性犯罪者の頭の中 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
3.32
  • (4)
  • (21)
  • (21)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 169
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983472

作品紹介・あらすじ

平成24年、警察に届けられた強姦は1240件、強制わいせつは7263件。だが実際の被害は約10倍とも言われる。性犯罪者は「外見も気持ち悪い人」と思われがちだが、実は身なりも会話も普通で結婚しているケースも多い。そんな彼らはなぜ性犯罪をし続けるのか?「強姦するたびに自分がレベルアップしていく感覚があった」と十数件の性犯罪を繰り返す者もいれば、性犯罪をやめられない自分を苦に自殺する者もいる。共通するのは日常生活での"満たされなさ"。その感情がどう変化していくのか。彼らを性犯罪へと駆り立てる心の闇を赤裸々に綴った一冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  •  目を引く下世話なタイトルは、いかにも幻冬舎新書らしい。
     このタイトルだと、『新潮45』がやるような煽情的犯罪読み物を連想する人が多いだろう。だが、実際にはごく真面目な内容である。

     著者はNHKの報道番組ディレクターで、本書も「性犯罪“犯行サイクル”を断て」とのタイトルで放映された番組をベースにしている。

     書名に相応した内容になっているのは、性犯罪者たちに取材した1章及び2章の前半のみ。
     残りは、性犯罪の統計データを紹介するなど、白書的な内容がメイン。生々しいノンフィクションを期待した読者にとっては、いささか肩透かしだろう。

     再犯防止の取り組みがくわしく紹介されるところなど、内容は興味深いのに、読後の印象が薄い本だ。構成が散漫だし、著者の文章も「これをぜひとも世に訴えたい!」という熱気に乏しい。

     前に読んだ『子どもへの性的虐待』(森田ゆり)は、性犯罪の概説書という意味では本書の類書だが、本書とは対照的に読者を釘付けにする熱気に満ちていた。著者は、森田ゆりの語り口に学ぶべきだったと思う。

  • パワーの問題。

  • 性犯罪者は、見た目気持ちの悪い変な人というイメージがあるが、多くは普通に働いている社会人であり既婚者も多く、会話もきわめて普通。ムラムラより計画的が殆ど。

    許せない! 厳罰を! が先に立ちますが、冷静に、そうならないような仕組みをどう作るか、なのでしょう。

  • 性犯罪とは性欲から生まれるものばかりでない。
    異性に対する支配欲や自己顕示欲、また社会的ストレスを多く抱える人ほど性暴行に及ぶのだ。

    特に興味を惹かれたのは、性犯罪を犯した者は皆、自分の犯した罪に対して「なんであんなことしてしまったんだろう」と後悔の気持ちを抱えていること。
    ストレス社会に疲れ切っているオモテの自我と、その腹癒せとして計画的に性犯罪をこなしていくウラの自我。ストレスや支配欲が強い程、ウラの自我はあっという間にレベルアップしていき、オモテの自我ではコントロールしきれない存在になっていた。
    彼らは逮捕されてやっと気づくのだ。

    さらに凄いなと感じたのは、逮捕された後刑務所で過ごす内に、性犯罪者達はかなり緻密に自己分析ができるようになっているケースが多いことだ。その点に関して、性犯罪者に一つの憧憬を覚えた。自分はこういう人間だと、自己分析をしっかりとできる人が、この世界にどれほどいるだろうか。

    著書では主に性犯罪者の心理について語られている。被害者についても少しは触れているが、あくまで立っているポジションは性犯罪者側である。よって我々一般人には少々理解できない感情や精神状態も表現されており、個人的にはそれがまた面白かった。

    最後に一つ言うならば、海外の性犯罪事情も詳しく知りたい。著書にはそれに関することは述べられていない。日本と海外では性認識にどれほどの差異があるのか、性犯罪に至るまでの経緯など、興味深いことだらけである。

  • 私も世間同様の思い込みがあったので
    なかなか新しい観点と面白く読んだ。
    でも、せっかく実際の加害者と話したなら
    逆にどういう対応を被害者側がとれば
    未遂で終わらせられる可能性があるか、
    という役に立つ視点の問いが欲しかった。
    多分取材担当が男性だからだろうけど、
    自分でもやめたいと思う人たちが多いならば
    万が一襲われた際にそのやめたいスイッチを
    そこで入れられるきっかけが知りたい。
    ないのかもしれないが、あるかもしれないし。

  • 報道の情報は性犯罪=性的衝動というイメージを与えてくるが、それは「神話」に過ぎない。加害者本人はもちろんだが、私達も性犯罪に至るプロセスを分析・理解する必要がある。それが性犯罪者の更生や再発防止に繋がるのではないか。
    しかし、性犯罪には未だに解明されていない部分が多く、たくさんの課題があるのだということを思い知らされた。

  • 性犯罪→性欲のみ というバイアスに異を唱える書。複数の事例を取り上げ、浅く広く多角的に性犯罪者を分析していて勉強になった。

  • 仕事の参考になった。性犯罪者の頭の中が少しわかった気がする。

  • 性犯罪者の頭の中。
    この本ではほとんどわかりません。
    性犯罪者にはわからないことがたくさんあることと、
    効果的な対策や更生プログラムがほとんどないことしかわかりません。

  • タイトルはキャッチー。内容は広く浅い。もっとつっこんだ取材で「頭の中」の深みが読みたかった。そもそも無いのか。

全20件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1996年東京大学教養学部卒業。同年NHK入局。報道局、スペシャル番組センターなどを経て、現在報道局報道番組センター社会番組部チーフ・プロデューサー。「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」などを担当。ギャラクシー賞奨励賞を2度受賞。著書に『新聞消滅大国アメリカ』『加害者家族』『性犯罪者の頭の中』(いずれも幻冬舎新書)がある。

「2015年 『反骨の知将 帝国陸軍少将・小沼治夫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

性犯罪者の頭の中 (幻冬舎新書)のその他の作品

性犯罪者の頭の中 Kindle版 性犯罪者の頭の中 鈴木伸元

鈴木伸元の作品

性犯罪者の頭の中 (幻冬舎新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする