葬式は、要らない (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
3.40
  • (32)
  • (86)
  • (121)
  • (25)
  • (8)
本棚登録 : 816
レビュー : 127
  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981584

作品紹介・あらすじ

日本人の葬儀費用は平均231万円。これはイギリスの12万円、韓国の37万円と比較して格段に高い。浪費の国アメリカでさえ44万円だ。実際、欧米の映画等で見る葬式はシンプルで、金をかけているように見えない。対して我が国といえば巨大な祭壇、生花そして高額の戒名だが、いつからかくも豪華になったのか。どんな意味があるのか。古代から現代に至る葬儀様式を鑑みて日本人の死生観の変遷をたどりつつ、いま激しく変わる最新事情から、葬式無用の効用までを考察。葬式に金をかけられない時代の画期的な1冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 日本の葬式のあり方、そして今後について考える一冊。
    葬式とは一体何のためにするのか。
    葬式はそれほどにお金をかけなければいけないのか。

    内容のメモ
    日本の葬式は高い
    葬式費用が高いのは式の費用と戒名が主
    葬式は特権階級のもの。
    豪華にすることで極楽浄土を現世に表そうとした(平等院鳳凰堂しかり)
    僧侶が行っていた葬式を庶民で行うため修行中の僧の様式で葬儀を行ったため、戒名が必要になった。
    寺領が上知令により取り上げられて、収入がなく、戒名等で寺を運営しなくてはならなくなった。
    死んだら健康保険から埋葬料がもらえる。

    豪華な葬式もいいけど、結局は遺族の気持ちの問題だということ。

  • 島田さんのベストセラー?みたいなので読んでみたが、意外と「目からうろこ」度が低かった。本の裏の紹介文と目次で大体予想のつく内容。
    葬式や死にまつわる経済的な側面、民族学や社会学的な側面、の話が中心で、心の問題はほとんど語られない。
    戒名の付け方を教えてくれているのが面白かった。この著者は「戒名は自分でつける」というような書名の本も出していたと思うが、この部分を一冊分書いてるのか?それともこの本とほぼ同内容?

  • 日本人の平均葬儀費用が231万円、そもそも仏教には死後の戒名の習慣などないそうだ。近頃は直葬というのも増えているそうだ。葬儀ビジネスは課税にしてもらいたい。坊さんも公共インフラは使用するし、子供の教育も医療サービスも受ける。本当にビジネスとしての葬式はいらない!201306

  • 考える時間も相談する時間もとれない行事だけに不透明(ボッタクリ)感を強く感じていたが、本書を読むことで実態を知り、ある程度の本質がわかった。タイトルは「・・・いらない」だが檀家であるならそう簡単にはいかないようで、しかし葬式をやらずに済ます方法も書いてある。葬式を行うようになった経緯、戒名の意味(とおかしさ)は特に興味深く、本書が広まれば日本の文化も大きく変わっていくのは間違いない(というより変わない方がおかしいとまで思う)。広まらずとも本書にあるように葬式のあり方は変わらざるを得なくなる(なっている)が実態は知っておくべきだろう。

  • いい内容なのに、なぜ否定形のタイトルばかり書くのか。宗教嫌いに擦寄ってる感じが気に食わない。かと思えば、宗教家えっへんって感じの本も出してる。なんなんだこの人は。

  • 日本の葬式の多くは、仏教に結び付いてしまっているため、また、日本では世間体を気にする人が多いため、葬式の料金が非常に高額になっています。
    そこを見直そう、ということを主張した本です。
    決して、完全に葬式をなくそう、という主張の本ではありません。

    が、葬式の簡略化が進んでいる現在の状況を考えると、いずれ、葬式はなくなるかもしれない、という予想には納得できるものがあります。

    自分自身、身近なところで、すぐに葬式が行われる可能性は低いですが、とりあえず、このタイミングで読んでおいてよかった、と思っています。

  • 葬儀や墓について考える機会があり、手に取った。エンディングノートも流行ってるし、自分の葬儀、墓についても考えざるをえない年頃になってきたところで、いい材料になった。伝統とか慣習に縛られる必要はないと感じた。

  • 葬式は必要ないとぼくも思う。しかし、人生のけじめだと思う人にはまだまだ必要な行事である。この中で、戒名をつけない。僧を呼ばなければ安くつくと書いている。実際に可能かどうかは別として、考えておく事項だ。作者は、戒名が高価だと認めているが、一方で寺の維持のために仕方がない慣習だとも書いている。葬式だけではなく、日本人の宗教観が今度どのように変化するのか。それにより葬式のあり方も変化していくだろうと思う。

