ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)

  • 幻冬舎 (2014年1月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784344983366

みんなの感想まとめ

社会の変化とともに進化する「ヤンキー」の姿を探る本書では、過去の不良像から現代の「マイルドヤンキー」までの変遷が描かれています。読者は、かつての暴走族の存在がどのように社会の秩序に影響を与えていたかを...

感想・レビュー・書評

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  • 私の体感として、小学校から大学へと、学校が変わるごとにどんどん気の合う人が増えた。そして学校生活が、どんどんと楽しく幸せなものへと変わっていった。
    その要因に大きく占めるのが、いじめっ子や不良など、暴力を振るってきたり授業を妨害したりくだらないことで空気を壊す連中が減っていったことにあった。

    同時に、高校では就職組・進学組とクラスが分かれたり、大学では同じ思考回路、共通の趣味や関心を持つ仲間が集まって来る傾向があったりするのも要因だろう。
    大人になっても基本的にその延長上にいるため、良く接する友人は、高校~大学で知り合った友人が大半だ。類は友を呼ぶ。職場など仕事で接する人も同様のクライテリアを持つ人になる。それが故に、このヤンキー層とは接点がなさすぎる。

    その裏側にスポットライトを当てた本書、非常に興味深かった。なるほど確かに!と膝を打って止まない。今までほとんど考えておらず、意識もしていなかった世界だ。

    中・高時代の一部の知人・兄弟などがあまりにも見事にマイルドヤンキーや地元族の特徴に合致する。もちろん彼らの個性にもバリエーションはあるけれども。
    信じられないほどのテクノロジー音痴、地元から出ようとしない習性、LINEのタイムラインを使用する、EXILEや浜崎あゆみや西野カナを好む。バイクや大型バンへのこだわり、マイホーム志向、酒・煙草・ギャンブルへの多額の課金。バッチリ符合する。

    現在の収入の低さ、物価の高さ、それに未来への希望のなさなどがこうした傾向の土壌となっていることは間違いないだろう。

    マイルドヤンキー系ではない意識の高い系でも、FIREやミニマリズムに傾倒したり、田舎へUターンしたりしている。これも同じ文脈で理解できる。
    (なおここでは敢えて「意識高い系と書くが、おそらく従来揶揄されてきた人々や彼らの思考・言動とは異なる。)

    昨今の意識高い系は、向上心を持ちながらも、余分な消費、肩書、昇進・昇格を切り捨て、労働時間を減らし、ワークライフバランスを重視する。
    むしろワークの範囲を徹底的にカットしようとする。

    今の日本では、省エネ、低コストに舵を取らなければ、親世代や、自らの幼少の頃の生活水準を維持できない。
    では何をカットするか。それがヤンキー連中と意識高い系連中の差なのではないだろうか。

    マイルドヤンキー系の人たちは同レベルの仲間との紐帯に選択集中し、情報や向上心、過大な夢や行動範囲を断捨離することで省エネを実践するのに対し、
    意識高い系連中はITや社会的な富などを利活用して労働や締め付けを断捨離し、自由時間を増やす。そしてYouTube、動画サブスク、ソロキャンプや田舎暮らし、サウナ、プログラミング、読書など非消費的or低コストな趣味で以て省エネを実践する。

    共通するのは、泥臭い努力に見切りをつけ、引き算で精神的な幸福感を高めようとする行為だ。
    「さとり世代」という言葉からも滲む「熱量の低さ」が、こうした形で表面化しているように思う。

    ライフハックというか、生存戦略のようなものなのだろう。そこに良し悪しはないが、一点、分断の可能性が高まるのがやはり怖い。

    巻末に特別収録されている原田氏の友人が、その人間関係の中でハブになっている。こうしたハブ役がいるうちは他グループとの窓口があって良いのだが、これが無くなる前に、マイルドヤンキーたちの更に次の世代がどうなるか。そこに窓口が生まれるだろうか。
    子供を地元に縛り付けようとする言動が地元族に見えることが、そこに不安の種を残す。内向きで排他的なコミュニティが再生産されてしまう。

