吉田松陰と久坂玄瑞 高杉晋作、伊藤博文、山県有朋らを輩出した松下村塾の秘密 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 82
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983656

作品紹介・あらすじ

吉田松陰が松下村塾で指導した期間は二年にも満たない。だが、物置小屋を改造して作った八畳一間の講義室からは、高杉晋作、伊藤博文、山県有朋ら、明治維新をになった多くの若者たちが羽ばたいていった。なぜ松陰は短期間でこれほど多くの偉人を生み出せたのか。その秘密はゼミ方式の実践的な教育スタイルと、己の生死すら度外視した驚異的なアジテーション力にあった。その松陰の妹・文を妻とし、彼の遺志を継いで尊王攘夷に殉じた男・久坂玄瑞。愛憎に満ちた二人の師弟関係を解き明かしながら、維新の礎となった男たちの生涯に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 残された手紙や文献を読み解き、歴史の実相に迫る内容ですが、調べたことをのべつ幕なしに書いているため、まとまりがなくかえってわかりづらい。それにしても、幕末の志士たちの若さと行動力と知識欲のすごさよ!10代から20代の若者が天下国家を論じ、己の命を懸けて大義を守ろうとする姿に圧倒される。
    封建社会では、武力(一揆やテロも含む)のみが最も手っ取り早い変革手段だったのは間違いなく、黒船来航という差し迫った対外脅威に対して、いいように列強に収奪された清国の二の舞を避けようとするわかりやすい攘夷論と、彼我の国力の差を認識したうえで最悪の事態を避けようとする開国派とに日本は二分され、過激なその論争の過程で多くの稀有な人材が失われました。さらに不幸だったのは、長い鎖国のせいで幕府に対外交渉力など望むべくもなく、不平等な条約(領事裁判権の容認と関税自主権の欠如)を一方的にのまされる事態が、さらに憂国の士の危機感をあおり、そして明治維新へと・・
    吉田松陰の先見性の1つは、士農工商という世襲身分にかかわらず、有用な人材を適材適所で使うという身分制度の否定にありました。
    閑話休題。
    にもかかわらず、現状の日本の大臣は、素人の政治家が単なる当選回数や論功行賞のみで抜擢され、選挙で選ばれてもいない官僚にいいように使われて、武漢ウィルスという国難時にも専門知識の欠如により適切な判断が出来ない現状を放置したままです。今こそ、使えない議員の削減と民間専門家の大臣登用を真剣に議論すべきですが・・

  • 至誠にして動かざるものは、未だこれあらざるなり

  • 吉田松陰は、どんな罪人でも、身分が低くても、幼くても、女性でも、分け隔てなく接した。上からではなく、しっかり名前を呼んで、その人の良いところを見つけた。勉強熱心で、筆豆で、熱くて、魅力的な人物であったことが分かる。
    今からたった190年前に生まれた。尊敬すべき人物である。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/574019

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/yoshida_shoin_kusaka_genzui.html【書評】『吉田松陰と久坂玄瑞』〜死に急ぎすぎた幕末の志士


    <目次>
    第一章 吉田松陰と黒船
    第二章 吉田松陰の教育論
    第三章 松陰と玄瑞、師弟の絆
    第四章 久坂玄瑞と禁門の変


    2014.12.03 新書巡回にて。
    2015.01.11 読書開始
    2015.01.14 読了

  • 信じたことをやり抜く。
    彼はそれをした人。
    人から学ぶ姿勢があった人。

    黒船に侵入しようとしたのち、自首したのは
    荷物を載せた舟が当局に確保されてしまっていて、
    そうせざるを得なかったから。
    この点、正直で不器用な彼だから、その性質が
    ために自首したという記述をした人がいたが、
    こちら書籍の方が本当っぽい。

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著者プロフィール

1965年、東京都生まれ。青山学院大学文学部史学科卒業、早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学。文教大学付属中・高校教諭。早稲田大学教育学部講師。教育活動の傍ら、精力的に執筆活動も行なっている。

「2016年 『大学入試問題から日本史を学びなおす本(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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