人生を半分あきらめて生きる (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344982659

感想・レビュー・書評

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  • 「あきらめる」という言葉は、何かへの思いを断念するという消極的な意味で現在使われているが、本来の「あきらめる」とは物事の真実の有様を「明らかに見る」こと。過酷な世の中、「あきらめるな」「がんばれ」といった言葉より「だめなら、だめでいい」「今できることをやっていくだけ」といった「あきらめる力」が求められる。ただし「あきらめる」のは、あくまでも半分だけ。残り半分は徹底的にこだわり、妥協しない。「あきらめる」ものと「あきらめない」ものとを見分ける賢さが必要。理想の自分、普通という幻想、結婚、恋愛、子育て、死と言った、自分ではどうにもならないことに抗わず、自分の大切にしたいことに集中すること。「たましいの深いところ」で生きること。日本人の多くは「あきらめずに努力すれば何とかなる教」の信者で、自分を追い詰めている。人生の大半はなるようにしか、ならないことばかり。上手に「あきらめる」ことで前に向かうエネルギーが湧いてくる。

  • ・「脱同一化」によってつらい気持ちとうまくつきあう
    ・「本当にしたいかどうかわからないこと」は「しない」と決める
    ・時間の中でもっとも大切なものは、「大切な人のとふれあいの時間」。なぜなら、この機会を逸してしまったら、二度と戻ってこないものだから
    ・したくもない仕事のために、「何よりも大切な時間」を使うのはやめる。たとえ、収入が下がっても、「日々、魂が満たされる仕事」をしていくことが、「悔いの残らない人生」を生きていくための、もっとも大切な知恵
    ・「これをしなくては、と思い立ったこと」があれば、2週間以内に必ず始める

  • 40歳以上の結婚している人で不幸を感じている人が23%。これに対して、独身で不幸を感じている人は21%。結婚すれば幸せになれると思いがちだが、必ずしもそうではない。無理して結婚する必要はないし、ましてや焦って結婚する必要など毛頭ない。今や普通の結婚はできない時代。婚活疲れで「うつ」になるくらいであれば人生最大のリスクである結婚は、しないという選択もある。結婚に限らず、万機にわたって今求められているのが上手にあきらめる知恵と工夫。思い悩むくらいなら、今できることに集中する。本書には苦しみを抱えながらも何とか生きていくための処方箋が示されている。どうしようもないことを悔やまず満たされた生き方をしていきたい。そんな人に必須の一冊。

  • 【いちぶん】
    ただそのまま、認めて、眺める

  • 久しぶりに肩の力が抜けてホッとする本を読みました。確かに諸富祥彦先生のカウンセリングを受けているような感じです。

  • 「うまくあきらめる方法を知らない日本人」に向けて書かれた本。個人的に思ったのは、あきらめられないことが害悪となっている人は「過去をあきらめられない」ことが要因のような気がした。私のようにあきらめ悪く生きてきた人間にはあまり腹落ちできない部分も多いが、がんばることが負荷になっていない人は無理にあきらめる必要がないことは本書でも述べられていることであり、つまり、本書を読んで私のように感じる人は、そもそも本書を読む必要のない人間であるといえるのかもしれない。共感できる人だけが読めばいいのだ。たぶんね。

  • 途中までは納得しながら読めた。やや不安を煽られはしたが、特に自己否定の脱同一化(認めて眺める)は参考になりさっそく取り入れている。
    しかし、後半は宗教や魂の話がなんだか怪しげで流し読みで読了した。

  • すとんと心に落ちてきました。
    読み終えた後、いくら練習しても人並みに上達できず気持ちが遠退いていたダンスを、やり直してみよう、と思いました。「あきらめる」をテーマにしてるのに何故かもう一度がんばってみようという気持ちを掻き立てられた、不思議な本。

  • 人生を半分あきらめて、毎日を本気で生きる。

  • 題名の言葉がストンと心におちるので読んでみました。本当は気持ち的に ★3つと4つの間ぐらいです。最初は普通に読んでたんですが、後半からスピリチュアル的な解釈が多用されて、うーんな感じになりました。いやスピリチュアルも嫌いじゃないのですが、この作者さんのいってることは極論すぎるんじゃないかと…物質的な幸せなどなくても精神的な幸せは精神性が高ければ可能だよみたいなことを書いてありますが、例としてアウシュビッツの話を書いてらっしゃいましたけど、
    彼らを支えてたのは宗教とわずかな希望だと思うのですよ。
    日本は今はほとんど無宗教に近いですよね
    そんな状態でそういうこといわれてもな…とちょっと違うよと思ってしまいました。
    でも題の人生半分諦めて生きるっていうのは私なりにわかる気がします。
    過剰な期待をして人生生きるとなにか挫折した時にものすごく落ち込みますので、何事も半分ほど心もち諦めてますと成功した時なんかあれ「ラッキー」だなって本当嬉しく感じますので

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著者プロフィール

筑波大学人間学類卒業、同大学院博士課程修了。英国イーストアングリア大学、米国トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、千葉大学教育学部講師、助教授を経て、明治大学文学部教授。教育学博士。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事、日本生徒指導学会理事。臨床心理士、上級教育カウンセラー、学会認定カウンセラーなどの資格を保有。テレビ、ラジオ出演多数。著書に『カール・ロジャーズ カウンセリングの原点』(角川選書)、『フランクル心理学入門 どんな時も人生には意味がある』(角川ソフィア文庫)、『はじめてのカウンセリング入門 上 カウンセリングとは何か』『下 ほんものの傾聴を学ぶ』(ともに誠心書房)、『思春期のこの育て方』(WAVE出版)、『50代からは3年単位で生きなさい』(KAWADE夢新書)など多数。

「2022年 『プロカウンセラーが教える 1on1コミュニケーション入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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