしても帯の女と金でのし上がったみたいな記述はどうかと。弥太郎にそういう面があるのは否定しないけど、それが本書の主題じゃないでしょうよと。編集の知性のレベルが知れる。 -
昨年の大河ドラマで、渋沢栄一に対する勢力として出てきて興味を持っていたので手に取った1冊。
岩崎弥太郎の人生、それを引き継いだ弟の
弥之助、さらにその後を継いだ弥太郎の子・久弥、
最後の4代目、弥之助の子・小弥太の人生を
あますことなく書いててわかりわすい。
(さすが河合先生)
それぞれキャラクターが違ってて面白いのだが
(女で身を滅ぼしたり、時には詐欺まがいのことして経営をどうにかしたりと、やっぱり一番破天荒なのは弥太郎なのだが…)
全員共通なのは志を持ってること、それを貫いてることかな。だからこそ三菱がここまで大きくなったのだと。
あとはやっぱり合本主義だった渋沢栄一とはそりゃ敵対するんだろうなと思いました(笑)
※社訓とか見ても、社長独裁が掲げられてるしね…
※余談。
以前行ったことのある、岡山・高梁の吹屋坑道の吉岡銅山も、まさかの三菱が最初に手掛けてたとは!
さすが三菱、手広い… -
商船大の前身校は三菱商船学校でした。
所蔵情報:
品川図書館 289.1/I96
越中島図書館 289.1/I96 -
蔵書整理で手放すので、再び出会い読む日もあるか
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弥太郎の生い立ちから三菱4代まで書かれていて、弥太郎と三菱を知るにはとてもわかりやすい。
ところどころ筆者の感情移入が強いところもある。笑 -
歴史研究家 河合敦氏が2010年に発表した三菱財閥4代の物語です。この年の大河ドラマが「龍馬伝」で、岩崎弥太郎を香川照之が熱演していました。初代の弥太郎も凄いのですが、丸の内を作った二代目・弥之助、昭和の不況を乗り切った三代目・久弥と四代目・小弥太と才能才覚のある跡継ぎに恵まれたことが、現在の三菱グループの礎を築いたことが分かります。
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登場する4人の中では、弥之助さんが、やったことといい、引き際といい、一番カッコいいかな。
特に海運会社をマイナーで切り出したところとか。
間にちょくちょく入る著者の主観的論評というか現代批判は正直浅い感じで、なんかイラッとするところあり。。 -
明治維新は好きで本をいろいろ読んでおり、そのなかでも坂本龍馬が好きなので、その流れで興味を持って読み始めました。
ニコン、東京海上、キリンもが三菱財閥ということをはじめて知りました。 -
ニコン、キリンビール、東京海上、旭硝子も三菱財閥関連企業だったとは。
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現在でも存続する巨大企業グループ、三菱。その発端は幕末の志士で、坂本竜馬の右腕として活躍した岩崎弥太郎が海運会社を起こしたことだった。弥太郎は持ち前の豪快さと強気で新政府への協力と対立を繰り返し、時代の混乱期に商業界でのし上がる。
そんな弥太郎のあとを継いだのは実弟の岩崎弥之助。彼は兄とは対照的に慎重で温厚。その性格のおかげで、三菱は入れ替わりが多い明治政府の権力者たちが誰であろうと協力関係を結ぶことができ、政府のバックアップで海運業以外にも重工業や不動産業などの業種に進出する。
さらに3代目久弥、4代目小弥太は戦後の不況、好況時にそれぞれ適したリーダーだった。
三菱グループの発展は時代にマッチした4人の岩崎が地位に固執することなく次々とトップのバトンを渡すことができたからだ。