    人間関係や情報があまりに独立個別化すると、治安維持や国防、災害対策、権力の暴走への防波堤といった、まとまったマンパワーが必要となった際に脆弱となる。

    社会全体の質は、社会全体の経済力に左右されるわけだが、経済の活性はグローバル化に見られるような「ヒト・モノ・カネ・情報」の流動性が担っている。
    環境問題と格差問題の改善のために脱成長的アプローチを採る以外ないのでは、と考えている私としては、グローバル化や経済活性を今さら支持しない。
    しかし内向きで分断された封建制時代への逆回転は戦争・紛争の火種になる。
    過去をそのままなぞるようなことをせず、進化した分化コミュニティなりコミューン的なモデルでやっていくのならば、せめて情報はインタラクティブでスムーズでありたい。

    本書では有望な消費者としてマイルドヤンキーにスポットライトを当てるが、別の切り口でも彼らを社会のネットワークから途切れさせない方法を考えたいものである。
    消費者というのは、関係性としてはあまりにも弱いし、ややもすれば主従関係を生み出し、疎外を生みかねないのだから。

  • 広告代理店勤務の著者が流行語を狙ったとしか思えないような内容の薄っぺらさに驚く。
    世代論を語るのなら、対象世代以外との比較があってしかるべきだし、対象世代を論じるには調査母数が少なすぎるという中途半端なトンデモ本です。
    細かく分析しながら、結局何も生み出さない本、とは言いすぎでしょうか?

  • あれ?この表紙岩波新書?と一瞬思ってしまうが、幻冬社新書である。

    昔、不良と言えば私の中では、横浜銀蝿と風雲たけし城に出てくる的場浩司率いる「バックれんなよ」のイメージだったのだが、おばさんになり勤めはじめた中学の俗に言うワルな子たちはエグザイルみたいでなんかホストみたい?かつてのあの不良たちは?この30年ほどに何が?と、経済の部分はさて置きその変遷がとても気になっていたのだが、本書を読んで大人の世情や経済的要因が、多感な時期の子どもに与える影響も垣間見えた。

    子どもの頃、深夜、ヴーンヴーンという騒音が遠くから聞こえて目が覚めることがしばしばあり、あれは近くの産業道路を爆走する暴走族の爆音だったのだ、と随分後になって気がついたのだが、今はその暴走族もほぼ姿を消した。
    本書の中の対談で、筆者の友人の元暴走族のK君が「変な言い方だけど、暴走族がいると悪いことが減るんだよ。暴走族が一軍だとすると、二軍、三軍の不良は、一軍が怖いからそこまで悪いことができなかった。今は一軍の暴走族がいないから、二軍、三軍が遠慮なく悪いことをしちゃってる。」と言っているのが印象に残った。

    筆者がちょっと上から目線で書いている気がして、そこが引っかかる。2019.1.20

  •  原田曜平著『ヤンキー経済――消費の主役・新保守層の正体』(幻冬舎新書)『さとり世代――盗んだバイクで走り出さない若者たち』(角川oneテーマ21新書)を読了。仕事の資料として読んだもの。

     博報堂の「若者研究所」でリーダーを務め、最近はテレビの「ZIP!」のコメンテイターとしても知られる著者が、日頃の研究をふまえて「いまどきの若者」の素顔を紹介する2冊。

     前者はいわゆる「マイルドヤンキー」(著者はこの概念の提唱者)の世界に踏み込んだもので、後者は大学生たちへの取材から「さとり世代」の実像を解き明かしたもの。
     マイルドヤンキー層がおおむね中卒・高卒で、後者に登場するのは上位ランクの大学生たちであるから、2冊を併読することで「いまどきの若者」の全体像が見えてくる。

     2冊が扱う若者たちはおよそ「階層」が異なるわけだが、読後の印象は不思議なほど似通っている。それは、「いまどきの若者って、ずいぶんこぢんまりと落ちついちゃってるんだなあ」という印象だ。

