職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 767
レビュー : 129
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344982642

作品紹介・あらすじ

業界の低迷で、100万円も珍しくなかった最盛期の日当は、現在は3万円以下というケースもあるAV女優の仕事。それでも自ら志願する女性は増える一方だ。かつては、「早く足を洗いたい」女性が大半だったが、現在は「長く続けたい」とみな願っている。収入よりも、誰かに必要とされ、褒められることが生きがいになっているからだ。カラダを売る仕事は、なぜ普通の女性が選択する普通の仕事になったのか?長年、女優へのインタビューを続ける著者が収入、労働環境、意識の変化をレポート。求人誌に載らない職業案内。

感想・レビュー・書評

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  • AV女優の個人的な境遇ではなく、AV女優という職業に焦点を当てたのは面白い。単体、企画単体、企画ごとの収入モデルケースがていじされてたりたなかなかに興味深い。それ以外にも物珍しい話が詰まっていて面白い(ビデ倫て今はもうないんだねー)。まあ深い考察なんてのはあまりないが。
    気になったのは、売春を貧困女性のセーフティネットとして積極活用しようというNPOが存在するという記述。さらっと書かれていたのだが、これってけっこう微妙な問題じゃないのか。セーフティネットとしての効果の有無だけでなくて、精神的・肉体的リスク、法的位置づけ、そして倫理の問題など考えなくてはいけないことは多い。

  • 殿方であれば気になるアイテム、AVビデオ。
    AVがあったからこそビデオデッキが、これほどまでに普及したという伝説もありますが、、、

    そのAV業界の内幕を描いた異色作。
    過去は落ちるとこまで、落ちた女性のセーフティーネットだったという。
    振り返って現在は。「倫理観」も薄れAVへの応募者激増中。
    しかし衰退中の業界にあるだけに、狭き門となっているとか。
    しかも、「単体」を頂点としたヒエラルキーが存在し、そのヒエラルキーも
    数年で崩れ去り新しいヒエラルキーが、、、の繰り返し。

    AV業界の裏側を知るだけでも、ムダな知識として吸収出来た気がする。
    AV業界に飛び込むには、ある程度の勇気と相当の「客観性」が必要なんだなぁ。引退後の生活を鑑みて、、、その両立は難しいとは思いますが。

  • 出版された頃、読売新聞の読書欄の紹介されていたことで気になって読んでみた。

    SODの登場以降、AVがかなりオープンに語られるような風潮になったと思いますが、未だに法的にはかなりグレーな部分が多いのですね。
    著者に言わせれば、それでもAV業界の方が、芸能界よりも反社会勢力との関わりは浅いらしいです。
    少しだけしか書かれていませんが、「売春を貧困女性のセーフティネットに」という考えの元、NPOがこういった業種に参入してくる可能性があることも驚き。
    90年以降の歴史を書いた第3章が面白かった。

  • 歴史とともにAV女優になる人や、環境が変わっていっていることがわかって面白かった。
    また、金額の話も具体的に色々出ていて、勉強(?)になった。

    タイトル通り、エロ要素のない本だが、タイトル通り、職業としてのAV女優のメリット・デメリットがわかる内容だと思う。

  •  これらの価格帯を見てどう思いますか?

    ・単体…100万~250万円(1本あたりの出演料、芸能人・元芸能人を除く)
    ・企画単体(キカタン)…30万~80万円(1日あたりの日当)
    ・企画…15万~25万円(1日あたりの日当)

     これは、モデルプロダクションに登録し、その際に裸の写真から自分の"スペック"から全てをデータベース化されてランク付けされ、その上で業界内に配布されたことを前提に、実際のお仕事として「2絡み、1擬似」をした場合の相場だそうです。

