脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体 (幻冬舎新書)

  • 幻冬舎 (2014年1月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784344983359

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

脳のメカニズムや快楽物質についての理解を深めることができる一冊です。著者は脳科学の観点から、ドーパミンやアドレナリンがいかに私たちの行動や習慣に影響を与えるかを具体的に説明しており、ギャンブルやアルコ...

感想・レビュー・書評

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  • 中野信子氏
    この方の説は、脳に裏づけされた、どう転んでもわたくし如きが分かるはずもないことを理論的に説明されるとストンと納得する。
    今一番好きだ。
    今回のテーマは他の本を探したが図書館になく、とりあえずこれと、「空気を読む脳」の2冊を借りてきた。


    ドーパミンのことギャンブル、アルコール、オンラインゲームー人は何故これらこのことをやめられないのか、この答えが脳科学的に証明されるところに
    妙に納得する

    ほとんどが自分の身には関係ないが、
    悪き習慣も考えれば思い当たるかもしれない。
    ⚪︎浮気する脳
    ⚪︎結婚生活と脳
    ⚪︎幸福度の高い人ほど死亡リスクが低い
    ⚪︎ミュンヒハウゼン症候群
    ⚪︎オンラインゲームにハマる理由
    どう、なかなか興味深い項目でしょう。

    本文より興味深い話が

    ー他者との比較で得られる幸福感ー
    現代日本は過去の時代よりはるかに物質的に豊かになりました、しかし、国民の幸福度を調べると決して高くない「ギャラップ、2010年の調査ー81位」
    人は経済的な状況を絶対的な物差しで見るのではなく周囲との比較で決めているらしい。
    お金持ちになって生活レベルが上がってしまいお金持ちの友人たちと付き合うようになった
    ということ繰り返していると
    どんなに稼いでも幸せにはならないということになってしまう

    却ってお金持ちなどにならずに、身の丈にあったつつましい生活を続けて行った方がより幸福に近づけるのかもしれません。」ここまで本文

    脳科学存じませんけど、やってまんがな。
    昔から言われるように
    「足るを知る」「小欲知足」だね。

    結論何も知らなくても、幸せな暮らしをしています。「わたくしめの実感」
    時期もある。

    問題はそれを幸せだと感じられるかどうかだと思う。

    イケイケの「元気盛ん、希望に満ち、野心ある」時にこう思うのは、もったいないし

    今だからこそ思えるのかもしれない。

  • 快楽物質アドナレリンを知ることで、努力するときに応用できないかと思い購入した。脳は一度快楽をを覚えると海馬に記憶され、繰り返し快楽を欲求するようになる。薬や大麻、タバコ、ギャンブルなどに手を出すと脳の仕組みとしてやめられなくなる。

  • ドーパミンをもとに、あらゆる中毒について脳科学的に解説してある。

    薬物などの中毒は心の問題ではない、というのはよく言われるけど、じゃあどういう仕組みになっているのか、というのがわかりためになった。

    個人的に恋愛中毒というものを初めて知ってかなり身近なものだと思った。

  • 知りたかった脳内物質のメカニズムがわかりやすく書いてあり良かった。
    ただ、文章の揺れがあり、ところどころわかりにくく気になった。
    ところどころ説明が飛んだり、やたらトゥーマッチに説明してたと思ったら急に端折ってよくわからなかったりしたところに筆者のADHD的な性質が表れているなと思った(自身もそうなので良し悪しではない)。話のトビなどもあったため★3。


    細かいところの書きっぷりで気になるところはあったり説明不足を感じるところはあるものの、ライトにラフに短時間でざっと読めるので、脳の活動等についての大枠を抑えたい人にとっては良書。
    もちょっと揺れがなければ全体的にわかりやすく★4でも良かったかも。

