脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983359

作品紹介・あらすじ

セックス、ギャンブル、アルコール、オンラインゲーム-人間はなぜ、これらをやめることができないのか。それは中脳から放出される"脳内麻薬"ドーパミンが「快感」を司る脳の各部位を巧みに刺激しているからである。コカインや覚醒剤はこの脳内回路「報酬系」を誤動作させて過剰な快楽を与え、依存症を招くものだ。だがこのドーパミンは他人に褒められたり、難易度の高い目標を達成するなど、「真っ当な喜び」を感じる時にも大量に放出されている。なぜ人間の脳はこんなしくみになっているのか。話題の美人脳科学者が人体の深遠なる謎に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 中野信子氏
    この方の説は、脳に裏づけされた、どう転んでもわたくし如きが分かるはずもないことを理論的に説明されるとストンと納得する。
    今一番好きだ。
    今回のテーマは他の本を探したが図書館になく、とりあえずこれと、「空気を読む脳」の2冊を借りてきた。


    ドーパミンのことギャンブル、アルコール、オンラインゲームー人は何故これらこのことをやめられないのか、この答えが脳科学的に証明されるところに
    妙に納得する

    ほとんどが自分の身には関係ないが、
    悪き習慣も考えれば思い当たるかもしれない。
    ⚪︎浮気する脳
    ⚪︎結婚生活と脳
    ⚪︎幸福度の高い人ほど死亡リスクが低い
    ⚪︎ミュンヒハウゼン症候群
    ⚪︎オンラインゲームにハマる理由
    どう、なかなか興味深い項目でしょう。

    本文より興味深い話が

    ー他者との比較で得られる幸福感ー
    現代日本は過去の時代よりはるかに物質的に豊かになりました、しかし、国民の幸福度を調べると決して高くない「ギャラップ、2010年の調査ー81位」
    人は経済的な状況を絶対的な物差しで見るのではなく周囲との比較で決めているらしい。
    お金持ちになって生活レベルが上がってしまいお金持ちの友人たちと付き合うようになった
    ということ繰り返していると
    どんなに稼いでも幸せにはならないということになってしまう

    却ってお金持ちなどにならずに、身の丈にあったつつましい生活を続けて行った方がより幸福に近づけるのかもしれません。」ここまで本文

    脳科学存じませんけど、やってまんがな。
    昔から言われるように
    「足るを知る」「小欲知足」だね。

    結論何も知らなくても、幸せな暮らしをしています。「わたくしめの実感」
    時期もある。

    問題はそれを幸せだと感じられるかどうかだと思う。

    イケイケの「元気盛ん、希望に満ち、野心ある」時にこう思うのは、もったいないし

    今だからこそ思えるのかもしれない。

  • 快楽物質アドナレリンを知ることで、努力するときに応用できないかと思い購入した。脳は一度快楽をを覚えると海馬に記憶され、繰り返し快楽を欲求するようになる。薬や大麻、タバコ、ギャンブルなどに手を出すと脳の仕組みとしてやめられなくなる。

  • ドーパミンをもとに、あらゆる中毒について脳科学的に解説してある。

    薬物などの中毒は心の問題ではない、というのはよく言われるけど、じゃあどういう仕組みになっているのか、というのがわかりためになった。

    個人的に恋愛中毒というものを初めて知ってかなり身近なものだと思った。

  • 知りたかった脳内物質のメカニズムがわかりやすく書いてあり良かった。
    ただ、文章の揺れがあり、ところどころわかりにくく気になった。
    ところどころ説明が飛んだり、やたらトゥーマッチに説明してたと思ったら急に端折ってよくわからなかったりしたところに筆者のADHD的な性質が表れているなと思った(自身もそうなので良し悪しではない)。話のトビなどもあったため★3。


    細かいところの書きっぷりで気になるところはあったり説明不足を感じるところはあるものの、ライトにラフに短時間でざっと読めるので、脳の活動等についての大枠を抑えたい人にとっては良書。
    もちょっと揺れがなければ全体的にわかりやすく★4でも良かったかも。

    わかりやすく、網羅的に神経伝達物質についての説明があり良かった。

  • 脳の奇妙な動きが 物質レベルで説明できるとは、
    スゴイ時代となったものだ。
    ドーパミン、オピオイドが 興奮させ、報酬系を喜ばせる。
    A10神経を通り過ぎていく 物質たち。
    興奮もさせるが 抑制するセロトニン、ギャバもある。
    そのバランスが 平静になり、興奮し、不安となる。
    物質が解明される事で、依存症がうまれる事になる。
    生理的な報酬、金銭的な報酬、社会的な報酬。
    報酬「依存症」が、ニンゲンであることらしい。
    アルコール、ギャンブル、セックス。
    報酬を喜ばすための 報酬的行為。

    沢山の物質の言葉がありながら、
    ちゃんと 読ませる能力があるのは、えらいもんだ。
    深くもなく、浅くもなく、
    読んで、脳は 実にバランスをとって生きている。
    と感じられただけでも、うれしいね。

  • ・どんなときにドーパミンが出るか、依存症の判断基準

    ・習慣化してしまえば何だってできる

    ・マジックマッシュルーム 「色が聞こえる」

    ・太りやすい人は食べ物を食べる時に出るドーパミンが少ない。だが食べ物を見た時に期待するドーパミンの量は多い。この差異で太る。

    ・拒食症と過食症は同じ

    ・脂肪細胞から出るレプチンで脳が体重を操作する

    ・報酬系……快楽を感じさせて何度もその行為をするようにするメカニズム

    ・金銭的報酬は単純作業に有効、社会的報酬は複雑な作業に有効な傾向

    ・セックスするから愛が生まれるか、愛があるからセックスをするか。前者

    …… 複合性局所疼痛症候群 モルフェウス マルクス・アウレリウス・アントニウス帝はアヘン常習者 代謝 
    人間関係への依存(依存性人格障害、利他的従属、世話型依存) YouメッセージとIメッセージ 社会的報酬、金銭的報酬 独裁者ゲーム 

    快楽を得る手段として何を選ぶか、という問題か。

  • 脳を持つ生物はみな薬物中毒!
    脳はモルヒネの6.5倍の効力を持つ興奮物質を自ら分泌する!
    依存症の原因は脳から分泌される物質!

     人の心、人の精神は脳から分泌される物質に支配されている。ということは、脳内麻薬、ホルモンを理解すれば人生をハッピーに過ごすことができるかも。脳内麻薬の基本から脳に作用する薬物、依存症から幸福感を管理する報酬系まで、生物を虜にする「快楽」の話をわかりやすく解説。
     本書での解説はありませんが、宗教やカルトにハマる要因の一つに脳内麻薬の作用があります。だから論理的に説得しようとしても、その快楽に依存している内は、当人は説得に耳を貸す気になりません。すべきは依存症の治療と同じように、その環境から引き離して隔離すること。そうして長期にわたって離脱するのを待つことです。
     またそれは、脳内麻薬の作用を利用して相手を自身に依存するようにすれば、相手を自由に操れる、とも言えます。
     詰まるところ、人を操ったり人に操られたりしないようにするには、脳内麻薬について学ぶことも手段の一つと言えるでしょう。

  • テレビで見る方ですが、初めて著書を読んでみた。

    わかったこと↓
    自分へのご褒美、という言葉を度々自分でも使うことがあるが(報酬)、本来の設計とは違う方法でご褒美を得ようとする病気が「依存症」なのだ、ということ。

    依存症には三種類あってそれぞれの解説が書いてあった。


    人は社会的報酬を求めている、という章が面白かった。
    恥ずかしい話、他者との比較で得られる幸福感、というのは確かにある。

    人間は、「自分が生きている意味を確認せずにはいられない特異な生き物」
    たしかに!

  • あらゆる依存症についての紹介があり、そこにはドーパミンという脳内物質(≠麻薬)が大きく関係している。
    依存症には大きく3つあり、覚醒剤等に代表されるような物質への依存、セックスやギャンブル等のプロセスに対する依存、そして恋愛依存等の人間関係への依存、すなわち他人からの承認や愛情等の社会的報酬への依存が上げられる。
    これまで、同じ依存でもクスリとスマホやSNSでは、依存の危険度は違うだろうと思っていたが、脳内ではほぼ同じメカニズムで起こっていることを考えると、社会的報酬への依存も軽視してはいけないものだと感じた。
    こういった基礎知識が頭にあることで、今後何か依存への一歩を踏み出してしまう時があった際のブレーキとなれば幸いである。

  • 依存症とは何なのかについて、わかりやすく書いてありました。自分もある種の依存症ではあるかもしれません。

    生活に支障をきたすわけではありませんが。

    最後にマズローの5段階欲求に触れてありました。結局、この欲求段階のどこかのバランスが崩れているから誰かに、何かに依存しようとするのかなと思いました。

    マズローの欲求段階説とは
    ①生理的欲求
    ②安全の欲求
    ③所属と愛の欲求
    ④承認(尊重)の欲求
    ⑤自己実現の欲求

    自分にあてはめてみてもよくわかりました。

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著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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