植物のあっぱれな生き方 生を全うする驚異のしくみ (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983076

作品紹介・あらすじ

充分に成長できる環境が整わない限りは、うかつに芽を出さない。暑さ寒さをタネの姿で何百年も耐える。いざ芽生えたら、全体に光が当たるように、群落の端は背が低く、真ん中は背が高くなる。よりよい花粉を運んでもらえるように、色や香りの魅力を磨いて熱心な婚活を展開。同じ株の花粉では受粉しない。子孫を残したら、自ら潔く散る-どんな逆境でも与えられた命を生ききるための、驚くべきメカニズム。植物たちのあっぱれな一生を楽しく解説。

感想・レビュー・書評

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  • 自分で動く事のできない植物達のけなげに生きる工夫が共感出来ました!

  • 植物の知られざるすごい生態を、「婚活」と「子孫を残す」いう観点から主に見た本。
    もう少し、「身を守る」という観点での生態を知りたい人には、同じ著者(田中修)の『植物はすごい - 生き残りをかけたしくみと工夫 (中公新書)』がおすすめだそうです。

  • あっぱれ!植物から見習いたいとこたくさん

  • この本を読み終わった翌日に散歩した時黄色い花が咲いていた。その時、「お前の仲間はまだあんまり咲いてないけど大丈夫か?」「受粉できるといいな」と思った。筆者は、植物と共生するために植物のことを知り興味を持って欲しいと書いている。
    概要は、種から芽吹き、成長し、花を咲かせ、次世代に繋ぐ、植物の一生を順に見ていき、植物が生きるためにどんな工夫をしているかを紹介してくれる。中学理科の発展版のように感じた。
    ここでいくつか私が驚いたもの、学びになったものを紹介する。
    ・田んぼの中干しは、稲が水分不足を感じ根を広げることで丈夫になり、秋に多くの実りをつけられるようにするため
    ・桜は葉より先に花を咲かせる。
    ・自家受粉を避ける工夫があったり、いざとなったら自家受粉するようになっている。
    ・植物の婚活は異性へのアピールではなく、虫や鳥へのアピールである
    ・葉は夜の長さを感じて季節を先取りしたり、15分単位で分かる体内時計を持っている。
    新書だからしょうがないが、知らない植物がたくさん出てくるのでカラー写真が欲しかった。筆者はメシベを妻、オシベを夫に例えていたが、娘と息子に例える方が適切だと思う。

  • 植物のもつ様々な不思議な性質に驚いた

  • 動かない生物、植物!は、動く必要のない素晴らしい仕組みを持っている。
    そのすごさを著者は「あっぱれ」を賞賛します。

    花を咲かせ、種を作り、種が芽を出して育つ。
    環境の変化を知りそれを活かす仕組みは驚きです

    また植物観察をしている時に、不思議に思ったことの幾つかがこの本でわかりました。
    例えば、咲き始めから時間とともにシベの様子が変わるのを見ますが、
    雄蕊と雌蕊の成熟の時期をずらし、できるだけ他家受粉をするよう仕組まれている。
    でも、ダメなときには自家受粉という保険もあるなど。

    著者 田中 修の他の本も、読んでみたいな! 

    2015/12/03 予約 12/5 借りる。12/7 読み始める。2016/02/08 読み終わる。

    内容と目次・著者は

    植物のあっぱれな生き方 生を全うする驚異のしくみ (幻冬舎新書)

    内容 :
    十分に成長できる環境が整わない限りは芽を出さない、同じ株の花粉では受粉しない、子孫を残したら自ら潔く散る…。
    どんな逆境でも与えられた命を生ききるための、植物たちの驚くべきメカニズムを楽しく解説する。

    目次 :

    第1章 ひと花咲かせる日を夢見て
    第2章 ひと花咲かせたあとの大仕事
    第3章 婚活のための魅力づくり
    第4章 実り多き生涯のために
    第5章 保険をかける植物たち
    第6章 次の世代に命を託す!

    著者 : 田中 修
    1947年京都府生まれ。京都大学大学院博士課程修了。甲南大学理工学部教授。
    著書に「植物はすごい」「ふしぎの植物学」「花のふしぎ100」など。

  • ●タイトルどおり、植物のあっぱれな生態について解説している。植物の生き抜くための創意工夫について色々知ることができる。

  • ときどき、人間の生き方に寄せて、植物の生態を語る部分がうっとうしいが、知らなかった事実も多く、読む価値はあった。

    ・タネは3000年以上もの間、都合の悪い環境(温度、水、酸素、光)を耐えしのいで、発芽のチャンスを待ち焦がれていた。
    ・モヤシは光が当たると、伸長が止まる。
    ・花は生殖器官。
    ・ナシ、サクランボ、ソメイヨシノは接ぎ木で増やされている。
    ・雄株と雌株がある植物に、サンショウ、イチョウがある。
    ・東京が日本一早い開花宣言を出すのは、高知や宇和島、熊本より、温度が高いからではない。冬の温度が高いため、春になっても、これらの地方のソメイヨシノのつぼみの目覚めが悪いから。
    ・暑さと寒さはタネで耐える。
    ・「ひと花咲かせるのは」無限の寿命を放棄した命がけの大仕事。
    ・黄葉や紅葉の役割として、紫外線の害を除去することが考えられる。
    ・葉っぱは自分で準備して、舞い落ちる。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00236158

  • ブログに掲載しました。
    http://boketen.seesaa.net/article/420597618.html
    夜の暗黒の長さを15分単位で察知してツボミをつくる?
    植物がじぶんの遺伝子を次世代に受け渡すために発揮するさまざまな能力を「あっぱれ!」とほめたたえる。
    素人にわかりやすいように少し極端なまでに擬人化して、植物の作戦や思惑、がまんやがんばりを教えてくれます。
    読んでいるうちに、そうかこの一本の木も草も、オレとなんにも変わらない地球上の生命か、という宗教的というか哲学的というか、そういう感覚がたちあがってきます。
    動かずに遺伝子をつなぐ植物の知恵に、乾杯。

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著者プロフィール

1946年 群馬県生まれ
1976年 九州大学大学院博士課程修了(農業経済)、農学博士
1976年 群馬県勤務、県農業試験場研究員、県農業試験場農業経営課長、
県農林大学校農林学部長、県環境保全課長、県第一課長(企画課)、
県農政課長、県民局長、県理事兼農業局長を経て、2007年3月退職

「2018年 『老農船津伝次平の農法変革論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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