    わかりやすく、網羅的に神経伝達物質についての説明があり良かった。

  • 向精神薬の副作用とは、意図しなかった場所での神経伝達物質の増減ですから、その症状は何らかの精神病と類似していることが多いのです。

    統合失調症の治療のためにドーパミンの効果を抑える薬を投与すると、ドーパミンの不足によって起こるパーキンソン病の症状が現れるのもその例です。

                   p.86より

    以前、向精神薬を服用する中でパーキンソン病の症状が出現した経験があった。
    こういう理由だったのかと理解できた。

  • 脳の奇妙な動きが 物質レベルで説明できるとは、
    スゴイ時代となったものだ。
    ドーパミン、オピオイドが 興奮させ、報酬系を喜ばせる。
    A10神経を通り過ぎていく 物質たち。
    興奮もさせるが 抑制するセロトニン、ギャバもある。
    そのバランスが 平静になり、興奮し、不安となる。
    物質が解明される事で、依存症がうまれる事になる。
    生理的な報酬、金銭的な報酬、社会的な報酬。
    報酬「依存症」が、ニンゲンであることらしい。
    アルコール、ギャンブル、セックス。
    報酬を喜ばすための 報酬的行為。

    沢山の物質の言葉がありながら、
    ちゃんと 読ませる能力があるのは、えらいもんだ。
    深くもなく、浅くもなく、
    読んで、脳は 実にバランスをとって生きている。
    と感じられただけでも、うれしいね。

  • この本を読み、「楽しい」と「幸せ」は似ているようでまったく違う感情だと気づかされました。

    「楽しい」は刺激が強く、人生に濃い味を与えてくれます。友達と笑い合う、挑戦が成功する、評価をもらう、できなかったことができるようになる。

    そうした瞬間には躍動感や達成感、承認欲求の満たされる感覚があり、ドーパミンが大量に分泌されます。

    一方で、「幸せ・幸福」はもっと静かで薄味です。のんびり、平和、ほっこりとした穏やかさ。強い刺激はないけれど、じんわり心が休まる感覚です。

    本書を通じて自分の人生を振り返ると、私はお恥ずかしながら「楽しい=刺激」を優先するタイプでした。

    お金、恋愛、セックス、美味しい食事やお酒、旅行、勉強など、多くの行動が
    楽しさによるドーパミンを求めるもので、その裏で快楽と苦痛がセットで増えていたことに気づきました。

    刺激は魅力的ですが、依存が強まるほど心の平穏は失われていきます。

    だからこそ、自分は「刺激に満ちた人生」を望むのか、「穏やかな幸福」を大切にしたいのか、改めて向き合う必要があると感じました。

    外部刺激を完全になくすことはできませんが、距離を置き、うまく付き合うことはできるはずです。

    実際に私はこの本を読んだことで、お酒は月1-2回に絞って、タバコは完全に断つ事ができました。最初はつまらなく感じましたが、目先の快楽に流されない生活を続けるうちに、時間とエネルギーにゆとりが生まれ、本当に必要なことに集中できるようになりました。今では以前より人生が有意義だと実感しています。

    この本に出会えたことに心から感謝しています。
    「ドーパミン中毒」という本と一緒に読むのをおすすめします。

  • ずっと興味があってやっと読めた。
    脳科学分野でいう「報酬系」のお話。

    最近新書本が好き。
    まだまだ気になる本や積読本もあるから、少しずつ消化していこう。

  • ・どんなときにドーパミンが出るか、依存症の判断基準

    ・習慣化してしまえば何だってできる

    ・マジックマッシュルーム 「色が聞こえる」

    ・太りやすい人は食べ物を食べる時に出るドーパミンが少ない。だが食べ物を見た時に期待するドーパミンの量は多い。この差異で太る。

    ・拒食症と過食症は同じ

    ・脂肪細胞から出るレプチンで脳が体重を操作する

    ・報酬系……快楽を感じさせて何度もその行為をするようにするメカニズム

    ・金銭的報酬は単純作業に有効、社会的報酬は複雑な作業に有効な傾向

    ・セックスするから愛が生まれるか、愛があるからセックスをするか。前者

    …… 複合性局所疼痛症候群 モルフェウス マルクス・アウレリウス・アントニウス帝はアヘン常習者 代謝 
    人間関係への依存(依存性人格障害、利他的従属、世話型依存) YouメッセージとIメッセージ 社会的報酬、金銭的報酬 独裁者ゲーム 

    快楽を得る手段として何を選ぶか、という問題か。

  • 脳を持つ生物はみな薬物中毒!
    脳はモルヒネの6.5倍の効力を持つ興奮物質を自ら分泌する!
    依存症の原因は脳から分泌される物質!

