生命はなぜ生まれたのか: 地球生物の起源の謎に迫る (幻冬舎新書 た 7-1)
- 幻冬舎 (2011年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344981980
感想・レビュー・書評
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(「BOOK」データベースより)
オゾン層もなく、宇宙から有害光線が直接地表に降り注ぐ、40億年前の原始地球。過酷な環境のなか、深海には、地殻を突き破ったマントルと海水が化学反応を起こし、400度の熱水が噴き出すエネルギーの坩堝があった。その「深海熱水孔」で生まれた地球最初の“生き続けることのできる”生命が、「メタン菌」である。光合成もできない暗黒の世界で、メタン菌はいかにして生態系を築き、現在の我々に続く進化の「共通祖先」となりえたのか。その真理に世界で最も近づいている著者が、生物学、地質学の両面から、生命の起源に迫る、画期的な科学読本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あーあ、読み終わってしまった。。。本当に面白くて、ずっと読んでいたい本だった。
前にテレビで高井さんを見た。ちきゅう、というとてつもない船に乗って、泥の塊に喜んでいた変な関西人・・・この人は面白い人だな、と思い、手に取った。
外国人が書いた本とは違う直観的な分かりやすさ、ノリの良さ、日本人びいきさ、メタン菌への不可解な愛情、臆することない自画自賛・・・どこをとっても素晴らしい内容。暗い海の底で、岩だの泥だのを取ってきては、ワクワクしている気持ちが伝わってくる。
まったく、私が高校生で、この本(に限らず、ここのところハマってる進化系の本)を読んでいたら、人生変わっていただろう。
もっと高井節を広めて欲しい、と思った。 -
軽妙な文体。深海熱水孔で生まれた生命の話は興味深い。そこでは何度も生命が発生し絶滅したはず、というのは目からウロコだった。現在の活動の詳細よりも生命の誕生に関する考察にもっとページを割いてほしかったが、好みの問題か。
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地球の生命発祥の起源を探る研究の話
海底の熱水中の化学反応だそうだ -
何の関係もないと思っていた自分の学生時代の研究テーマが最後の方でちょっと関係していて興味深かった。科学はシームレス。
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以前、「微生物ハンター、深海を行く」を読んだが、本書はその2年ほど前の出版。
本書は、深海で熱水を発する、酸素もないような場所に細菌が生息していることは知っていたが、そのような「深海熱水孔」で生命が誕生したのではないか、と説く。
生命がこのように生まれたとすると、生命というのは日頃イメージするのとは相当に違い、宇宙では、同じようなことが頻繁に起きているのではないか、という気がする。
専門的な記述は理解できない部分もあったが、要所要所で繰り返し解説がなされているため、筋を外さずに読むことができた。 -
文調は軽いけど中身はマジメ。難しいけど、それでも最後まで読ませる流れはすごいと思います。
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生命を作ったのは自然進化なのか?
神が創り賜ふたのか?
宇宙から飛来したのか?
証拠がみつからないのでいろいろな説がありますが、本書では深海熱水孔周辺で生まれたであろうという説を素人にも分かりやすくまとめてあります。
何度も生まれては死に絶えた数多の「一発屋生命」の中から、我々人類に繋がる進化を遂げた唯一無二の「オリジン生命」がどこかに居たことは間違いありません。
専門的な単語が出てくるのでどこまで自分の知識として吸収できているか分かりませんが、少なくとも「オリジン生命」の誕生プロセスが解明される日が生きてるうちに訪れるといいな。 と考えられるようになりました。 -
海底の熱水噴出口に生息し、太陽光のかわりに地球内部のエネルギーを利用する生命たち。これらを「暗黒の生態系」と呼ぶ著者による、地球最初の生命についての現時点での研究成果がまとめられている。実に楽しい書き手であり、たんんある研究結果だけでなく、研究者の個性なども紹介されていて、ちょっと難しいところも「へー」と読んでいける。深海の熱水噴出口といってもいろいろあること、そしてある種のものは太古の生命誕生の環境が保存されている可能性があること、じつにロマンではないですか。