発達障害と呼ばないで (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 412
感想 : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344982680

作品紹介・あらすじ

「発達障害」と診断されるケースが急増している。子どもだけでなく、大人もだ。児童のADHDの有病率は六%に達し、学習障害は一〇%に及ぶ。なぜ猛烈な勢いで増えているのか。一方で「発達障害」と診断されながら、実際は「愛着障害」であるケースが数多く見過ごされている。根本的な手当てがなされないため、症状をこじらせるケースも少なくない。「発達障害」と似て非なる「愛着障害」とは、いったい何なのか?本当に必要な対処とは?「発達障害」は現在、大きな岐路にある。その急増が意味する真のメッセージを明らかにする、衝撃と希望の書。

感想・レビュー・書評

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  • 最近よく耳にする「発達障害」という言葉だが、この本はタイトルが気になり読んでみた。

    この本では発達障害の種類や症状などについて詳しく書かれているところが
    ほとんどないので知識がない方は事前に入門書的なものを1冊読んでおいた方が
    いいかもしれない。

    近年、発達障害と診断される子どもや大人が増えていると言われているが
    子どもが生まれてからすぐの母親の育児態度、心理状態、家庭環境、
    両親の仲が悪かったりすると発達障害に似た症状や問題行動が出ることがあるという。
    このことを知っただけでも読んだ価値があると思うが、筆者は安易に「障害」と
    診断しすぎることに警鐘を鳴らしており、幼いうちなら親の気遣いや家庭環境の改善で
    症状や問題行動が落ち着くこともあるというのだ。

    また日本型教育の問題点やどんな気質や環境で発達障害やそれに似た症状が出やすいか、
    また親が子に関わらな過ぎておこる愛着障害(発達障害に症状が似ている)
    についても触れられており、教育関係者やお子さんがいる方、これから
    お父さんお母さんになる方にすすめたいと思う。

    中学、高校生以上の子どもの問題行動にも的確なアドバイスもされており、
    読字障害のトム・クルーズや社会面で発達が遅れていたビル・ゲイツを例にあげ
    様々な問題に対する対処法や生活の仕方、子どもの養育だけでなく
    オトナの人間関係のヒントにもなる部分もあり興味深く読めた。

  • 読み方をまちがえると、親のせいになってしまうので…私もそうとってしまうので、最近のこの著者の愛着障害系ははずしていたけど、
    なるほどとは思う。
    文章もわかりやすいし読みやすいし、例もあげてるし。

    うまく浸透されるといいなあと思う。
    私は今からだれかたくさんの人たちに、たくさんだっこしてもらおうかな(笑)

  • 悩みに名前がつくと安心するということは多いのかもしれないと思った。のどが痛いのが風邪だとわかったり、足し算が苦手で数学がわからないと気付いたり、拾った動物がタヌキだとわかったり、自分が人間だとわかると安心するのかもしれない…。

  • 発達障害と比較しながら、愛着障害についてまとめられている。障害の遺伝率や愛着スタイルの臨界期など具体的な数値とともに載せられており、分かりやすい。親と教師の子どもに対する関わり方について、大切にすべきことは共通する部分が多いと感じた。

    ・発達障害が短期間に増えている理由は、定義の拡張+環境変化によるもの。
    ・双生児研究による遺伝率
    自閉症9割 スペクトラム7〜8割 IQ7割弱
    読字2〜5割強(飲酒や喫煙でリスク1.6倍増)
    ADHD6〜7割 *体重の遺伝率も同様
    愛着障害2.5割程度
    ・親のうつ→2次的に愛着障害につながる。
    ・愛着の臨界期は1歳半頃
    ・1歳未満で預ける→愛着や発達面で影響大
    ⭐︎愛着は量より質 子ども視点からどうか
    ・抵抗→絶望→脱愛着
    ・愛着=生理的な現象+大人の愛着スタイル反映
     +スキンシップや授乳など…
    ・遺伝要因も少しは関係している。
    ・愛着は社会性、知的発達もバックアップしている
    ・1歳半時の愛着パターンは7割の大人が同傾向
    ・愛着パターンは18歳頃にスタイルとして固定
    ・幼少時の可愛がり度が生涯にわたって影響
    ・オキシトシンシステム
    ・アジア人種は母親の接し方による影響大
    ・自閉症スペクトラムは上位階層に多い。
    ・ADHDは貧困層に多い。
    ・画面控えめ+適度な不足状態の方が意欲増
    ・安定愛着を育むために…感受性+応答性