  • 戒名って別に必要ないんだ、というのをこの本で知りました。途中で統計の話ばっかりになって少し飽きますが、全体的に興味深く面白かったです。
    誰もが避けては通れない話なので、一読して損はないです。

  • 葬式そのものを批判否定するのではなく、
    「贅沢」に傾斜してしまう葬式を批判している。
    だから、内容的にはいいこと言ってる箇所たくさんありますが、結局それらはミスリードしているようにしか思えない。
    冒頭、第一章で、散骨についてこう記してある。

    これほど簡単なことはないし、死者を葬る費用も節約できる。

    つまり、散骨という葬法の需要は「簡単」と「節約」にあるわけです。
    この本、終始ここに行きつきます。お金の話です。
    金のかかる葬儀はダメ。
    金のかからない葬儀はよい。
    もううんざりです。

    重要なのは、新しい葬式のやり方を取った場合、費用がそれほどかからない点である。(p48)

    これでは人の遺骨はゴミですやん。人にとってなぜ葬儀が必要なのか、埋葬が必要なのかという精神性への考察が浅すぎる。

    葬祭業者がからむことで、葬式にかかる費用は確実に上がった。(p124)

    あたりまえですよね。何でも代行業が浸透している世の中です。そんなの葬祭業以外にもなんだってあります。クリーニング屋さんだって家事代行だし、士業(弁護士、会計士、司法書士など)だって業務代行だし、タクシーだって運転代行だし、野菜だって昔は自分で作ってた、服だって昔は自分で縫っていた。そんなものにいちいちこれらのせいで出費がかさむというのと、なんら変わらない次元です。
    昔は村落共同体による「葬式組」があったから金がかからない。現在は葬祭業者が取り仕切るから金がかかる。だから葬祭業者は悪だってのは、もう暴論も甚だしい。

    葬式は明らかに簡略化に向かっている。それは、葬式を必要としない方向への変化だとも言える。今や現実が葬式無用論に近づいているのだ。(p153)

    「簡略化」が次の行では「無用論」へと飛躍している。いやいや、簡略と無用はまったく別物でそう簡単に並べられたら困る。簡略化されてもなお必要とされるでしょう。そういう考察がない。

    唯一評価できる点は、江戸時代の寺請け制度で確固たる権力を手に入れてしまった寺院が未だにその時の甘い汁を吸い続けていることの弊害を糾弾した箇所だけではないか。

    日本における仏教や葬儀の変遷など、ためになる概論もあるが、それはしょせんこれまでさまざまな人たちによって語られてきたものを分かりやすくまとめたもので、結局、帰結させたいのは、葬式無用論。そこに納めるための論考たちの浅いこと浅いこと。

    なぜ人が、葬儀を、祭祀をしてきたのか。
    なぜ日本では儒教と道教と仏教と神道が混ざり合う土壌の中で仏教がイニシアチブを取っていったのか、その時に民衆は何を望んでいたのか。

    そういう今日に至るまでの長い歴史の、生活史の、その時代時代の人々の欲するものを、考察するという態度がゼロである。

    ショッキングなタイトルでベストセラーになって、ふだん宗教や葬儀や仏事にふれない人にはインパクトある一冊なのだろうけど、葬儀に、弔う人に、弔われる人に、敬意のかけらのない一冊。

    真に敬意のある態度であるならば「お金をかけなくても、葬式をしよう」とか「お金をかけずに葬式をする方法」などというべきですよね。
    はじめから「葬式は、要らない」なんて言ってしまう神経が、わからない。

全127件中 1 - 10件を表示

プロフィール

1953年、東京生まれ。宗教学者、作家、東京女子大学非常勤講師。76年、東京大学文学部宗教学科卒業。84年、同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。専攻は宗教学。日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員などを歴任。日本宗教から出発し、世界の宗教を統合的に理解する方法の確立をめざす。主な著書に『葬式は、要らない』『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』『もう親を捨てるしかない』(以上、幻冬舎新書)、『戦後日本の宗教史』(筑摩選書)、『ブッダは実在しない』(角川新書)など。

葬式は、要らない (幻冬舎新書)のその他の作品

葬式は、要らない Kindle版 葬式は、要らない 島田裕巳

島田裕巳の作品

葬式は、要らない (幻冬舎新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする