男尊女卑という病 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983823

作品紹介・あらすじ

人前で妻をバカにする夫、「男の責任者を出せ」と騒ぐ男性客、女性上司に反発を覚える男性社員、女性の結婚・育児・家事にまつわる社会の無言の束縛や圧力…。男女平等社会は当然と思われるようになった今もあちこちで目にする男性優位の"上から目線"。なぜ今も?家庭や地元で刷り込まれたからか?無意識か?そこに潜む意外な心理的病理を、注目の精神科医が分析。男と女のわかりあえなさを踏まえつつ、お互いが歩み寄る糸口を探る、新しい男女の解剖書。

感想・レビュー・書評

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  • 男女のわかりあえなさ
    をまず受け入れること。

    フロイト曰く解剖学的
    性差は一つの運命なの
    だと。

    人間の心の構造は性別
    によってある程度まで
    決まってしまう。

    異性の心がわからない
    のはなぜか。

    それは異性に生まれた
    からにほかならない。

    人間と人間である限り、

    ましてや異性であれば、
    わかりあえなさという
    ものは消えない。

    男女は理解しあえない
    ものなのだ。

    男女とも互いに相手は
    思い通りにはならない
    ものなのだと

    心に留めておくことが
    肝要ですね。

  • 男女平等社会は当然と思われるようになった今もあちこちで目にする男性優位の“上から目線”。そこに潜む意外な心理的病理を精神科医が分析。男と女のわかりあえなさを踏まえつつ、お互いが歩み寄る糸口を探る。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40235351

  • 男性が受けている抑圧やそれによって形成されてしまっている部分が見過ごされているというのは考えることが増えてきた。
    ひとつの事実ではあるんだろうけど、現在の社会はそう変えられないから、それに順応していくほうがよい、のようなメッセージも多く含んでいた気がして、どこか少し飲み込めない部分が多かった。
    女性だからと、歪んだ被害者意識だけを持った人にはならないように、しっかり考えられるようにしたい。

    ===
    P.21
    男性は、自分が受けたのと同じ仕打ちを、自分寄り弱い対象に加えることによって、攻撃された時に抱いた無力感や屈辱感、不安や恐怖を乗り越えようとしている。

    P.26
    たとえば、電車の中で大声で泣く息子に困ってしまい、「男の子なんだから泣いてちゃダメよ。恥ずかしいでしょ」と叱責する。男の子も、自分が男であることはわかっているから、明確な理由で怒られていると感じる。

    P.34
    露出狂の男性は、ファルスを失う不安に、常にさいなまれ続けているからこそ、「おれは持っているんだぞ」と、他人にこじせずにはいられないのだ。

    P.42
    「女性は男性の所有物」という感覚の男性が少なくない。そういう男性にとって、女性はあくまでも男性の性欲を満たす対象なので、所有物である女性に勝手なことをされては困るわけだ。

    P.43
    17世紀フランス名門貴族 ラ・ロシュフコー「羨望というのは、他人の幸福が我慢できない怒りなのだ」

    P.47
    イタリア政治思想家 マキアヴェッリ「人間は、恐怖心からも、また憎悪の心からも、過激になりうるものである」

    P.55
    ロシュフコ―「「羨望」と似た感情で「嫉妬」があるが、二つは似ているように見えながら実は違う。嫉妬は、「我々が所有している幸福、もしくは所有しているように思い込んでいる幸福を守ろうとする」ために生じる」

    P.66
    女性にないものを自分が持っているという事実は、女性より優れているという自身を男性に植えつける。

    P.79
    男性は女性の卵子を手に入れても、どうすることもできない。自我の不滅性を実現するためには、女性の力を借りなくてはならない。そこで、男性は女性を「自分の子供を産んでくれる存在」としてまず認識する。

    P.81
    社会の風潮として男性優位が成立するのは、女性を軽んじる男子が存在するせいだけではない。いいか悪いかは別にして、男性優位を許容または助長する女性の存在があって成立するものである。

    P.91
    フロイト
    人間には基本的に二つの「欲動」がある。「性欲動」と「自己保存欲動」だ。平たく言えば、「性欲動」は子孫を残したいという欲望、「自己保存欲動」は自分が生き延びたいという欲望につながる。

    P.116
    男性以上に、女性のほうが扱われ方に過敏になって頑なな態度で対応しすぎると、周囲とギクシャクすることが少なくない。

    P.118
    周りに「困ったちゃん」と思われてしまうタイプは「自慢称賛型」「特権意識型」「操作支配型」の三つに分類できる。

    P.129
    女性は失恋して悲しい時に泣けるが、男性はなかなかそれができない。
    →悲しくてもつらくても泣いてはいけない、と住み込まれてきたので、感情を押し殺して我慢してしまう。

    P.137
    「過去と他人は変えられない」というのは、どんな対人関係においても真理である。

    P.150
    セクハラの定義(文科省)
    ①自分より弱い者に対して一方的に、
    ②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、
    ③相手が深刻な苦痛を感じているもの

  • ジェンダー

  • 課題図書ということで、読んでみました。

    結局生まれつき、差別意識はどの人間にも備え付けられている、って事ですかね。
    対処法としてはどちらかが流せ、という締め括りのようでしたし。
    旦那様があんなに面倒くさい人になると、熟年離婚が多い理由も頷けますね。

    女性目線で読んだので偏りはあると思いますが、男性からの圧迫が普通だから女性は強かなのかな、とも思いました。
    それでも、男性には厳しく、女性には優しく、という場面もよくあるので、どっちもどっちかもしれません。

  • 受け流すってことかな

  • 2016年12月1日読了

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著者プロフィール

1961年生まれ。大阪大学医学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。専門は精神医学、精神分析。フランス政府給費留学生としてパリ第八大学でラカン派の精神分析を学びDEA(専門研究課程修了証書)取得。精神科医として臨床に携わりつつ、精神分析的視点から欲望の構造について研究。日生病院神経科医長、人間環境大学助教授を経て、現在、神戸親和女子大学教授。著書に『オレステス・コ
ンプレックス—青年の心の闇へ』『17歳のこころ—その闇と病理』(共にNHK出版)『分裂病の精神病理と治療7—経過と予後』(共著、星和書店)など、訳書に『フロイト&ラカン事典』(共訳、弘文堂)などがある。

「2005年 『攻撃と殺人の精神分析』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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