  • 「発達障害」と診断される人が急増しているのは、発達障害と似た症状を示す「愛着障害」の人を誤って発達障害と診断しているケースが多いからだ、と主張している本。愛着障害ならば、愛着を作り直すことで症状は大きく改善するという。

  • 発達障害と愛着障害はオキシトシン(セロトニン)の障害という共通要素があるために、混同されてしまう。

  • 幼少期の自身の親の関わりと自分が親として子に関わったことを振り返りながらモヤモヤした。

  • 本館開架(新書) [発達障害] [愛着]
    http://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB09853069

  • 本書によると、ADHDは原因遺伝子を刺激した結果ということである。つまり、養育環境が大きい。
    確かにそう言われると、我が実家の父は、僕の原因遺伝子を刺激した、と思えてきたw

    本書によると、ADHDは肥満と同じで、つまりは、環境が決めているのだ、ということだ。
    肥満も、遺伝性より環境ですからね。

    本書は、軽症発達障害を非定型発達と呼び、それぞれの特性を伸ばす教育を提案する。

    私が「非定型発達」という言葉に感じたのは、希望へ向かう提案だということだ。
    そして、多数派でしかない定型発達から外れているからといって、障害とまで呼ぶのは?と疑問を呈している。
    著者の岡田氏は、少年医療刑務所の勤務経験もあり、その施設で出会った少年との交流もエピソードとして挟まれ、とてもハートフルな仕上がりにもなっている。
    発達障害は、遺伝子、脳の器質と思い込んでいる人こそ読んでほしい一冊である。

    本書によるとジョブズも養育環境が不安で愛着障害で、見た目はADHDそのものだが、ジョブズには現金なところがあり、ある学校の先生がジョブズが良い成績をとったら報酬を出して、ジョブズを成長させた。視覚空間型は職人タイプになりやすい。
    日本の教育は、官吏養成所のようなところだから、職人タイプの視覚空間型は、どうしても、劣等感を持ちやすい。日本の現在の本質的な問題はその職人タイプが若くなるにつれて、その日本の官吏養成所教育で、育っていないことなのだ。

    ある子供を、発達障害としてその枠に押しこめるのではなく、むしろ、特性を伸ばすには、親や教師、支援者の「愛着」が最も大事だと説く本書は、未来を切り開く一冊であることは間違いない。

  • 発達障害の本かと思ったら違った
    発達障害と診断される子ども、若者が爆発的に増えているのは愛着障害や自閉症スペクトラムをもいっしょくたにしてしまっているから
    発達障害と愛着障害では対処法がかわるから慎重さが必要
    発達障害と診断された保護者は強いショックを受けるので慎重さが必要

    学習のタイプは常々感じることだったのでまとまっててよかった
    視覚空間型、視覚言語型、聴覚言語型

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著者プロフィール

一九六〇年香川県生まれ。精神科医。医学博士。作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒。同大学院にて研究に従事するとともに、パーソナリティ障害や発達障害治療の最前線で活躍。山形大学客員教授として、研究者、教員の社会的スキルの改善やメンタルヘルスの問題にも取り組む。現在、岡田クリニック院長(大阪府枚方市)、日本心理教育センター顧問。『アスペルガー症候群』『境界性パーソナリティ障害』『人はなぜ眠れないのか』『あなたの中の異常心理』『うつと気分障害』『発達障害と呼ばないで』『過敏で傷つきやすい人たち』(すべて幻冬舎新書)など著書多数。小説家・小笠原慧としても活動し、作品に、横溝正史賞を受賞した『DZ』『風の音が聞こえませんか』(ともに角川文庫)などがある。

「2020年 『自閉スペクトラム症』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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