- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344982536
作品紹介・あらすじ
20年で540兆円-日本人が「失われた20年」でパチンコに費やしたカネは、2011年度の国家予算(92兆円)の約6倍、名目GDP(479兆円)を凌駕する。問題はカネだけではない。多くの人々の労働・消費意欲を奪い、また精神疾患であるパチンコ依存症者の数は450万を超える。ものの30分で1万円以上を失うパチンコが、カネと人間性を奪ってきた。なぜ韓国にはできた「パチンコ全廃」が日本ではできないのか。依存症の実態とそれを誘発するメーカー、蜜に群がる利権政治家、警察、マスコミの現状を徹底糾弾。
感想・レビュー・書評
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依存性患者やその周辺で被害を受けた人々の生々しい声にかなりのページを割いています。
物足りないなと感じたのは
・警察や官僚を巻き込んだ壮大なシステムがなぜ、どのように発生発達したのかという歴史的な経緯
・20年間に540兆円は浪費だと断じているが、その資金が最終的に日本国内の消費に回されたのであれば、資本の移動に過ぎず無駄と言い切れないのでは?という疑問に対する回答
いずれにせよ、皆が等しく不幸になる悪魔のシステムならばパチンコはとっくに淘汰されているはず。そうなっていないのには日本社会特有の原因があるのではないでしょうか。法規制を声高に主張されていますが、人間がギャンブルに依存してしまう根本的原因と対策を突き止めない限りは第二のパチンコが登場するだけで解決はほど遠いだろうと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自身の前著の読者感想を延々紹介。20年間でパチンコに540兆円日本人は使ったのは衝撃だがそれにより失われた20年が生じ利己主義が横行したのは因果関係が不明。政治家やマスコミとパチンコ業界の癒着をもっと説明してほしい。
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<b>新書で読める「反パチンコ」の比較的新しい著作</b>
アニメコンテンツのパチンコ展開を考えてみる準備として手に取ったもの。
元々の社会的弱者を「パチンコ依存症」にさせて家族を巻込んで不幸を生産するパチンコを日本から全廃するべきと主張。
「パチンコ」にもたれ合う政治、警察、マスコミへの批判を展開する。
(朝日新聞は相変わらずブレないと再確認。これからも末永く楽しませて欲しい)
文体は予想外に落ち着いており、感情に流れ過ぎないよう配慮がみてとれた。
「既に日本はカジノ解禁だ」という論法は感心。
身近で具体的なカジノ解禁による懸念を提示している。
出版は幻冬舎。まだまだメジャーな出版メディアでは難しいのかもしれない。
やや違和感を受けるのは
?「依存症」発症者を批判なしで弱者と認定して、救済を叫んでいる点。
不景気でうつになっても擦り切れて働いたホワイトカラーと、やることがなく朝から行列して勝負して依存症になった者を同列に救済せよといわれてもやはり納得がいかない。
著者の主張を被害者(家族含む)以外に広げるためのポイントになるのでは?
?著者は全くといっていいほど、重要視していない海外資本流出(ex.北への不正送金)は、意外。
往時より、不正送金は激減しているというのは本当で、もはや論点にならないということなのだろうか。
また、本著作は、批判対象や支援サイドの手紙、発言、記事の引用が数多い。
やや冗長な印象があり、著者の主張はさほどページが割かれなくても終わってしまう感じがする。
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まあ、日本人はとかくパチンコ好きですね! と思った一冊でしたねぇ…。あんなハンドル固定しながらボーっとリール眺めるだけの競技…というか、遊技がそんなに面白いんですかね!?
とまあ、僕も多少ながらやりますので文句は言えませんが…(!)
ヽ(・ω・)/ズコー
けれども、さすがに借金重ねてやるのはおかしいと思いますね! そもそも、きちんとしたギャンブルではないと思うんですけれどもねぇ…ええ、店側に操作されていると自分はそう思いますよ!
ヽ(・ω・)/ズコー
震災後も暇を持て余し気味な人々でパチンコ店は大いに繁盛したんだそうな…。結局、暇の潰し方が分からない人が多いんではないでしょうか、日本人は…。
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー -
私はパチンコを今までに2、3回しかやったことがないので、説得力はありませんが、
パチンコは、どうやら、健全な娯楽ではないみたいです。
なんで、こんなモノが野放しになっているかというと、この本を読めば直ぐにわかります。
それで、金銭的に特をする人間が多いからです。
しかし、パチンコにどっぷりな人は、決して金銭的に余裕がある人ではなさそうです。
なけなしの数万を使って、生活費を稼ぐモノもいる。これは、貧困ビジネスそのものではないでしょうか?
パチンコは中毒性がある娯楽、、、というか、ギャンブルです。いつの間にか、パチンコをしないと、
「どうしもない」自分になってしまう可能性があります。
日本社会を見ると、こういった、安易に手を出して、人生が崩壊するものが多いような気がします。 -
酷すぎる現実。
マスゴミが酷すぎる。
政治家(民主党が多いのが不思議)も警察も同罪。 -
主観的推論と論理的矛盾、数値解釈の片手落ちと、せっかく良いことをいってるのに説得力に欠けるというもどかしさを感じた。
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おもに、ギャンブル依存症の側からパチンコを批判する本です。論理や情報に飛躍したようなところがないので、適度な距離感を保ったまま落ち着いて読める本。ただ、パチンコ依存症の人からのメールなどが載せられているのですが、そういう具体的な体験談には、ぐっと気持ちが引き締まるような思いがします。厚生労働省が2010年に発表したのが、「ギャンブル依存症は国内に400万人以上」ということだそうです。そのうち、7,8割がパチンコ依存症だと見られているらしい。著者の方は、よくこういうことをこういう姿勢で書いてくれたなと思って、本書ではたぶん、著者の前の著書で言いたいことはかなり言いきっていると思われて、論説的な部分は少なかったんですけど、訴えてくるものはある本でした。
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非常に興味深いネタなのに、筆者が突っ走りすぎというか、主観的すぎというか、ついていけなかった。
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私はパチンコはやらないが、女房が大好きである。
本書は、「パチンコ批判派」の本であるが、「パチンコの年間売上が年間19兆円」と読んで、以前の30兆円からここまで落ち込んだのかとの思いを持った。
まだ医学会での主流の見解とまではなっていないようであるが、パチンコが「ギャンブル依存症」という「立派な病気(?)」であることも本書で知ったが、「さもありなん」と頷いてしまった。
だいたい金のかかる「遊び」には「文化」がつきものであるが、パチンコには「文化の香り」は感じられない。
本書で言うとおり「離婚、自己破産、失業、それでもやめられない」とのマイナスイメージが付きまとう。
また「韓国は全廃」とは聞いたことがあったが「中国は許可しない」とは知らなかった。
「3店方式という換金システム」の不透明さや、警察官僚の天下り団体との絡みも含めて、健全なレジャー産業とは到底思えない。
過去の歴史を考えると、本書で主張するように「批判」一辺倒とまでは言わないまでも、いろいろと考慮すべき時代になっているのかもしれないと思った。