生きる哲学トヨタ生産方式: 大野耐一さんに学んだこと (幻冬舎新書 い 7-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981621

感想・レビュー・書評

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  • トヨタ生産方式がどのようにして導入されていったのかが実体験から書かれているため、理論だけでなくバックグラウンドまで理解できる一冊。
    トヨタ生産方式の思想まで知ることができ、製造業の奥深さを実感できる内容でした。

  • 人間尊重
    ムダの徹底的排除
    品質が第一

  • 「トヨタ生産方式の生みの親」と呼ばれた大野耐一氏の薫陶を受け、自らもトヨタの役員から子会社・デンソーの副社長となった著者による「生きる哲学」。企業の生産部門で働く人なら必ず知っている「かんばん方式」や「ジャストインタイム」の生い立ちからその知恵を、エピソードや思い出話を交えて紹介する内容は興味深い。ただ徹底的なムダの排除とコストダウンを追求した結果、何千社もある下請けに無理な要求を突きつけ、朝一番の納入を指定された仕入先のトラックがトヨタの工場に続く道路に行列をなし、公共の道路を「倉庫代わり」に使った「罪」に関しては全く触れられていない、というか罪の意識が無い。トヨタは毎年多額の法人税と広告費を払っているから「それでいいのだ」という事なのか? う~ん...

  • トヨタ生産方式
    ツールではなく、フィロソフィーを実体験から記載されていて、背景がよくわかる

    螺旋的に改善は続く
    写真を破るくだりは、仕事の厳しさをよく理解できる事例だった。

    自分の仕事も満足せず、常に良い方へいくひつようがある。そこで満足しないことの大切さ、あきらめないことを改めて学んだ

  • 著者は若い頃から大野耐一氏から仕えてきた元トヨタ役員。
    トヨタ生産方式に関する書籍は世にたくさんあるが、この本の特徴は大野耐一氏とその弟子の鈴村喜久男氏とのやり取りを回想したもの。理論ではなくノンフィクションに近い。
    その著者が考えるトヨタ生産方式の根底は三つ。
    「人間尊重」=人間の能力への限りない信頼。
    「造りすぎのムダの徹底的な排除」=受注が急増したからといって、慌てて設備を入れたり、人を雇ったりしても長い目で見て決して経営のためにも世のため人のためにもならない。
    「品質が最優先」=良い品質こそが減価低減の大前提。コストダウンの品質の維持・向上は両立する。
    カイゼンやカンバン方式や何故を5回繰り返すなどの言葉はあくまで表面的なものであって、その裏にある最強カンパニーのフィロソフィーに触れた気がする。良書。

  • トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一さんに直接仕えた著者の回顧録と、それに付随した経営論。
    トヨタ生産方式の単純な手法論ではなく、方式を確立するためのドキュメンタリと、そのプロセスで著者が感じた人材育成・変革を起こすための教訓が語られている。
    実経験に基づいており、トヨタの真髄というか奥底にあるトヨタの経営原則を感じ取ることができた。

  • トヨタ生産方式については色々と学んできたつもりである。しかし、その度に疑問に思うことがある。
    なぜトヨタの現場の人は、ここまで働けるのか?ということである。
    人間は期待されれば自ら成長する、その理論は分かるが、人は誰しも弱さを持っている。
    終わりのない改善に対し、常にモチベーションを保ち続ける理由は何か、何がそれをさせるのか、そういった部分が知りたい。

  • トヨタ生産方式の確立に携わった筆者が語る。
    人間を大切にすること。

  • 良い品質が原価低減の大前提。

  • トヨタ生産システムのバックボーンにある仕事への姿勢について、実際に活躍していた実地の人が啓蒙的に(しかし思い出話風に)語っている。一線でバリバリ仕事をしていた感じはよく伝わる。また、マニュアル的に生産システムの手法を説明されるよりもすんなりと意図(まさしく哲学)が理解しやすい。ただ、冗長で内容としては薄い。読み物感は否めない。

  • トヨタ生産方式の生みの親、大野耐一氏の教えを、部下の視点から臨場感満載で描いた本。

    著者は、「現在の日本の企業経営の仕方に違和感を覚え、トヨタでの自分の貴重な経験を世に示すべきだと感じた。」という風なこと本書の中で綴っているが、「日本の高度成長期を支えたこの頃の日本人は、本当に凄かったんだ!」と実感させられる。
    他の人では想像もできないような視点・スケールで目標を立て、それに対する確固たる信念を持ち、それがゆえに壁にぶつかってもひるまず、前進を続け、最終的には製造管理手法において革新を成し遂げる。
    結果的に世界のデファクトスタンダードとなったこの成果はもちろん重要だが、そこに行き着くまでのプロセス、根本となる思想、そういったものを参考にし、基本に立ち返ってみることで、勉強になることはたくさんある。

  • 人が大切。
    現場が大切。
    安全、品質、量の順に大切。
    トヨタの企業理念がなんとなく分かる一冊です。

  • 【読みたい】ビジネスブックマラソン

  • 真新しいことは殆ど何も書いてないものの、エピソードから、どういうことにどれくらい本気で取り組んでいたのかがかいま見える

  • 人を育てるという趣旨が,旨く伝わっているのだろうか。
    書かれていることは過去にそうだったことはよく分かる。
    現在,どうなっているかの検証をお願いできないだろうか。

  • いい本です。新入社員、メーカー勤務者にお薦め。ジャストインタイムの起点やトヨタが生産現場で大切にしてきたことが良く分かる。自身の仕事にも活かしていきたい。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、3階開架 請求記号:336//I97

  • トヨタ生産方式の本ではあるが、小手先の技術本では無く、それに流れる哲学を書いている本。
    そのために著者の経験で具体的にあった事を書いてある。
    なので、トヨタ生産方式の本としてでなく、仕事に着いてどう考えるか、どう向き合うかについて知るにはとても良い本だと思う。

    細かい点でも勉強できる点は多いと思う。

  • 役員から読むように言われた課題図書。

    なぜ今トヨタ生産方式の本を?と思いましたが、違ってました。
    純粋な生産方式だけを語っている本ではありません。

    著者が入社して、生産方式とどのように出会い、それを広めて行ったか。
    関係者とのエピソードなども綴られています。

    生産方式の生みの親、大野氏の考え方がわかりやすく説明してあり、
    かなりの良書です。

    なんというか、個人的にこういった入社してからの経緯がわかるようなストーリー形式は大好きです。なんといっても読みやすいし。

    人を育てるということ、品質を最優先することなど、今後自分が意識すべき事項が多かったです。

    早く、自分の右腕・左腕となる人物を育てたいです。

    以下はMinutes。

    ・機会損失は本当の損ではない
    ・部下の誤りはその場ですぐ自らが正す
    ・管理ではなく、監督する
    ・外に出した仕事は二度と戻ってこない
    ・必死になり、無我夢中になれば、世の中のことはたいがいなんとかなるものだ
    ・期待と厳しさは表裏一体
    ・部下の時間を有為にするのは、上司の最大の責務
    ・オフィスに座っている

  • 大野耐一さんの本は数多く存在するが、どれもそれは本人やライターの方がほとんどであると思います。

    この本は私が知る限り、初めて大野さんを部下の視点から見た一冊であると思います。

    他のレビューでも書いたのですが、トヨタ生産方式はかんばんを始めとする運用方法を覚えるよりも、トヨタ生産方式の生みの親、大野さんの思いをまず理解することが大切だと私は思っています。そういう意味でこの本は他の本で読んだ大野さんの思いが別の視点からも知ることができ、大変勉強になる一冊です。

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