     マイルドヤンキーたちは、昔のヤンキーたちのように「BIG」になることを目指さず、生まれ育った地元の世界でこぢんまりと生活している。
     「さとり世代」の大学生たちも、分不相応な野心など抱かず、バブル世代のような見栄消費もしない。
     いわゆる草食系男子だけが「草食化」しているのではない。ヤンキーも、若い女の子たちも「草食化」傾向にあるのだ。

     実際のマイルドヤンキーたち、さとり世代の大学生たちの発言のいくつかに、目からウロコの落ちる思いを味わった。たとえば――。

    《メリット、デメリットで考えると、恋愛のメリットがよくわからない。

     盗んだバイクで走り出したい欲望っていうのが、何を求めての欲望なのか、さとり世代にはよくわからないです。

     今は海外も日本も、生活様式って大して変わらない。景色しか変わらないんだったら別に(海外に)行かなくてもいいかなって思っちゃうんですけど。(『さとり世代』より)》

    《「日の出(町)の若者にとって、イオンは夢の国。イオンに行けば、何でもできるんです」

     「給料が5万円上がれば、生活満足度が100点になる」(『ヤンキー経済』より)》

     ううむ……。

     私は、若いころの自分が「草食系男子のハシリ」だったと思っている。自動車にもブランドものにもまったく興味がなかったし、自分が若者だったバブル時代にはバブル的消費に熱狂する同世代が理解できなかった。
     だから、草食系男子たちにはわりとシンパシーを覚えるのだが、そんな私でさえ、いまどきの若者の“こぢんまり感”には驚かされた。

  • 「これからの消費を支える大切なお客さま」的な言い方をしている割にマイルドヤンキーに対するリスペクトが微塵もない。
    人の意思や行動をヌーの大群のそれと同様に捉え、その向かう先を予測するマーケティングという分野が、少し怖い。
    調査結果が身近なマイルドヤンキーの考え方を見事に言い当てているその鋭さも、また怖い。

  • 40歳近いおっさんが、「最近の若いもんは…」と言ってるだけの本です。
    マーケティングがどうとか、消費がどうとか言ってるわりに、マイルドヤンキーとやらが人口の何割で、市場規模がどれぐらいと推定されるのかさえ書かれていません。
    自分とは異なる価値観を持つ若者をバカにしてるだけの著者が、リーダーを務める若者研って、どんなサークルなんだろうか?

  • 7割は当てはまっていた。私自身、マイルドヤンキーと言われるところ所属しており、その背景や特性を知れて良かった。この年代特有の時代背景を加味すると昔に比べれば地元だけで全てが事足りるのは分かる。そこから約10年ヤンキー4.0はどんな特性なのか気になる。

  • 時代が懸念していたのとは逆の保守的な層があるというような話なのだけれど。時代の衣を着てはいるが突飛な話に思えなかった。割とオーソドックスな日本人論に見える。見立てや括りとしては面白い幸福度が高いであろう点も見逃せない。あとはそれでいいのか? というような疑問を適切に持てるかどうかだと思う。幸福を感じつつ、それを脅かす資本家サイドの横暴にどう抵抗し、良識ある生活を意識できるかただ、トレンドがそれを証明しているように見えるがそれ故に、風船のような軽さを感じるのが微妙な所。博報堂の人らしいマーケティング分析はこんな風に分析しているのかという感じだった。こういう世帯、世代が増えるのかわからないけれどいい面悪い面という意味ではわかりやすかった。

  • マイルドヤンキー。って言葉の意味は教えてもらってから読んだから、すごく面白かったw

    ショッピングモールは夢の国。
    EXILEが絶対的な人気。か〜笑

    選択肢が多い事が苦痛とか…面倒くさい…とか
    地元の友達の評価が絶対‼︎ッて言葉が沢山出てきて印象的でした。

    私も自分の世界が狭い方だけど…ここまで地方のマイルドヤンキーの世界観が狭いとは…ビックリ‼︎‼︎

    地元で同級生と結婚して、子供を自分の通ってた学校に行かせ…同級生の友達の子供と仲良くさせたい……って……その環境で育った子供は今度何ヤンキーに成長するのかしらΣ( ꒪□꒪)笑

