AKB48白熱論争 (幻冬舎新書)

  • 幻冬舎 (2012年8月26日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344982734

作品紹介・あらすじ

人が人を「推す」とはどういうことか?なぜ、今それをせずにはいられないのか?日本のエンタテインメント史上、特異な「総選挙」という娯楽・消費行動を通じて、すべてのメディアを席巻する存在となったAKB48。まさに大衆の願望がAKB48を生み出したと言えるのだ。あえてではなくマジでハマった4人の男性論客が、AKB48そのものの魅力を語り合い、現象を分析することで、日本人の巨大な無意識を読み解き、日本の公共性と未来を浮き彫りにした稀有な現代文明論。

AKB48白熱論争 (幻冬舎新書)の感想・レビュー・書評

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  • AKB48に「マジ」で嵌った4氏が叫ぶ、推し愛と社会学的分析の結晶。

    AKB48、ならびに48Projectがこれだけのムーブメントを巻き起こし、他のアイドルとは一線を画している特徴というのは、劇場というホームグラウンドを抱えている点が大きい。
    おニャン子クラブであったり、モーニング娘。であったり、過去の大所帯アイドルグループには、このようなホームグラウンドを抱えた例はなく、故にマスメディアとの結びつきがブレイクのうえで必要不可欠であったが、AKB48は劇場という下地を抱えている分だけ地盤がしっかりとしており、マスメディアへの露出は、より間口を拡大するためのあくまでも副次的な要素に過ぎないのである。
    もちろん、このような形態をソーシャルメディア全盛の時代に思いついたという幸運は決して見逃すことが出来ない点。今でこそ、Google+を利用したソーシャルメディアによるマーケティング手法を意図的に、かつ積極的に利用しているが、グループ立ち上げ当初に既にそこまで考えが及んでいたとは考えにくい。

    些か盲目的になりすぎてはいないか、こんな言説はあまりに馬鹿げているのではないか、と失笑を買いそうな熱の入りようであり、その点に関しては否定しない。引き合いに出される他グループに対する認識は、やや甘めに見える。ここまでAKB48に対して入れ込んでしまったら、もはや致し方ないことなのかもしれないが笑
    だが、一見、馬鹿馬鹿しくも映るこういった議論の中に、社会を紐解くための意外なヒントが転がっていたりする胡散臭さが、実は社会学という学問の本質であり、面白さであると個人的には思う。

    変なバイアスをかけて堅苦しく読まずに、熱いおっさんたちがソーシャルメディアでAKB討論をしているところにちょっと耳(目?)を傾けるような、軽いノリで読み進めば面白い本。

  • 宇野さんや濱野さんは大好きなんだけど僕はそこまで熱狂的になれなくて、個人的には(後半で宇野さんが指摘しているけれど)チームスポーツ、サッカーを観戦したり語ったりして楽しむ感覚と似てる(センターは前田か大島か、トップ下は本田か香川かみたいな感じ)。アイドルに民主主義や国家を絡めるのはちょっと違うと思うけど、AKBがこれから下り坂に入るとして、「パイが少しずつ減っていく中でシステムや熱量をどう維持するか」みたいなもののモデルになったらいいなと少し期待してたりする。

  • 気になった論点とかをノートにまとめていたら4ページにもなりました。本当は皆さんにも本書を読んでもらうのが一番なんですけど、宣伝も兼ねてその中のいくつかを紹介します。

    1.「ゆきりんに居場所がない」問題。優子→あっちゃんのいないAKBを守るという物語。まゆゆ→次世代センターの本命。ゆきりん→前田政権での有力閣僚だったけどナンバー2ではないので後継者にはなれない。

    2.大島優子には「嫌われる才能」がない。アンチがいるからスターが生まれる。あっちゃんと違い、優子にはアンチがほとんどいない。

    3.よしりん「AKBの選挙には同情票が膨大にある。単なる美少女コンテストで票を入れていない」

    4.総選挙という名の公開処刑。中森「なぜ彼女たちは裁判にかけられ、国民の前で公開処刑されるのか。これはある意味、罰を受けているんです。何についての罪を問われているかといえば、それは「夢」を持つことに対する罰だと思う」

