浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 76
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344982505

作品紹介・あらすじ

日本の仏教はさまざまな宗派に分かれており教義や実践方法が大きく異なる。にもかかわらず多くの人、とくに地方から都会に出て菩提寺とのつきあいを絶った人は関心を持たない。だが親や親戚の葬儀を営む段になって途端に宗派を気にするようになる。家の宗旨に合った僧侶を導師として呼ばねばならないからだ。そこで初めて「うちは○○宗だったのか」と知る。そもそも宗派とは何か。歴史上どのように生まれたのか。本書は、日本の主な仏教宗派を取り上げ、その特徴、宗祖の思想、教団の歩み、さらに他宗派との関係、社会的影響をわかりやすく解説した。

感想・レビュー・書評

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  • 我が家の宗派は真言宗だが、日常意識することもない。父母の葬式は無宗教で済ませた。とは言えおおまかに真言宗については気になる毎に少しは調べているのだが、近親の宗派が浄土真宗が多く、そちらの思想なりを調べるたび、真宗の考え方に興味と共感を覚えることが近年多くなってきている。正直、もう少し信心深かったなら、真宗に改宗しようかとも思うだろう。
    先に読んだ『日本の10大新宗教』と比べるととりあげる範囲も広く、そのため用語も多岐にわたり個々の言葉を記憶するだけでもひと苦労してしまう。そのぶんひと通りの宗派はこれ一冊でほぼ概要を知ることができるのだと思うが。ここから興味を持ちより深く理解するためには各々が調べていくものとなる。この一冊はそのための入門書、と捉えるべきなのだろう。

  • 日本仏教の概説。
    普段、何となく感じている程度の宗派へのイメージから話が始まり、その理由を宗派の趣旨や歴史で説明してくれる。仏教入門としては最適な、わかりやすくシンプルな概説書。
    個人的には奈良の寺院の商売熱心な感じが、南都六宗の国家仏教故に檀家が無いことや、廃仏毀釈の影響ということで説明がされていて、なるほどと思いました。

  • 仏教の宗派がまとまって書いてあるのでwikiで調べるより楽かな。現世利益と念仏だけのお手軽宗教ごっこの創価学会に集まる信者は糞かきべらかゴキブリか。浄土真宗系と日蓮系は凡夫の集まり。生臭坊主。宗教からは税金を取るべきだ。日蓮信者が増えても災害が治まってないぞ日蓮の糞坊主笑

  • 副題にあるような「仏教宗派の謎」というものでもないように思うけど、日本における仏教宗派の成立、歴史と現在のポジションを概観する本。


    浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか (幻冬舎新書)
    いわゆる南都六宗から天台・真言、浄土系、禅系、日蓮と現代に通じる宗派にももちろん一通り触れられていて、それぞれの開祖や中興の祖のエピソードも添えられている。仏教って何?くらいの単純な関心を抱いて読むオレなんかにはありがたい内容である。

    新書ということで話をかいつまんであるだけに、その業界地図や変遷はかえってわかりやすくなっている。偉い開祖が亡くなると、宗派も千々に分かれて乱れ再習合していく様子も、いたって人間くさくて面白いのである。

    浄土真宗がどちらかと言えば庶民の宗教であり、葬式仏教化の中でもシンプルかつわかりやすいこと等が日本で「いちばん多い」理由であることも大いに納得できる。

    なお著者については、オウム関連で若干批判があることは、内容の是非はともかく知って読んだ方がいいかも知れない。

  • 中学の歴史の授業で、浄土宗は法然、浄土真宗は親鸞、時宗は・・・と、ただただ暗記した。そこには、教祖の人物イメージが湧くようなエピソードまでおしえられることなく、その宗教のなにが新しくて発展したのかという記述まで深く教えられることはないかと思う。
    この本を読んで、教祖のイメージが湧き、何がその宗教がすごかったのか、広まったのかという理由がわかり、興味深く読ませてもらいました。
    教科書の暗記のために歴史の勉強ではなく、こういう本で歴史が学ぶのが面白い。

  •  日本の仏教の各宗派を網羅。。
     
     様々な宗派の説明だけでなく、戒名など葬式関連などでのお寺との接点との解説もされている。
     日本の仏教は昔は兼学可能で多くの宗派が混ざったような別れたような不思議な発展を遂げている。
     タイトルの理由は後書きで説明される。それまでがあるので、読むとすんなり納得。

