本当は嘘つきな統計数字 (幻冬舎新書 か 5-4)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981928

感想・レビュー・書評

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  • サンプルの取り方、統計処理の仕方によって、結果は大きく異なるという話。

    特に気になったのは経済効果。負の効果は考えていない(オリンピックでお土産などに支出があれば、その他の観光支出が減るから、経済効果は相殺される)から、いくらでも風呂敷を広げ放題。

  • レベルが疑問視されるマスコミ用に読了

  • 統計を学ぶというよりか、興味がある人が最初に読んだりする初心者向けの本。
    空いた隙間の5分とかで読むのに最適。

  • 世に出回る統計のバイアス、ミスリードを具体的に学べた。

    ベイズ統計学、主観確率

    アメリカの雇用統計は誤差が大きい、基準改定や調整の影響が大きい→週間失業保険新規申請件数の方が雇用動向を把握するには良い

    「経済効果」のレポートは結論ありき。マイナスの効果を考慮していない。

  • 個人的にはだいたい知っている内容だったが、分かりやすく書いてあるのは良い点だと思った。

  •  自分自身がニュースの中でも、特に数字に過敏になったのは、○○シーベルトや△△ベクレルが頻出した、原発事故の頃からか。報道でも仕事でも、根拠となる数字が示されると、それを元に一見合理的な判断が出来たような気になる。
     ところが本書では、判断基準として、分かったつもりになっている数字の根拠が、想像以上にあいまいであることが説明される。
     「数」「選び方」次第では白が黒にもなり、数えられないものも無理やり数える事がある。さらに「気の持ちよう」で意味が変わることもあるらしい。さらに「科学的」という言葉に踊らされ、「調整」という名の操作、結論ありきの試算があると。
     「ポスト真実」や「ご飯論法」にイライラする以前に、今一度認知のゆがみを正し、冷静さを取り戻そうと考えるのである。

  • まあ、基本的な話って言えば基本的な話なんだけどきちんと再確認するにはいいかな?と読み始めは思ったんだけど、繰り返しになっちゃうんでだんだん読むほうも飽きてくるし、書く方も途中で飽きてきちゃったかな?ってやっつけ感も漂ってきた。

  • 長寿村 単に若者のいない過疎地→生活習慣から長寿の秘訣は得られるのか?
    美容整形の件数 人口1人当たり 世帯当たり→真実の姿
    国の借金を国民1人当たりにする→意味なし 直接・間接に国民自身が資産として保有

    インターネット調査 手軽だが母集団を代表していないこともある。

    ブラッドリー効果 1982年カリフォルニア州知事選挙 黒人候補者が事前に高支持→白人の有権者が人種差別主義者と思われたくないからウソの回答

    大数の法則 少数の法則 コインで6回連続で裏→次は…→予想に意味がない

    インドネシアの国勢調査 10年に一回→下1桁0、5歳が多い→Age Heaping 開発途上国では年齢を知らなくても生活に支障なし、中には知らずに一生を終える人もいる。
    ベトナム 十二支が社会的習慣として浸透→年齢の認識が正確

    結婚と出産に関する全国調査 30歳から34歳童貞24.3%→回答に虚偽申告が紛れ込んでいることを踏まえると実際には30%を超えている可能性が高い。
    日本人は性に対する個人情報をクローズする傾向→セックス回数の回答に下方バイアス
    オープンな国は上方バイアス

    ビデオリサーチ社 全国27の調査エリア 関東・関西・名古屋それぞれ600世帯、それ以外の地区それぞれ200世帯 合計6600世帯
    関東地区1702万世帯のサンプル600 0.004%→視聴率10%が取れた=誤差プラマイ2.4%

    ラジオ 首都圏偶数月、関西・中京年4回 12歳から69歳までの個人3000人が調査票

    プロ野球の観客動員 05年から実数
    10年10月 大宮アルディージャ 入場者数水増し
    大阪国際見本市 06年半券のみで集計 過去50年間半分以上水増ししていた。

