葬式は、要らない (幻冬舎新書 し 5-3)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981584

作品紹介・あらすじ

日本人の葬儀費用は平均231万円。これはイギリスの12万円、韓国の37万円と比較して格段に高い。浪費の国アメリカでさえ44万円だ。実際、欧米の映画等で見る葬式はシンプルで、金をかけているように見えない。対して我が国といえば巨大な祭壇、生花そして高額の戒名だが、いつからかくも豪華になったのか。どんな意味があるのか。古代から現代に至る葬儀様式を鑑みて日本人の死生観の変遷をたどりつつ、いま激しく変わる最新事情から、葬式無用の効用までを考察。葬式に金をかけられない時代の画期的な1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 法外な戒名料にお布施。

    日本の葬式費用は優に
    諸外国の十倍以上。

    これを異常値と言わず
    に何と言うのでしょう。

    当事者たる日本人にも
    葬式仏教を疑問に思う
    人は少なくありません。

    かく言う私もその一人。

    ・・・
    だった、というべきか。
    本書を読んで目から鱗。

    事実、
    多くの寺院は葬式以外
    に収入源がありません。

    現代の寺院がおかれた
    状況を考えれば、

    葬式仏教化は必然です。

    そして住職は毎日本尊
    の前で檀家の故人たち
    の冥福を祈り読経して
    います。

    そう、私たちは檀那寺
    に対し御先祖様の供養
    を委託しているのです。

    私たちにはその自覚が
    足りません。

    足りないが故に高額の
    戒名料やお布施に不満
    を感じ批判する。

    本当にそれでいいのか。

    故人を偲ぶこと二の次。

    世間体という見栄欲に
    振り回されて、

    金額の多寡にこだわる。

    そんな葬式は要らない。
    たしかにそう思います。

    • Manideさん
      コルベットさん、こんにちは〜

      鋭いタイトルの本ですね。
      私も本当にそう思います。
      田舎の方だと、古くからある習慣に従わないといけない感じが...
      コルベットさん、こんにちは〜

      鋭いタイトルの本ですね。
      私も本当にそう思います。
      田舎の方だと、古くからある習慣に従わないといけない感じがありますから、なかなか難しいんでしょうが、、、

      私の母の葬儀の時に、兄の知り合いの葬儀屋さんに依頼したんですが、ほんと、コストをかける必要はないという人で、どれもこれも安くする提案をされていて、サクッと低予算でとりおこないました。母は自分の残したお金で葬儀を行い、お金の面でもカッコいい去り方でした。

      結婚式と同じような感じで、高くしようと思うといくらでもグレードを上げていけるんですよね。
      2023/11/12
    • コルベットさん
      Manideさん、こんばんは〜。残される人たちに出来るだけ負担をかけない。御人柄が偲ばれるお母様の去り方、本当に格好いいですね♪
      Manideさん、こんばんは〜。残される人たちに出来るだけ負担をかけない。御人柄が偲ばれるお母様の去り方、本当に格好いいですね♪
      2023/11/12
    • Manideさん
      コルベットさん、返信ありがとうございます。

      そうですね〜、すごいと思います。

      自分の死んだ後のことを、遺言のようなもので残しておかないと...
      コルベットさん、返信ありがとうございます。

      そうですね〜、すごいと思います。

      自分の死んだ後のことを、遺言のようなもので残しておかないといけないですね、ほんと。
      葬儀はしないというのは難しいかもしれないでけど、お金はかけないでくださいと…
      2023/11/12
  • フォローさせてもらっている読書家さんのレビューと本書のタイトルに興味を引かれて読んでみた。『葬式は、要らない』と考える要因として、長寿(高齢化)社会と核家族化という"問題"があることがよくわかった。認知症問題とともに、今後しっかり考えて行かなければならない。著者・島田裕巳氏の他の本も読んでみたい、と思った。

    • 借買無 乱読さん
      moboyokohamaさん

      コメント、ありがとうございます。

      私はまだ喪主等の経験はないのですが、いざ葬儀となるとおそらく業者頼みにな...
      moboyokohamaさん

      コメント、ありがとうございます。

      私はまだ喪主等の経験はないのですが、いざ葬儀となるとおそらく業者頼みになってしまうだろうと思います。

      戒名・葬儀など、自分自身がどうして欲しいか意思表示しておいた方がいいのかな、と思いました。
      2022/06/26
    • moboyokohamaさん
      今日読み終わりました。
      面白くて(興味深く)ほぼ一気読みとなりました。
      最近知り合いの家で直葬で葬儀を行ったのですが、やはり世間体が悪いある...
      今日読み終わりました。
      面白くて(興味深く)ほぼ一気読みとなりました。
      最近知り合いの家で直葬で葬儀を行ったのですが、やはり世間体が悪いあるいは大事な人が亡くなったのにという様な事で色々とトラブルとまでは行かずとも揉めた様です。
      この本で感じたことを伝えて良い選択だったかもしれないと伝えてあげたい気がします。
      2022/07/13
    • 借買無 乱読さん
      葬儀・葬式は誰のために行うのか、ということを意識すれば、自ずとその規模や必要性が分かるのではないか、と思います。
      どこにでも口うるさい人はい...
      葬儀・葬式は誰のために行うのか、ということを意識すれば、自ずとその規模や必要性が分かるのではないか、と思います。
      どこにでも口うるさい人はいるので、出来るだけ自分の意思を明らかにしておきたいですね。
      2022/07/14