  • 前評判では、著者はそういう世界とこれまで隔絶されていたが故に今になってマイルド・ヤンキーを発見したと思っているようだが、そういう層は昔から居たのだ、というような反論も目にしていたのだが、いや、その反論って、この本は読んでないで書いたんじゃないか?という微妙なズレを感じますね。
    ヤンキー3.0としてのマイルド・ヤンキーという世代論もあるし、「電車に乗れない」などの(本当かどうか鵜呑みにはできないけれど)特徴とか、結構、新しい知見を書いていると思うわけで。
    でも、読み終わって、本屋さんがつけてくれたカバーをとり、そこで見つけた著者近影が一番のオチというすごい本。原田さんコワいっすよ。

  • 読み物としては面白かったが、これでもってこれからの消費行動を語るのは乱暴すぎる。「調査にあがってこない層=潜在的な消費層」は正しいが、「この層がこれからの消費のマスボリューム」は勇み足。本著の調査とは別の調査をしないとそれが検証できないことぐらいわかるよね?

    一昔前、渋谷のごく一部の女子高生を見て当時の若者像の捏造していたのと同じことが今でも平然と、というかドヤ顔で語られているのを見ると辟易する。
    木を見て森を語るこの感じ、これぞ博報堂!

  • 作者はマイルドヤンキーの生態を坦々と紹介しつつ、バカにしてる感じが随所に散見できる。私も正直関わりたくない人種なんで作者の気持ちは分かる。イオンとかで平気でジャージ着てたり子供にDQNな名前付けるのもこの人種だよね。
    作者はバカにしてるくせに理解してるかのような書き方はズルいなあとは思った。旧友に取材してるから仕方ないのな。
    全体的には内容が薄くてちょっと物足りなかった。

  • 現代のヤンキークラスタを研究した経済(?)書。
    いわゆるヤンキーと呼ばれる人たちは昔からいるが、本書では現代のヤンキーを「マイルドヤンキー」と定義している。その主な特徴としては、向上心は弱く地元への執着心は強い、地元友人との付き合いが生活の中心、娯楽はパチンコで喫煙率が高い、スマホ普及率は高いがITは苦手、車はセダンよりミニバン、などなど…

    昔ながらのヤンキーと比べると少し小粒で、いかにもゆとり世代の不良、草食系ワルといった風情だが、同年代の他のクラスタと比較すると購買意識が高いという、このご時世に何とも心強い特徴があるようだ。実際に彼らをターゲットとした、悪羅悪羅系(笑)の雑誌やファッションは売れているらしい。

    一見すると非常に特異に見える研究だが、もしかしたらマーケティング目的だけではなく、若年層の自殺や老人の孤独死、また首都圏一極集中など、いま日本が抱える様々な社会問題に対しても、解決の糸口と成り得るのではと、少し真剣に考えた。

    上昇志向は無いけれど、いつも気の合う仲間同士で集まり、たまにショッピングモールでささやかな贅沢をする。
    考えてみると、人生の幸せって意外とそんな些細な事なのかもしれない。自分が若い頃、仕事を理由に友人の結婚式を欠席してしまい、あとから猛烈に後悔した事を、不意に思い出してしまった。

    マイルドヤンキー的なライフスタイル、決して悪くないと自分は思う。

  • ヤンキー的要素の残る一種、地元族は地元消費志向で、ここから地域経済の復興みたいな話にできるかな〜なんて、途中までまじめに読んでいたのだけど、どうにもピンポイントなレッテルが目について、もうこれはトンデモ本として読んだほうがエエな、と頭を切り替える。
    すると突然面白くなるではないか。クルマは大きければ大きいほどいい。イオンは夢の国。鏡月のお茶割りを好む。スマートフォンはもっているけど使い方はよくわからない。
    終章では、こうした層にどう消費させるか、商売にするか、という話が出てくるのだけど、せっかく「地元」というキーワードが出ているのに、地元とはまるで関係なく、ピンポイントで消費させよう、というアイデアばかりで、それで経済牽引とか、なんなのよ…。というわけで、トンデモ方向にも経済方向にも突き抜けが足りん!