    05年 警察庁 神社・仏閣の参拝者数カウント方法を調査→正確性に疑問

    観光庁 09年観光客数の集計の統一基準 「年間の観光客数が1万人以上、or特定の月に5000人以上が訪れる地点」→基準に満たない地点を多く有する地域は観光客数のデータが極端に少なくなった。

    関東大震災 14万2,000人の犠牲者数→東京帝大教授(死者9万9,331人行方不明者4万3,476人)→80年後の2003年 鹿島建設 行方不明者のダブルカウントを除くと10万5,000人

    エゾシカの生息数→実際にはよく分かっていない→93年度ヘリからの調査を基準→延長推計しているだけ

    全宇宙で観測可能な星の数 700垓個(少なく見積もって) 地球上のすべての砂粒の10倍

    13日の金曜日→事故報告件数が相対的に少ない→人々が不吉なことを怖れるあまり、異常に注意深くなったり、外出を控えるからではないか?→実際は不明

    数学者 じゃんけんの研究 グー35% パー33.3% チョキ31.7%
    手の構造上グーが出しやすい。チョキが出しにくい。☆R021226寒いときはそうかも…迷ったらパーを出す

    降水確率の予想 1986年からスタート

    客観確率 推論を導入した主観確率(事後に現れたデータをもとにして推測 ベルズ統計学)
    ベルズの定理

    モンティホール問題

    ベルズ推定→追加的な情報を得ることで主観確率が変化→追加的な情報は自分の主観確率に影響するものでなければ意味がない 3囚人問題

    飛行機 事故発生確率に延べ移動距離を利用→自動車との比較では、利用回数(利用者数)を用いると自動車の方が安全

    利用可能性ヒューリスティック availability heuristic 記憶に残っている事柄が主観確率に影響(飛行機事故数、少年犯罪)
    フレーミング効果 死亡率10%=生存率90%
    over confidence自信過剰バイアス→宝くじ購入

    あいまいさに対して極端に臆病になるという心理的バイアス
    エルスバーグのパラドックス 赤玉黒玉合計100個の壺 50個ずつと分かっている壺

    人間は不確実性をできる限り小さくするために様々な努力 生命保険、損害保険、金融商品
    フランク・H・ナイト「リスク、不確実性および利潤」
    可能性を統計、確率的に推測できる→リスク 推測できない→真の不確実性

    サブプライムローン問題 格付け会社は高い格付け→新しく誕生した商品に精度の高い格付けするノウハウをもっていなかった。

    学術論文 スポンサーバイアス(特定の企業の意向に沿ったものとなる傾向)

    占い、血液型→バーナム効果、フォアラ-効果(万人に通用する共通する特徴)

    エンゲル係数 日本は低下傾向→少子高齢化の影響か?

    クールビズ 冷房の設定温度アップ→仕事に集中できない→生産性低下
    猛暑 夏用品の打ち上げアップと労働生産性の低下の影響もある。

    ロシア 標準時の多さ=広大な大地の誇り→ネドベージェフ大統領の削減策(経済効率化へ)

  • まあ、タイトル通りなのだが、あまり目新しい記事はなく、どっかで読んだなあって。市販本ばかりネタ本にしたんじゃないかという気がするくらい。
    内容も、百花的に並べてるだけで、深みもない。
    本としてはイマイチ。

  • 統計的な数字で表現されると、何となく客観的に思えて信憑性があると感じてしまうものだ。結局はデータをどう扱うかというところで、主観的な因子が入ってくるのだとすると、その過程もよく精査する必要がある。だまされないようにするのも大変なことである。

  • 最近テレビで天然キャラでも有名な門倉氏による、文字通り、統計数字の嘘を見抜き、正しい統計学を身に着けることを説いた一冊。

    既知の話が多かったものの、改めて勉強になった。

  • 統計の専門でもなく、心理学に偏っているでもなく、なんだか幅広い視点で視野が広がった。
    こういうアプローチは真似したいものだが。

  • 世の中には多くある統計データが実は信用ならない部分があるということを示した本。

    本著では統計のデータを見る際、以下のようなことに気を付けよと言っている。
    1選び出されたサンプルが母集団を反映しているか?
    2調査方法がどのような方法になっているのか?
    3確率にバイアスがかかっていないか?
    4研究者自身が何かしらの考えに偏りを持っていないか?
    個人的には2,4が重要ではないかなと思った。最近のニュース等を見ていると、こういう結論にしたいという思いで、データを集めている気がする。そりゃ、このアンケートに答えるって時点で偏りがあるよみたいな。

    内容としては目新しいことはあまりなかったものの、分かりやすく、統計を注意深く見ようという気にはなった。ただ、具体例をただ列挙している部分もあったので、少し退屈でもあった。

  • サンプルの母集団によって統計結果が変わる。
    数えられないものを無理矢理数える。
    気の持ちようで決まる数字の意味。
    科学的という言葉がやばい。
    調整という名の情報操作。
    はじめに結論ありきで試算。

    いろいろなパターンで例が出されているので、サクサク読めた。
    ただ、私的には真新しいことが書かれていなかったので、評価は低め。

  • 三葛館新書 331.19||KA

    もっともらしい統計データも、実は偏ったものかもしれません。例えば、サンプルそのものに偏りがあったり、母集団の数に差があるものを比較していたり、回答者が(意図的かは別にして)虚偽の回答をしていたり・・・。テンポよく次々と色々な例が紹介されていくので、どんどん読み進んでいきます。

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=59551

  • 概要をつかむにむいてるか。若干内容が薄め。

  • 解説が丁寧かつ親切なので読むのに苦労することはありませんでした。
    統計数字の取り扱いには注意が必要で、出された結果を鵜呑みにしてはダメですよ~と言っています。
    ただ、一般人は統計作成の過程まで踏み込んで考えるのは時間的にも知識的にも難しく、信頼の高い統計結果を出すべきであり、曖昧な結果を出すくらいなら、素直に『分かりません』と言ってくれた方が好きです。恣意的な統計数字を出していないか、また利害関係者が調査していないか、等不安材料をいちいち調べなくてはならないなんてナンセンスです。

    サクサク読めるのですぐに読破できましたが、物足りない感が否めません。本書のレベルアップ版として、『社会調査のウソ』を薦めます。

    学者としての立場を弁えていて、好感が持てます。また、経済解説等は初心者に分かりやすく説明している(他の人は専門用語が説明されていないから難しい)ので、初めて経済を勉強するなら彼の著書を薦めます。
    メディアに出てる時に受ける印象とは全然違うのでびっくりです(笑)
    僕の評価はAにします。

  • 仕事でデータを基にして資料を作成することが多いのですが、一次データ(売り上げデータ等)を加工する場合、切り口を変えることで、訴えるポイントが明確になる(変わることもあり得る)ことを実感しています。

    その時に重要なのは、纏めた図表で定義する言葉の意味であることも分かってきました。そこで、新聞や本等に掲載されている図表についても、原資料は何なのか、を注意して読むようになりました。

    すると著者によって、主張していることがデータに基づくことなのか、観念論に基づくかも分かってきます。どちらが良いかは難しいところですが、統計数字を読むときに、それらを踏まえることは大切だと思います。

    この本は、「嘘つき」という言葉を使っていますが、門倉氏の言いたいことは、」統計数字を見るときは注意するポイントがありますよ」ということでしょう。私も彼のポイントを理解して、今後、新聞や雑誌のグラフを見るときには気をつけようと思いました。

    特に割合について論じるときには、分母の定義が重要のようですね。

    以下は気になったポイントです。

    ・韓国の美容医療施術件数はランキングで7位だが、1000人当たりでは13.7件で世界一(p17)

    ・統計データを国や地域で比較するには、「一人当たり」や「世帯当たり」に直してみると、真実の姿が浮かびあがってくることが多い(p18)

    ・全数調査としては総務省が5年毎に発表している国勢調査があるが、未回収率が95年の0.5%から、00年には1.7%、05年には4.4%となった、都市部を中心に回収率が下がっている(p43)

    ・国によっては自分の年齢を気にする必要がなく、生活に支障をきたすことも少ないので、国民の多くが年齢の1の位を「0」や「5」に纏めてしまうことがある、その現象が見られない国は、十二支が社会的習慣として浸透している(p45)

    ・視聴率調査で、関東地区600世帯の場合、計算された視聴率の誤差は、視聴率10%に対してプラスマイナス2.4%の誤差(95%信頼度)、50%の場合は誤差が±4.1%となる(p52)

    ・消防当局に届け出されている東京ドームの定員は、立ち見あわせて4.6314万人だが、1988年のオープン当初から満員時には、5.6万人と1万人多く発表されていた(p58)

    ・両リーグともに 2004年から観客動員数が大きく落ち込んでいる、セリーグで210万人、パリーグで243万人の合計で453万人が水増しされていたからだろう(p60)

    ・大宮アルディージャの水増しは、試合前のスタジアムやイベント参加者もカウントしていたから(p63)

    ・警察庁は、2010.1から初詣の参拝客の集計と発表をやめた、数字の正確性に責任をとれないという理由による(p68)

    ・奈良県の2009年の宿泊客で、数の数字が前年比較で100万人減ったのは、調査方法の変更によるもの(p72)

    ・関東大震災の死者・行方不明者は、2003年頃に定説よりも3.7万人少ない 10.5万人余りであることが判明した、焼死者の一部が行方不明者のダブルカウントされていた(p73)

    ・ロシアンルーレットにおいて、ランダム方式(毎回回転式弾倉を回す)の場合は、どの順番でも変わらないが、そうでない場合は、後の順番ほど自分に当る確率は下がる(p90)

    ・人間がグーを出す確率が一番高いのは、緊張していたり意気込んでいると統計的に「グー」を出しやすいから(p94)

    ・6時間の間にある地域で1ミリ以上の雨が降れば、降水とみなす(p96)

    ・死亡事故発生確率の分母に、延べ移動距離ではなく、利用回数で見てみると、飛行機の事故発生確率が自動車を上回ることになる(p112)

    ・米国のシンプソン裁判では、DNA型鑑定という強力な証拠があったにもかかわらず、なぜ付着したかを証明できなかったので、シンプソンは無罪判決を勝ち取っている(p115)

    ・格付け帰還は、そもそも新しく誕生したサブプライム証券化商品に精度の高い格付けをするノウハウを持っていなかった(p124)

    ・平均寿命の数字を算出するにあたって、超高齢者(98歳以上の男性、103歳以上の女性)を最初から調査対象に含めていない、また調査員が面接で消息を確認している「国勢調査」をもとに行っている(p178)

    ・米の作付面積は、約3万地点を実測するサンプル調査を行い、それから推計している(p179)

    ・冷房の設定温度が28度だと、25度と比べてオフィス1m2あたり1.3万円の損失が出る、経済効果(1008億円)の裏では、その金額の4倍に及ぶ損失が発生した可能性がある(p192)

    ・ロシアでの標準時の適用は、ロシアが夏時間に移行する2010年3月28日からスタートした(p198)

    2013年2月24日作成

  • 誰でも読める統計学の読み物として。
    目からウロコ的な雑学がチラホラと。
    経済効果や平均寿命といった公式な統計情報は鵜呑みにしやすいけど、疑ってみることも大切。

  • ■利用可能性ヒューリスティック
    少年犯罪が多い?
    ■フレーミング効果
    生存率90%、死亡率10%
    ■バーナム効果
    占い。誰にでも当てはまることを信じる

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著者プロフィール

神奈川県立横須賀高等学校出身。慶應義塾大学経済学部卒業。浜銀総合研究所入社。1999年日本経済研究センターへ出向。2000年シンガポールの東南アジア研究所(ISEAS)へ出向。2005年6月まで第一生命経済研究所経済調査部主任エコノミスト。2005年7月からBRICs経済研究所代表。2007年同志社大学大学院非常勤講師。日本で初めて地下経済の研究に取り組み、地下経済に関する著作も多数発表している。またワーキングプアの啓蒙書も多数発表。BRICsに続く経済発展が見込まれる国々として、ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチンを総称したVISTAという造語を提唱した。

「2018年 『日本の「地下経済」最新白書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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