  • 葬式の文化や背景を紐解きながら、データを交えていて見やすい構成でした。
    本書を見て、自身が死んだ時も葬式は必要最低限にしようと決意できました。

  • 島田裕巳さんの作品、ブクログ登録は3冊目になります。

    本作の内容は、次のとおり。(コピペです)

    日本人の葬儀費用は平均231万円。これはイギリスの12万円、韓国の37万円と比較して格段に高い。浪費の国アメリカでさえ44万円だ。実際、欧米の映画等で見る葬式はシンプルで、金をかけているように見えない。対して我が国といえば巨大な祭壇、生花そして高額の戒名だが、いつからかくも豪華になったのか。どんな意味があるのか。古代から現代に至る葬儀様式を鑑みて日本人の死生観の変遷をたどりつつ、いま激しく変わる最新事情から、葬式無用の効用までを考察。葬式に金をかけられない時代の画期的な1冊。

    葬式の形も変わってきましたね。
    私の父は2014年に旅立ちました。
    したがって、この本が刊行されてから、4年後位の旅立ちになります。
    創価学会員だったので、友人葬という形で送りました。

    おそらく次は、母の葬儀を迎えることになると思います。
    簡素化した形での葬儀になると思いますが、今現在、しっかりとした形を描けないでいます。

  • 勉強になった。
    単なる葬式無用論ではなかった。
    戒名の意味、葬儀がともすれば豪奢になってしまう理由、葬式仏教とならざるを得ない寺院の現状がよく理解できた。
    自分の葬儀はできるだけ地味にとボンヤリと考えていたのですが、その根拠とすべき物を見出せた気がする。

  • 日本の葬式のあり方、そして今後について考える一冊。
    葬式とは一体何のためにするのか。
    葬式はそれほどにお金をかけなければいけないのか。

    内容のメモ
    日本の葬式は高い
    葬式費用が高いのは式の費用と戒名が主
    葬式は特権階級のもの。
    豪華にすることで極楽浄土を現世に表そうとした(平等院鳳凰堂しかり)
    僧侶が行っていた葬式を庶民で行うため修行中の僧の様式で葬儀を行ったため、戒名が必要になった。
    寺領が上知令により取り上げられて、収入がなく、戒名等で寺を運営しなくてはならなくなった。
    死んだら健康保険から埋葬料がもらえる。

    豪華な葬式もいいけど、結局は遺族の気持ちの問題だということ。

  • 島田さんのベストセラー?みたいなので読んでみたが、意外と「目からうろこ」度が低かった。本の裏の紹介文と目次で大体予想のつく内容。
    葬式や死にまつわる経済的な側面、民族学や社会学的な側面、の話が中心で、心の問題はほとんど語られない。
    戒名の付け方を教えてくれているのが面白かった。この著者は「戒名は自分でつける」というような書名の本も出していたと思うが、この部分を一冊分書いてるのか?それともこの本とほぼ同内容?

  • 日本人の平均葬儀費用が231万円、そもそも仏教には死後の戒名の習慣などないそうだ。近頃は直葬というのも増えているそうだ。葬儀ビジネスは課税にしてもらいたい。坊さんも公共インフラは使用するし、子供の教育も医療サービスも受ける。本当にビジネスとしての葬式はいらない!201306

  • 考える時間も相談する時間もとれない行事だけに不透明(ボッタクリ)感を強く感じていたが、本書を読むことで実態を知り、ある程度の本質がわかった。タイトルは「・・・いらない」だが檀家であるならそう簡単にはいかないようで、しかし葬式をやらずに済ます方法も書いてある。葬式を行うようになった経緯、戒名の意味(とおかしさ)は特に興味深く、本書が広まれば日本の文化も大きく変わっていくのは間違いない(というより変わない方がおかしいとまで思う)。広まらずとも本書にあるように葬式のあり方は変わらざるを得なくなる(なっている)が実態は知っておくべきだろう。

  • 『世界のすごいお葬式』(ケイトリン・ドーティ)を読んで、

    「自分の葬儀は簡素にしてほしい。面倒な手続きもいらない」と思ってた時に見つけた『葬式は、いらない』(島田裕巳)。

    葬式の流れを読んで、「直葬でいいし、お墓はいらない。何なら散骨してほしい」という思いが強くなった。

    自分のためにお金がかけられる事が馬鹿馬鹿しい。

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著者プロフィール

島田裕巳(しまだ・ひろみ):1953年東京生まれ。宗教学者、作家。東京大学文学部宗教学宗教史学専修課程卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任し、現在は東京女子大学非常勤講師。現代における日本、世界の宗教現象を幅広くテーマとし、盛んに著述活動を行っている。 著書に、『日本人の神道』『神も仏も大好きな日本人』『京都がなぜいちばんなのか』(ちくま新書)『戦後日本の宗教史――天皇制・祖先崇拝・新宗教』(筑摩選書)『神社崩壊』(新潮新書)『宗教にはなぜ金が集まるのか』(祥伝社新書)『教養としての世界宗教史』(宝島社)『新宗教 戦後政争史』(朝日新書)等多数あり。

「2023年 『大還暦 人生に年齢の「壁」はない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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