  • 読む前から「マイルドヤンキー」というキーワードで、「ああ、分かった、そういう切り口は確かにある!彼らのことね!」と思って読んでみた。期待に違わず非常に良くまとめられていた。

    要するにこういうカテゴリの人たち向けのマーケティング用ペルソナ分析的な本なんだけど、

    ・暴力的なヤンキー、族ではない(そもそもその層は残滓しかない)
    ・男子はEXILE、悪羅悪羅系
    ・地元大好き、半径5km以上行動したがらない
    ・地元の友だち関係が何より大事
    ・新しい人間関係を築くのがおっくう
    ・東京郊外〜地方都市部在住
    ・都心部まで電車で20分であっても出ようとしない
    ・学歴は「高くない」が、中卒〜私立大ぐらいまでバラつく
    ・「湘南乃風」と「西野カナ」の世界観
    ・イオンとラウンドワンですべてが完結する
    ・クルマで移動したがる、電車嫌い
    ・ワンボックスカーに友達と乗るのが好き
    ・「既知のものしかほしいと思わない」現在知っているものだけから選択する
    ・観光にはあまり興味が無い。行っても本当に有名なところに仲間と行ったことが大事
    ・PC・スマホ苦手、検索したがらない
    ・選択肢が多いことは苦痛でしかない
    ・知的好奇心はそれほどない

    なんかね、そーそー、って感じで。

    2点すごく釈然としないものがあって、一点はそもそもこのクラスタに対する釈然としなさなんだけど、
    もう一点は、切り口の問題。

    まず切り口の問題なんだけど、このクラスタ(というには巨大なんだけど)、「EXILE、悪羅悪羅系」という属性を外しちゃえばもっと広くターゲット層が存在するだろうこと。ユニクロ/しまむら/イオンファッションと通販で買うEXILE/悪羅悪羅系は、同じカードの表裏でしかないだろうから。ファッションとか車のデコレーションみたいな、デティールが意味がある者はちょっと違うかもしれないし、そこは限定的にカテゴライズしていった方がエッジが立つのはわかるけど、もう少し広いゾーンの特性を、限定したペルソナで説明しているように思えるのが気になる。

    「ショッピングモールから考える」あたりの切り口を交えた再整理が欲しい感じはするんだよな。

    もう一点はやっぱこのクラスタに対する釈然としなさだよね。「地元の友達」概念ほど私が個人的に理解しにくいものはないし、知的好奇心の薄さと、「既知のものしか求めない」感じ、慣れてきたような気もするけどやっぱりこうして文章にされると、本当にそれはそう言い切って終わりにしてしまっていいんですかと、どーしてもモニョモニョしたものを感じてしまう。

    まあ、2014年現在、興味深い本では合った。

  • マイルドヤンキー…不良・暴走族(70-80年代)~ヤンキー・チーマー(90-00年代)に引き続き登場した、第三世代の若者たちの生態を綴った本。

    地元志向、保守的な消費性向、等身大な見栄など、あまりメディア等には登場しない低成長時代における新・保守層の実態を理解するには面白い。さらに、著者は広告代理店の人なので、それをいかに企業のビジネスと結びつけるかについても言及しており、ビジネス書としても参考になる。

    地元志向、と言ってもマイルドヤンキーたちにとっての地元とは、半径5km以内の中学校区程度のエリアを指す。東京都心に電車で数十分で出られるようなエリアに住んでいても、めったに電車には乗ろうとせずにまったりといつメン(いつものメンバー)と宅飲みや近所のモールなどで遊ぶのだ。

    そんな彼らにとって私的なゾーンの延長であるクルマは必需品であるが、かといって昔のヤンキーのようにスポーツカーを改造したりしない。むしろ、仲間たちがたくさん乗れるように、ワンボックスカーをホスピタリティ溢れる形で気持よくしていくことに心血を注ぐ。

    TwitterやLINEといったソーシャルメディアの使い方も、広く新しいことを知り、様々な人たちと出会い交流するためといった好奇心ではなく、仲間内で日常的な内輪ネタをやり取りする掲示板のようなものとして認識しており、ITリテラシーが低いために身内向けのネタが時々流出して炎上してしまう“バカッター”に繋がっている。

    このような新・保守層とも言える若者たちは、東京都下から地方の中核都市に至るまで、広く存在している。もはや彼らにとっては、東京で次から次へと新しいコンセプトを生み出し、クリエイティブに情報発信していくといった仕事はまったく魅力を感じておらず、むしろ地元で気心の知れた家族や仲間たちと日常の思い出を重ねていくことに関心を見出している。

    恐らく、今後の日本の消費を引っ張っていくであろうこの層に対して、いかに有効なアプローチを仕掛けていくのか。大量生産大量消費のモノカルチャーの先に位置づけられる企業間競争は、すでに始まっている。

  • 「マイルドヤンキー」という言葉を生み出した著者のマイルドヤンキーの生活実態を考察した一冊。

    本書については終始うなずく箇所が多かった。
    「マイルドヤンキー」の定義は、中高からの友人関係を軸に地元で働く、遊ぶ、結婚するというライフスタイルの層である。総じて人間関係が狭く上昇志向がないというのが彼らの特徴である。

    博報堂で働いているという著者は、恐らく高学歴であり高い上昇志向を持つと思われ、マイルドヤンキー層をディスっていると思われる箇所が多々あるが、同じく上昇志向を持つ私としては不快に感じなかった。

    地元残留組と年に1回ぐらい飲むが、彼らは本当に視野が狭いと感じる。生まれた時から40年間同じ土地に住み、高校の同級生と結婚し、友人関係も高校時代から変わっていないという人生はどんなものか。私にとっては想像するだけで窮屈で退屈で何のために自分は生まれてきたのだろうと思ってしまう。

    しかし、マイルドヤンキー層は、もっと良くなりたいという考えはなく、もちろん本なんて読まないため、自分たちがマイルドヤンキーと呼ばれ、ディスられていることに気付いてすらいない。若い時に結婚した自分たちは勝ち組だと思っているところがまたなんとも。

    マイルドヤンキー層はブランド志向が強いらしいが、片田舎でハイブランドを持って、いつも同じ友人とつるんで、いったい、いつどこで誰に見せるために買うんだろうと疑問に思ってしまった。
    地元の消費を支えていると言えばその通りで、彼らがいるから私の実家がある地方都市も廃墟にはなっていない。

    しかし、自分の子ども達には、遅くとも大学入学にあわせて生まれ育った土地を出ていってもらいたいと改めて思った。そして、私自身も子育てが終わったら移住したい。
    やはり、人は移動した分だけ、人間関係の層が広がる分だけ視野も世界も広がり、人生が豊かになると私は考える。

    本書に出てきたマイルドヤンキー達も、まだ20代だから上京組との差もそこまでないと思うが、これが30代40代と歳を重ねるごとに圧倒的な差が開いていく。
    そして、それは残酷なことに世代(子ども)を通じてさらに広がっていく。

  • 2014年の著作。
    半径5kmの小中学校が同じ地元の友人と変わらずに遊んでいれば満足。家と子供と車、見知った仲間と環境がずっと続く関係。個人的には違和感しかないが。
    ある種の経済圏であり、そういう層がいてそこに訴求する選択肢もある。

  • 日本の経済変化に伴ういわゆるヤンキーを中心とした若者の消費意識・行動に焦点を置いた一冊。私は比較的に中央に行きたがる人間で地元に固執するように見える友だちを不思議に思っていたが腑に落ちる点が多々あり面白かった。

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著者プロフィール

マーケティングアナリスト

「2022年 『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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