    5.よしりん「あっちゃんや優子は家族の茶の間に入れる。お父さんもお母さんも子供も好きになれる。大衆化できる存在。珠理奈や玲奈は、まだオタクのアイドル。家庭に入り込めるようにならないとセンターで引っ張ることはできないと思う」(「茶の間に入れる」という言葉を見て、僕の頭にはももちこと嗣永桃子さんの姿が思い浮かびました。)

    6.中森「この選挙は野蛮だから不条理なものが残る。ゆきりんが悪い理由はない」

    7.現実の選挙は「チルドレン選挙」。個人を見ていない。金で買える票の方がピュアな本気が込められている。

    8.公共性。日本中の何万人ものAKBファンの投票で決まったならどんな結果であっても受け入れなければならないという感覚が共有されていた。自分がそこに参加したというたしかな手応えがあるから納得できる。日本の政治にはこの正当性の空気、公共性の手応えがない。

    9.AKBの成立にはブログ等のソーシャルメディアの存在が大きな役割を果たしてきた。むしろ最初の数年間はテレビのようなマスメディアとはある程度の距離を置いてきた。

    10.AKBの多様性。麻里子さまとみおりんのファンの間には「女の子の趣味」という面で共有できるものはほとんどない。

    11.インターネットの定着は「情報」の性質を変えた。「ただ受け取る」から「自分でも発信する」へ。完成品を受け取ってただ消費するだけの快楽しか提供しないものでは消費者にアピールするのは難しくなっていく。

    12.テキスト、音楽など原則的にコピー可能なコンテンツ(情報)そのものに人はお金を払う価値を感じにくい。人は入れ替え不可能なものに対して相対的な価値を認めやすい。AKBはコンテンツではなく、コミュニケーションを売っている。

    13.コンテンツ自体ではなく、それを媒介としたコミュニケーションこそが価値を帯びる。AKBには握手会や総選挙など、「参加する快楽」がある。

    14.今はみんな将来が不安だから自分の生活で精一杯。だからこそ自分の利害関係とは離れたところで誰かを「推す」ことが心の支えになる。アイドルオタクにCDを大量に買わせる資本主義の権化みたいな「搾取」のシステムがむしろ「共同体」を生み出している。

    15.中森「『ロミオとジュリエット』もそうだけど、絶対的なタブーを破ることこそ真の純愛であり、恋愛は感動的になる。恋愛可能性の過剰と恋愛禁止の厳格化。ダブルバインド」

  • 『その子がアイドルになれるかどうかは、誰かがその子をアイドルと思うかどうかで決まる』
    システムとしての"人が人を推す"AKBフォーマット、社会への落としどころが非常に分かりやすく理解できる。
    総選挙とは、人に推された結果、普通の女の子が夢を叶え自己実現してしまう、そのことへの罰としての公開処刑なのだと。面白い。

  • あとは体験するだけなのか。

  • やっぱり一度は「劇場」に行ってみないとダメかな?誰か一緒に行ってくれますか?笑

  • 48のムーブメントは縮図であったりコードであったりとして機能できうるのではないかなぁと感じていたんだけどそれを使っていろいろな話をしている。それ自体に可能性がある事や、それを使って様々なことが語られていて面白かった。

  • おじさん達がAKBについて熱く語っています。

    宗教や政治などを織り交ぜながら語られているのですが、そんな視点でAKBを見てることにビックリしました。

    かつて神セブンと呼ばれた者も渡辺麻友しかいなくなり、TVの出演回数も圧倒的に減りました。

    この状況を伯父さん達が、どう思っているのか気になります。

    ちなみに、これをAKBの入門書としては読まない方がいいですね。

  • AKBについて、語った。時代は古いけど、さしこのHKT移籍などおもしろい動きがあった年だったのでおもしろく読んだ。
    ニコ生の文字起こしみたいな感じ。

  • AKB48への愛とともに、アイドルの歴史性もふまえた座談会で、なかなかタメになる内容でした。
    中森氏がいうように、今の時代「あえて」なにかをやるというのは逆に「サブイ」ことです。
    いい大人が「マジで」アイドルにはまる。それも、客観的な視点を忘れていないから、盲信するだけじゃない。
    ただ、本書でも指摘されているように、たった七人の観客からはじめて初期AKBを知るメンバーと、トップアイドルになってからのAKBしか知らないメンバーではハングリー精神が大差であり、そこから生じる「ガチさ」の減少は、現在ますます強くなっているように感じる。

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