     人の心、人の精神は脳から分泌される物質に支配されている。ということは、脳内麻薬、ホルモンを理解すれば人生をハッピーに過ごすことができるかも。脳内麻薬の基本から脳に作用する薬物、依存症から幸福感を管理する報酬系まで、生物を虜にする「快楽」の話をわかりやすく解説。
     本書での解説はありませんが、宗教やカルトにハマる要因の一つに脳内麻薬の作用があります。だから論理的に説得しようとしても、その快楽に依存している内は、当人は説得に耳を貸す気になりません。すべきは依存症の治療と同じように、その環境から引き離して隔離すること。そうして長期にわたって離脱するのを待つことです。
     またそれは、脳内麻薬の作用を利用して相手を自身に依存するようにすれば、相手を自由に操れる、とも言えます。
     詰まるところ、人を操ったり人に操られたりしないようにするには、脳内麻薬について学ぶことも手段の一つと言えるでしょう。

  • テレビで見る方ですが、初めて著書を読んでみた。

    わかったこと↓
    自分へのご褒美、という言葉を度々自分でも使うことがあるが(報酬)、本来の設計とは違う方法でご褒美を得ようとする病気が「依存症」なのだ、ということ。

    依存症には三種類あってそれぞれの解説が書いてあった。


    人は社会的報酬を求めている、という章が面白かった。
    恥ずかしい話、他者との比較で得られる幸福感、というのは確かにある。

    人間は、「自分が生きている意味を確認せずにはいられない特異な生き物」
    たしかに!

  • あらゆる依存症についての紹介があり、そこにはドーパミンという脳内物質(≠麻薬)が大きく関係している。
    依存症には大きく3つあり、覚醒剤等に代表されるような物質への依存、セックスやギャンブル等のプロセスに対する依存、そして恋愛依存等の人間関係への依存、すなわち他人からの承認や愛情等の社会的報酬への依存が上げられる。
    これまで、同じ依存でもクスリとスマホやSNSでは、依存の危険度は違うだろうと思っていたが、脳内ではほぼ同じメカニズムで起こっていることを考えると、社会的報酬への依存も軽視してはいけないものだと感じた。
    こういった基礎知識が頭にあることで、今後何か依存への一歩を踏み出してしまう時があった際のブレーキとなれば幸いである。

  • 依存症とは何なのかについて、わかりやすく書いてありました。自分もある種の依存症ではあるかもしれません。

    生活に支障をきたすわけではありませんが。

    最後にマズローの5段階欲求に触れてありました。結局、この欲求段階のどこかのバランスが崩れているから誰かに、何かに依存しようとするのかなと思いました。

    マズローの欲求段階説とは
    ①生理的欲求
    ②安全の欲求
    ③所属と愛の欲求
    ④承認(尊重)の欲求
    ⑤自己実現の欲求

    自分にあてはめてみてもよくわかりました。

  • 人間を支配する快楽物質ドーパミンについて、理解が深まった。印象に残ったのは、
    ①快楽とは、ヒトの脳が用意した「頑張っている自分へのご褒美」
    ②脳が快楽を感じる物質はドーパミン
    ③脳は6つの部分に分けられる。運動やバランスを司る小脳。脳の中央部から下部にかけては「脳幹」と呼ばれ、間脳・中脳・橋・延髄の4つの部分からなる。体の状態を保ってくれる自動制御装置。意識や感覚は、脳の中で最大の部分である大脳で生じる。大脳でもっとも高度な働きをしているのが前頭連合野。
    ④ドーパミンは前頭前野を興奮させ、意欲的にさせる物質⑤重要なことは、依存症は決して心の弱さといったものが原因ではなく、脳内の物質の異常から来る病気
    ⑤神経の先には分泌した伝達物質を再び回収する「掃除機」のようなしくみ(トランスポーター)がある。コカインはこの掃除機の働きを妨害する。つまりコカインを体に入れると、ドーパミンが分泌されっぱなしになり、脳は興奮しっぱなしになってしまう。

  • 依存症から抜け出せない理由は、本人の弱さだけではなくて脳の働きによるものだと知った。怖いな。

    ・コカコーラの「コカ」はコカインから(かつて微量ながら含まれていた)
    ・アルコールの作用は抑制作用
    ①発揚期(衝動的な行為や感情の抑制が利かない)②酩酊期(意識や運動をコントロールしている神経の抑制)③昏睡期(生命維持活動の抑制)

    ・結果としてセックスとそれに関連した活動から来る時間や人力の浪費は、おそらく人類の、いわゆるまっとうな生産活動をかなり低下させていることでしょう。(p.103)

    ---
    人間の特徴のひとつに「生きる意味を求める」ってのがあるって驚き。
    自分は考えたことなかったけど、皆考えているのか??

  • * この本の概要をまとめると
    ギャンブルやアルコール、ゲームなどの依存症にはドーパミンが密接に関わっているが、長期的な目標に向けた努力をさせるためや社会的報酬を受ける場合でもドーパミンが放出されている

    * この本から得た学びは何か?その学びをどう活かせそうか?
    Iメッセージは承認を高める

    * 何に1番驚いたか?
    「報酬は本能に打ち勝つ」

    * この本から得た深めるべき問いはなにか?
    脳内ホルモンと食事や呼吸に関する深い分析。セロトニンやエンドルフィンなど

  •  めっちゃおもしろかった。
     一般向けにかかれているが、かなりの専門性にも耐えられる。
     これだから依存に関わる神経生理学のハナシはやめられないw
     そして、そこここに見受けられるこのセンセイの「バッサリ感」がステキです。


    P30
     ではA10に刺激を送っているのはどの場所でしょう。それこそが私たちの脳のなかで快感をコントロールしているところです。それは2つあります。
     1つは前頭連合野、つまり知的活動の中枢です。(略)
     もうひとつは側座核というところで、これはまさに快感の中枢です。
     (略)ここでいう快感はマッサージを受けたときの気持ちよさやおふろに入ったときの解放感とは違うもので、なにかを達成したり夢中になったりしたときのも野です。それらには感覚神経から直接来るものではないものも含まれます。なにか喜ばしい体験・けいけんがあったとき、それは前頭連合野でうけとられ、その反応がVTA(ふくそくひがいや)に延びる神経を活動させ、VTAを活性化させます。VTAではA10神経をつかって前述の脳の各部にドーパミンを送り届けます。これが快感を生むのです。
     (略)特に側座核がどー羽明を受けとることが快感の中心だと考えられています。
     (略)さらに、この好ましい経験はどー羽明を受け取って活性化された脳のメモリーー海馬に蓄えられ、次に同じような状況が来たときにより速いドーパミンの放出が起こるようになります。これが期待の快感、です。

    ドーパミンが過剰になると
    1興奮状態になり、ときには攻撃的になる
    2アルコールやタバコ、過食などある種の行動がやめられなくなる
    3幻覚を見たり、妄想を抱いたりする

    不足すると、
    1意欲や興味、好奇心が減退し無気力な状態になる
    2パーキンソン病


    2章  脳内麻薬と薬物依存
     快感を支配する脳内の回路「報酬系」は、私たちのかラだが生存のために用意した「自分へのごほうび」です。
     (略)本来の設計とは違う方法で「ごほうび」を得ようとする病気「依存症」です。


    P49
     依存症には大きく分けて、次の3種類の依存対象があるとされています。
    ・物質への依存(ニコチン、アルコール、薬物、食べ物など)
    ・プロセスへの依存(ギャンブル、インターネット、セックス、買い物、仕事など)
    ・人間関係への依存(恋愛、カルト、DV,虐待)


     アルコール依存
     実はアルコールは(略)報酬系をじかに活動させるのです。
     報酬系が活性化されるとヒトが快感を覚えることはすでにのべた通りですが、前述したようにこの報酬系には、ふだん、GABA神経というブレーキがかかっています。
     アルコールにはこのGABA神経を抑制する働きがあるのです。
     つまり、アルコールが他の飲み物に比べて特に好まれるのは、味がいいからでなく「ごほうび」のブレーキを弱らせて、ドーパミンをたっぷり分泌させるからなのです。


     コカイン
     コカインはこの掃除機(トランスポーター)の働きを妨害します。つまり体にコカインをいれると、ドーパミンが分泌されっぱなしになるわけです。その結果、脳は興奮しっぱなしになり、「爽快な気分」などと表現される独特の快感が得られるのです。

     覚醒剤の働きはコカインとにていますが、より強力です。(略)強烈な不眠、食欲不振、血圧上昇、幻覚・被害妄想が起こる

     ストレスと摂食障害
     食事はいきるために重要な行為ですから、食欲のコントロールには様々な神経伝達物質やホルモンが関係しています。慢性的なストレスによってそれらのバランスが乱されると、いわゆる摂食障害になると考えられています。
     つまり、摂食障害とは人間関係から来る心理的ストレスを受けたときの耐性の不足、社会適応性の未発達、周囲とのコミュニケーションの不全などが引き起こす依存症の一種なのです。

     レプチン
     脳は脂肪細胞から分泌されるレプチンの濃度を知り、高すぎれば食事の量を減らして代謝を上げ、低すぎれば食事の量を増やして代謝を下げるという方法で体重をコントロールしているのです。
     満腹・空腹の判断にはレプチンの量も影響しており、例えば脂肪が少ないときはレプチンの量が少なくなり、それを関知した脳は判断をより空腹側に片寄らせます。こうしてリバウンドが生じるのです。

     脳の中にドーパミンが溢れている状態にするとラットの食欲はなくなり、(略・逆にすると)ラットは餌の量を増やすこともわかりました。(略) 
     A10神経にはレプチンの受容体もついていて、レプチンが多い状態になるとドーパミン放出の量が減ることもわかってきました。
     ここからわかることは、過食・拒食はほかの依存症と同じくA10神経を中心とするほう集計の以上からくるものではないかということです。
     実際に太りやすい体質のラットとそうでないラットに同じ量の餌を与えると、太りやすい体質のラットのほうが、脳内に放出されるドーパミンの量が少ないことがわかってきました。つまり過食というのはドーパミンの量が満足できるレベルになるまで食べ続けることからくる症状のようなのです。

    P94
     空腹のヒトが最初の一口を食べるときに、ドーパミンの量が最大になり、食事が進むにつれて減っていくこともわかりました。

    P95
     肥満の人はドーパミンの放出量が少なく、しかも需要体も少ないためにドーパミンの刺激がいつも少ない状態=いつも満足できない状態にあるのです。そして、ドーパミンが満足できるようになるまで食べ物を食べると、カロリーのとりすぎになってしまうから太るのだ、ということになります。
     しかし、もともとドーパミンの量が少ないのに、どうやってその人は食べることの快感を覚えたのでしょうか。(略)ごほうびが少ないとそもそもやる気がでない。しかし多すぎると少ししか働かないという矛盾です。
     人の脳はこの矛盾を巧妙な方式で解決しています。肥満の人の脳の活動を注意深く見ると、ミルクセーキを飲む前や、まさにのもうとするときに報酬系が大きく活動しているのです。
     つまりこの人の脳は、眼前に大きな報酬をちらつかされながら、実際に飲むという行動をとったときには少しのごほうびしかもらえないのです。

    (極端な食事制限というストレスフルな状況中はもちろん、解除後も食事の量が増えたり、糖や脂肪の多い食事を好むようになる現象)
     まず、かんのうししょうかぶがCRH(満腹ホルモン)をだし、脳下垂体がそれをうけとります。そこから副腎皮質刺激ホルモンが放出され、全身に広がりその刺激を受けた副腎からコルチコステロンというホルモンが分泌されます。
     この物質が脳に戻ってきて脳のストレス反応を引き起こします。このストレス反応の中には、報酬計に変かを起こすものがあり、それが原因で摂食障害が起こっていくのです。

    <セックス依存・恋愛依存>
    P102
     結果としてセックスとそれに関連した活動からくる時間や人力の浪費は、おそらく人類の、いわゆるまっとうな生産活動をかなり低下させているでしょう。子孫を残す行動に結び付かない、文字通りの非生産的な、快楽を得るためだけのセックス依存症にかかっているのは、実は、人類という種そのものだと言えるかもしれません。


    P105
    (セックス依存と恋愛依存とのちがいは)言い換えれば、対人関係の希薄さからくるストレスを恋愛とセックスのどちらでまぎらわすかによって、別れるとも言えます。
     ただ、セックスには恋愛の確認と、性欲の発現という2つの目的があります。恋愛感情と性欲は、脳のなかではどうやら区別されているようです。

    P106
    (カップルの片割れに、いままさに恋愛中のパートナーの画像を見せると)まず、脳の中で判断能力を担っている部分と、社会性を司っている部分(前頭連合野)の活動が停止したのです。これはいうならば、恋人の顔を見るときには客観的・社会的な判断は飛んでしまう、ということです。さらに視覚情報を処理する部分、注意・雲藤・体性感覚器のなどを司る部分である大脳皮質については、広範囲に活動が見られました。
     これらの結果を考え会わせると、どうも、恋人の顔を見るときには、客観的に判断することはストップして、ただ相手の姿を見ること楽しもうとしているかのようです。