     単体、企画単体(キカタン)、企画…AV女優にはヒエラルキーがある、ということくらいまでは知っていました。
     が、本書を読んでビックリ。長期不況という社会的状況や、AV女優という存在が認知されるようになりかつてほどAV出演に抵抗がなくなっているという価値観の変化、そしてセルビデオの登場等によって以前よりビジネスライクでシステマティックな世界になったことなど、複数の要因はありますが、別の意味でここまで厳しい世界になっているとは思いませんでした。
     厳しいとは、仕事が過酷であるとか、後々まで自分の性行為が映像として残るとか、そういう昔からあったことではありません。供給過剰かつ高いクオリティが要求されるようになったAV女優という職業は、今や裸になる覚悟をもって飛び込んでも仕事がない状態すらざらにある、ということです。一部の超絶クオリティの女の子に「単体」として仕事が集中し、少なからぬ「企画」AV女優にはそもそも仕事が回ってこない。この構造は、まさにAV業界の「格差社会」です。
     最近の子が、普通の生活すらもカツカツでAVの仕事を選んだが、大して生活水準が変わっていないという話は、読んでいると『闇金ウシジマくん』を思い出します。
     あと、お金よりも承認欲求を満たしたくてやっているというのもドキッとしました。承認欲求が目的だと、自分の市場価値がどんどん下がっていっても、より長く業界にしがみつこうとする、というのも切ない話です。
     デフレについては、物価が下がることで賃金も下がったり失業したり、と経済的な文脈で語られることがほとんです。しかし、本当に怖いのは「貧すれば鈍す」で、人間としての尊厳の面においてまでデフレが進行することなのではないか、と読んでいて思わされました。


     考えさせられたのは、ソフト・オン・デマンドの台頭などで、業界の空気がかなり明るい方向に変わったことです。それまでのエロ業界と言えば、今よりもアウトロー色が強く、女優もいわゆる"メンヘラ"な人たちが多かったわけです。が、タイトなスケジュールで確実に良品質な「商品」を作らなければならないAVの現場において、今や心に問題を抱えているような人たちはトラブル発生のリスクがあるので使われなくなっている、ということです。
     今よりもダークだった頃のAV業界は、確かにそういう心を病んだ女性を搾取する構造があったとは思います。が、一方で、そういう人たちの最後のセーフティーネットとして機能してきた部分もあったわけです。
     今はAV女優のクオリティが上がり、腕に注射痕があったり手首にリストカットの跡があったり、一目見て「こらシャブ中や!」と分かるような人たちは見かけなくなったわけです。が、彼女たちは今どこにいったんだろう? と考えると、それはそれで一つのアジールが無くなったとも言えるわけです。

     AV業界の歴史と実態については、特に女性は目を背けたくなるような話もあると思います。が、AV業界というのは僕らが生きている社会の一部を構成するものであると同時に、かつてほど隔絶していない地続きの世界にあるものと言えます。業界に入る・入らない、商品にお世話になる・ならない、に関係なく、知っておくべき内容だと思います。

    • shin1830さん
      参考になりました。
      『闇金ウシジマくん』を観てみたいです。
      参考になりました。
      『闇金ウシジマくん』を観てみたいです。
      2012/09/05
  • タイトル通りのAV女優就職指南書本。

    前から思っていたけど、やっぱりAV女優でも稼げなくなっているようだ。
    競争が激しすぎる。

    多くの女性は一山いくらにすらなれないことからも、ルックスってのは現代社会においてかなり大事な要素なのかもしれない。

    そういう意味では整形っていうのは成長産業なのかもしれない。

    後、おもしろかったのがAV女優であってもかわいければ結婚はできるということ。
    確かに野村義男の嫁もそうだし、割り切ろうと思えば大丈夫なのかも。

    結局大事なのは過去じゃなくて今だし。

    社会勉強として読むにはいい本です。


    では、バイちゃ!

  • 毎年4000〜6000人が入れ替わり、出演料が3万円〜という様なAV女優についての情報も書かれているが、読み進めていくと、この本はAV業界をモチーフにしたビジネス書であることが分かる。

    一般のビジネス書に書かれている、コモディティ化、環境与件の変化、破壊的イノベーション、ブルーオーシャン戦略、マズローの欲求5段階、労使関係、派遣問題、リスクマネジメント、セカンドキャリア...etc.多岐に渡る内容が一冊に凝縮されている。