     仏教は日本人の生活に深く入り込んでいる。浅くても各宗派を理解することは大事。

  • 日本の仏教の歴史について知るには非常にいい本だと思います。
    が、読み方を失敗しました。

    こういう本を読むたびに、「高校のときの日本史の授業って、一体なんだったんだろう」って思います。

  • 仏教は日本では国家主導で広まり、都が藤原京に移った696年、試験に合格した者だけが正式な僧侶とみなされる年分度者の制度が生まれた。最澄、空海が亡くなった後に、天台宗と真言宗にも年分度者の定員が認められ、それぞれ宗派としての独立を高めていく。

    中国で天台宗を開いた天台智?は釈迦の教えを整理して、大乗仏典のひとつである法華経を最高位に位置付け、誰もが仏になれると説かれている点を強調した。日本の法華信仰は法華義疏に遡るが、これは聖徳太子の著作ではない可能性が高い。天台本覚論の核心にある草木成仏の思想は、あらゆるものに霊魂が宿っているとする日本古代のアニミズムを背景として、徹底した現実肯定の思想に発展した。江戸時代には、天海が家康を東照大権現として祀るために日光東照宮に改葬し、江戸城の鬼門となる位置に寛永寺を創建して天台宗の拠点となった。

    密教は、インドにおける大乗仏教の発展の最後の段階で、ヒンドゥー教と習合して生まれた。日本では浄土真宗以外の仏教界全体に影響を与えた。

    興福寺は大和のほとんどの土地を荘園として所有し、清水寺も末寺としていた。比叡山延暦寺は平安時代末期になると、寄進によって多くの荘園を所有するようになり、興福寺の支配下にあった祇園社(八坂神社)も10世紀終わりの争いの結果、支配下においた。興福寺と延暦寺は南都北嶺と呼ばれ、中世には朝廷や幕府と権力を三分した。

    輪廻の繰り返しによって苦がもたらされることを強調するインドに浄土教信仰はなく、中国から伝えられた。法然は、念仏以外の教えや実践を聖道門と呼び、念仏によって西方極楽浄土への往生をめざす浄土門が正しい教えであるという立場をとった。家康は浄土宗に帰依して手厚い保護を与え、芝の増上寺は徳川家の菩提寺となった。

    浄土真宗の本願寺は、代々の宗主の子女が公家や武家との婚姻関係を結び、世俗の権力と密接な関係を持った。そのため、戦国時代には戦乱に巻き込まれ、石山本願寺は織田信長と対立することになった。

    禅は瞑想の一種で、インドの僧侶達磨に遡る。現生利益や浄土への往生といった効果はなく、精神的な安定や生活規範として機能する。曹洞宗や臨済宗は、貴族階級の出身であることを条件としなかったため、武家や下層貴族が集中することになり、宗派としての独立性を強めていくことになった。曹洞宗は、亡くなった修行僧のための葬儀を在家の一般信徒の葬儀に応用して全国に広がり、葬式仏教が他の宗派にも伝わっていった。

    日蓮は、法華経への信仰以外を否定したため、明確な宗派意識が生まれた。日蓮正宗は、日蓮が書いた本尊曼荼羅を直接板に掘った板曼荼羅を本尊とする。戦前に創価教育学会として始まった創価学会は日蓮正宗と関わりを持ち、会員はそのまま檀家となっていたが、1990年に決別した。

  • 仏教系私学の建学の精神についての基本的な理解をするために本書をとった。これまで知らなかったことが多く非常に勉強になった。

  • 新書文庫

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著者プロフィール

一九五三年東京都生まれ。宗教学者、文筆家。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任。主な著作に『日本の10大新宗教』『平成宗教20年史』『葬式は、要らない』『戒名は、自分で決める』『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』『なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか』『靖国神社』『八紘一宇』『もう親を捨てるしかない』『葬式格差』(すべて幻冬舎新書)、『世界はこのままイスラーム化するのか』(中田考氏との共著、幻冬舎新書)等がある。

「2019年 『二十二社 朝廷が定めた格式ある神社22』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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