    P114
     オンラインゲームにハマる理由
     ゲームが写真や音楽と違う点は、この”熱中を生むように設計された人工の趣味”である点です。実はゲームは巧妙に報酬計を刺激し、ドーパミンを分泌させるように設計されているのです。

    (スーパーマリオ)旗が上がり、小さな称賛が与えられ、あなたは達成感を得ます。小さな努力と小さな達成感。しかしそれは確実にあなたの報酬系を刺激します。
     2面、3面と画面が進むにつれて、次第に難しくなり、それをクリアするには努力と時間が必要になります。その分得られる達成感も大きくなります。この難易度の上昇はドーパミン分泌系が刺激に慣れ、分泌量が減るのを防げます。(略)
     このような人工の報酬系刺激装置は、いわば薬物を使わない麻薬のようなものです。
     (略。ゲームが報酬系を活性化させるかどうか?ある実験をしたところ)やはり報酬系も活性化していたのです。そして、その活性化の度合いは男性のほうが高かったのです。

     (略)オンラインゲームとは、ゲーム内のキャラクターからの称賛や友情という、人間関係への依存をふくんだ、プロセスへの依存症なのです。

    <ギャンブル>
     報酬系はシロップという「利益そのもの」に反応して活性化するだけでなく、緑の光という「利益の予告」にも反応するということです。

     動物は確実な報酬より、リスクを伴った報酬に強く反応するのです。

     <脳の非合理な解釈>
     ポーカーの手札配りと同じく、自分で操作してもスロットの当たりの確率が大きくなるわけではありません。しかsh、それでも自分で操作すると報酬系の活動が高くなるのは、運命を自分で選んでいるような気がするからでしょうか。
     これがギャンブルに対する報酬系の反応です。
     ギャンブル依存症になる人は、前述の青い光のような刺激を受け続けることで面白さを知り、ニアミスやジンクスに翻弄されながら楽しむうちに、脳に耐性が形成され、より強い刺激を求めて何度でもギャンブルの場に通うようになるのでしょう。
     ゲーム依存症やギャンブル依存症は、依存症としては軽い部類に入ります。予後は決して油断できませんが、ともかく自分で依存症を克服し、社会生活に復帰する人が多いからです。
     そして株式や投資の場において、このギャンブルに対する耐性を持った人たちが活躍していることも事実です。

    <社会的報酬>
     <承認・評価>承認や評価をするときに、効果が高いのが「I」メッセージです。「(あなたは)すばらしいね」「(あなたは)頑張ったね」という言い方は主語があなたであるメッセージで、(略)これは冷静な言い方ですが、感情のこもらない、ある意味で上から目線の言い方だとも言えます。
     「(私は)あなたのすごさには毎回驚かされる」「(私は)あなたの作品に感動して涙がでそうになった」ならこれは主語がわたしであるIメッセージです。
     IメッセージのほうがYouめっせーじよりも「あなたの価値を認めていますよ」という気持ちが十分に伝わり、社会的報酬としての価値も高いというわけです。

     
     「報酬としてお金を得たとき」と「褒められたとき」の脳の状態を比較しました。
     その結果、他人に褒められたときに反応する脳の部位と、金銭をもらったときに反応する脳の部位は、まったく同じ部分(線条体)であることがわかりました。
     つまり「社会的報酬」とはことばの上の遊びではなく、脳にとってはまさしく「報酬」そのものであることを示しています。それだけでなく、社会的報酬と金銭的・生理的報酬が脳の同じ部分で評価されているという事実は、これらが交換可能であることを示します。非常に単純化してしまうと「お金」で「友情」や「愛情」が買えるということです。逆に、「愛情」を「お金」に換えることもできます。

    P146
     単純な作業については、金銭的報酬は強力に作用します。 
     明確な金銭的報酬というのは視野を狭め、心を集中させるためのものです。それは単純な作業では効果を発揮します。それにたいして平均時間を知るために協力してほしいという要請は相手の感謝と評価という社会的報酬を予想させるものです。こういう動機付けは、答えがあるのかわからないような、知的な課題に向いているようです。