    AVの裏側に垣間見ることができる現状が、他のビジネスと共通しているところが面白い。いや、逆か。最古のビジネスとされるこの業界にこそ学ぶべき事があるのかも知れない。
    一般企業が「理念」をうたい社員のベクトルを合わせようと必死なのに比べて、この業界は「理念」など敢えて掲げる必要などない。ひたすらに厳しい生存競争を繰り広げるリアルなドキュメントでもある。

  • 最後まで読んで初めて知ったのですが

    >本書はAV女優でもしようかな?と思っている女性や、娘を持つ親たちに読んでほしい。たとえアルバイト気分でも、職業は現実を知ってから選ぶべきである。

    なのだそうです。

    言われてみると、「どのような方法でAV女優になるか」「意外に狭き門で、なってからもなかなか仕事のない人もいる」「仕事の種類」「収入」「歴史(黒船も登場する)」「トラブル」「引退後の生活」など、就活としてこの業界を知りたい人には大変良いガイドブックかもしれません。

    大成功するのはやはり元々の有名人。元AKBと言われると、私でも見てみようかと思います。著者の予想では「次に出る有名人は高○○○では?」と。彼女が5本も出演すれば10年ぐらいはなにもしなくても生活に困ることがないくらいは稼げるのではないかと言います。

    著者は多少いいことも言いながら、結局あまり薦めてはいません。でもこの女優さんたちを取材することを仕事としている彼にとっては、なくなったら困る職種なのではないかしら?

    読みながら思い出したのですが、私が短大に入ってすぐのころ、渋谷をぶらぶらしていたら大学生のお兄さんに声をかけられ、近くの事務所に連れて行かれ、待ち構えていた雄弁な女性とそのお兄さんに挟まれ、サインしてお金(たいしたことないけど、当時の私には痛かった)を払ってしまいました。帰宅して母に言ったらものすごくおこられました。でもその経験のおかげで、その後自分は「甘い誘惑にきっぱり断れる人」になることができました。小さい失敗はしたほうがいいのです。

    でももしも、かろうじて一個ひっかかった短大に通う、勉強がいやでたまらない18歳の私が、地方出身ひとり暮らしでお金がない状態で東京でスカウトに声をかけられうまくおだてられたら…。「火曜サスペンスドラマの脇役だよ」といわれて行ってみたら実はAVで、すでに準備ができているところに一人立たされたら…。

    就職活動しているかたへ。人前で堂々と言える仕事につきましょう。

  • 純粋に「この特殊な職業を選ぶ理由は何なのだろう?」という疑問があって手に取りました。
    そのきっかけは色々だけれど所詮はグレーゾーンの仕事。後半、読んでいて「代償がでかすぎる!」と思った。こんなことで身体的にも精神的にも傷を負う必要はないのに……読んでいるだけで痛々しい。
    もちろん、こんな痛い経験をしなかった人もいるだろうし、そんな人達にとってはチヤホヤアイドル扱いされてお金もわりと貰える(実際にはそうでないとしても稼げるイメージのある)”おいしい”仕事だよなあ、と。自ら望んで「なりたい!」と思ってしまうのも無理はない。私は絶対にやりたくないしできないけど、正直都会の真ん中で「きみ可愛いね、ドラマ出ない?」なんて誘われたら一瞬迷っちゃうかも、なんて。
    結局のところ「地に足がついていて」「相応しい金銭感覚」を持っていれば、AV女優という経験をしようがしまいが難なく生きていけるだろうし、逆にそういうバランスが取れない人だったり、機能不全家庭で育った人は、根本的な解決をしなければずっと何かに依存したままの人生を送ってしまうんだろう。(ここらへんは最早社会問題の域)そしてそんな女性につけ込み、承認欲求を満たさせるこの職業が怖い。社会の闇を見た気分。
    この仕事が本当に好き!天職だ!と思ってやっている人はいいけれど(そんな人はごく少数だと思うけど)、この本に出てきたような、可哀想な思いをする女性が少なくなればいいなあ、と思わずにはいられない。そんな一冊でした。

  • 決してHな本ではありません。あくまでも「職業」としてどういうものかと語れた1冊。
    なかなか華やかようで、普通の「職業」なんですね。それでいて、アイドルやモデルのような芸能界とも違うというね。
    男ならお世話にならない人はいないけど読み終わると見かた変わって楽しめくなるは

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