    P156
     利他行動も社会的報酬を得ようとする行動であり、金銭的報酬を求める経済行動と同じ土俵で考えることができるという立場です。
     他者からのよい評判という社会的報酬と金銭的報酬は、ともに報酬系の「線条体」を活性化させます。こうして異なる種類の報酬を比較検討し、どういう行動をとるか決定するときに使われるのが、報酬系が与えてくれる快感なのです。

  • だいぶ前ですがBS日テレ「久米書店」で取り上げられていたのを偶々視聴して気になってはいました。それからしばらく経って、ついこの前古本屋で見かけたので購入。買った時に帯もついていましたが、「11万部突破!」とありました。結構売れたんでしょう。著者の中野信子さんはTV等で多少人口に膾炙した方ですから、ネームバリュー的にも文句なしでしょうし。とりあえず、本日読了です。

    うーん、内容が全部ダメというわけではないんだけれど、あくまで私にとってはですが、聞いたことのある話ばっかりで読んでも読まなくてもどうでもいい本だったなぁ……。

    タイトルは『脳内麻薬』ですが、分量の多くをリアル「麻薬」に割いている本です。無論、「脳内彼女」といったような空想上の何かについての話では全く無いという意味でもリアル麻薬の話なのですが、特に第二章の薬物依存の話になると「あれ、この本ドーパミンについての本じゃなかったっけ?」ということを忘れそうになるほど、色んなヤクの種類と歴史の話が出てきます。それもそのはずで、第一章でドーパミン、オピオイドといった脳内麻薬の概要をざっと話した後は、第二章から終わりにかけて全部「脳の報酬系回路」の話になるからです。要は、ひたすら「こんなところにも脳内麻薬(ドーパミン、オピオイド等)が関係してますよ」「報酬と名のつくところ(生理的報酬、金銭的報酬、社会的報酬)には必ず脳の報酬系回路が関わっていますよ」という話ばっかり。
    まぁ、脳内麻薬物質の化学構造とか、そういう細かい話をダラダラと話すよりかは、自分の生活とどう関係しているかという報酬系回路の話をしたほうが面白いだろうなぁとは、読んでいて思います。ただ、「脳の報酬系回路が関係するシーン」と言ったら、それこそ人類の活動のほとんど全てをフォローし尽くすんじゃないかっていうくらい多岐に亘ってしまいますね。結局本では、「薬物依存」と「その他の依存症」という形で「依存症」について二つの章を割き、また報酬を「生理的報酬・金銭的報酬・社会的報酬」という区分で考えて脳内麻薬との関係を一章使って探っています。ただやはり、内容が浅い。素人目にも、有名ドコロの話ばっかりな上に、解説もざっくりしていて雑だと思ってしまうほど、浅いですね。これ系の本を読み漁ってらっしゃる方はかなりの箇所に既視感を覚えると思いますね。私も正直、「どっかで聞いた話だなぁ」「知ってる話が多いなぁ」というのを結構感じました。

    全くのゼロからの入門としてはいいかも知れません。ただ、そうでなければ「金出して買って読む程のものかこれは?」と思ってしまうほど物足りなくなると思いました。

  • 脳は意外と合理的に出来てる。快楽で分泌されるドーパミン。でもちゃんとそれを抑制するセロトニンも存在する。その両者の働きのバランスがあるからこそ、人間は唯一「理性」をもった生き物になったのだと考える。でもそんな合理的な脳は、時には非情。人間は「尊厳」も持ち合わせる生き物。見た目美しく痩せたいと思う行動と裏腹に、脳はレプチン濃度で代謝と体重をコントロールしようと働く。つまり「尊厳」よりも「生存」優先。脳を働かせて生きるということは、いかに「苦労」や「矛盾」とうまく付き合っていくか。快楽ばかりじゃないんだな…

  • どのような時にどのような理由でドーパミンが多く生産されるのかがよくわかる。
    うまく利用すれば、やる気を起こさせ頑張ることもできるのだが、多すぎても依存症になり逆効果になる。
    依存症の人は自分の意志だけではどうにもならない事があるのだと知り、恐ろしくなった。
    幸福度の高い人ほど、死亡リスクが低いらしく、幸福感を感じる時に生産されるセロトニンが健康と関わりがあるのは興味深いと思った。

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著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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