人間の分際 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983847

作品紹介・あらすじ

スポーツの世界では「努力すれば必ず報いられる」などという美談が溢れている。しかし著者の八十余年の体験によれば、いくら努力してもダメなことは実に多いという。つまり努力でなしうることには限度があり、人間はその分際(身の程)を心得ない限り、決して幸福には暮らせないのだ。「すべてのものに分際がある」「老いと死がなければ、人間は謙虚になれない」「誰でも人生の終盤は負け戦」「他人を傷つけずに生きることはできない」「『流される』ことも一つの美学」「老年ほど勇気を必要とする時はない」等々、作家として六十年以上、世の中と人間をみつめてきた著者の知恵を凝縮した一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 大学生の頃から読んでいる本ですが、著者の曽野綾子女史がまだお元気で執筆されている嬉しい限りです。

    二十年前の三十代前半の時はいざ知らず、50歳を超えた今、目標を立てることは大事だとは思いますが、この本のタイトルにある「分際」なるものも考えてみる必要があると心のどこかで思っていた矢先に、巡り合えた本です。

    私より長く生きてこられてきただけあって、書かれている事は、深みがあります。

    以下は気になったポイントです。

    ・分際とは、身の程、のこと。財産でも才能でも、自分に与えられた量や質の限度を知ることが大事(p4)

    ・身の丈に合った暮らし方をするということが、実は最大のぜいたくで、それを知るにはいささかの才能がいる(p6)

    ・失敗には、意味も教訓も深く込められていることが後で分かる。その過程を意識して、人生の流れの半分に作用する自助努力はフルに使い、自分の力の及ばない運、つまり神の意志にも耳を傾けて深く悩まない方がよい(p31)

    ・運命を受け入れ、そこからそれぞれの道を歩き出す気力があるかないかの違い(p47)

    ・不公平に慣れないと器が小さくなる(p55)

    ・不幸が、むしろその人の個人的な資産になって、その人を強く、静かに輝かせている(p69)

    ・人の生き方に口を出すべきではない、ただひたすらに外からその成功や健康を祈ればいい(p88)

    ・欠点をさらしさえすれば、不思議と友達はできる。他人は、美点と同時に欠点に好感を持ってくれる(p105)

    ・愛とは、すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐えること(p123)

    ・人に何かを与えることが幸福の秘訣(p155)

    ・心配とか恐怖は、人間が不必要なものをたくさん所有しているときに起こる(p159)

    ・人間が自分でなしうるのは、多くの場合、与えられた偶然に乗っかっての結果だとわかってくる(p172)

    ・年を超えても見事だと思える人は、それは与えられているものに対して感謝できる人である(p173)

    ・成功した人生とは、1)生きがいの発見、2)自分以外の人間ではなかなか自分の代替が利かない、という人生でのささやかな地点を見つけること(p176)

    ・人間は誰でも、自分の専門の分野を持つことである。小さなことでいい、自分はそれによって社会に貢献できるという実感・自信・楽しさ、を持つこと(p177)

    ・道楽とは、苦労を楽しみと感じられるように変質させ得るもの(p178)

    ・自分の得意で好きなことをするのが成功と幸福につながる、まず、自分の得なものを発見する、次にそれを一生かかって続ける(p179)

    ・人生のおもしろさは、そのために払った犠牲や危険と、かなり正確に比例している。冒険しないでおもしろい人生はない(p191)

    ・人と比べるのをやめると、ずいぶん自由になる。限りなく自然に伸び伸びと自分を育てることができるようになる(p194)

    ・人間は50から先の生き方が大切である、それはその時期を過ぎると、人間は一日一日弱り、病気がちになるという運命をもっているから(p211)

    ・人間が高齢になって死ぬのは、多分あらゆる関係を断つということ。分を知って少しずつ無理がない程度に、狭めて軽くしていく。生きるのに基本的に必要なモノだけ残す(p220)

    ・死ぬ前に2つのことを点検しておく、1)自分がどれだけ深く人を愛し愛されたか、2)どれだけ面白い体験をできたか(p227)

    2015年10月4日作成

  • 神とか信仰とか多少出てくるけど、書いてある内容はとてもよかった。
    他人の目を気にしないとか実践してるのもあるけど、人にあたえるとか生き方とかためになったし、自分に合うものは取り入れていきたい。死ぬまでね。

  • 1931年生まれの曽野綾子さんの「人間の分際(ぶんざい)」(2015.7)を読みました。この方の箴言(直言)は、いつの時代に読んでも、読んでるうちに姿勢が正しくなっていく・・・、そんな気がいたします。①人間はその分際(身の程)を心得ない限り、決して幸福には暮らせない。②老いと死がなければ、人間は謙虚にはなれない。そして、③誰でも人生の終盤は負け戦。人間は50から先の生き方が大切。負け戦と決まっているものなら、ちょっと気楽に、さわやかに、おもしろく! (^-^)

  •  過去の作品から抜粋した文言集なので、いろいろと良いことが書かれているはずなんだろうけど、さらさらと流れていくように読める分、残らないというか浅いというか、深い思考に結びつかなかった。少し残念。

  • 書き下ろしじゃなかった事に残念。ちゃんと見て買えば良かった……けど、知らないよりは知ってた方が……ぐらいの名言は数々ありました。名言集なので疲れはしないけど、残るものもない感じ。かなり、残念。

  • 第一章 人間には「分際」がある
    人間には変えられない運命がある
    そもそも人間は弱くて残酷で利己的である
    卑怯でない者はいない 人生には祈るしかない時もある !
    寿命を延ばすことは正しい行為か……ほか
    第二章 人生のほんとうの意味は苦しみの中にある
    不幸のない家庭はない 人生は能力ではなく、気力で決まる !
    うまくいかない時は「別の道を行く運命だ」と考える !
    人間は死の前日でも生き直せる !
    生涯における幸福と不幸の量はたいてい同じ‼️ほか
    第三章 人間関係の基本はぎくしゃくしたものである
    人は誤解される苦しみに耐えて一人前になる
    褒められてもけなされても人間性に変わりはない !
    誤解されても堂々と生きる
    誰からも嫌われていない人は一人もいない !
    他人を傷つけずに生きることはできない……ほか
    第四章 大事なのは「見捨てない」ということ
    「許す」という行為は生きる目的になりうる
    愛ほど腐りやすいものはない 愛は憎しみの変型である
    人間の悲しさを知ることから愛が生まれる……ほか
    第五章 幸せは凡庸の中にある
    見た目と幸福感は一致しない
    「もっとほしい」という欲望が不幸を招く
    人に何かを与えることが幸福の秘訣‼️モノがあふれていると精神が病む 感謝することが多い人ほど幸せになる…ほか
    第六章 一度きりの人生をおもしろく生きる
    「人並み」を追い求めると不幸になる ‼️
    何かを捨てなければ、得ることはできない ‼️
    話のおもしろい人は、人より多くの苦労をしている
    他人の評価にすがる人は永遠に満たされない
    報復すると人生が台無しになる……ほか
    第七章 老年ほど勇気を必要とする時はない
    老いと死がなければ、人間は謙虚になれない
    誰でも人生の終盤は負け戦
    昨日できたことが今日できなくとも、静かに受け入れる
    人間の一生は苦しい孤独な戦いである !
    満ち足りて死ぬための準備……ほか

  • 曽野さんの各エッセイをまとめた本。
    つぎはぎ感があり、あまり心に響くものではなかった。

    神とかキリスト教とかってワードが多くて、少しうーんとなってしまったのが正直な感想。ただ、書いてあることは結構いいこともあって、今後生活を送っていく上で意識してみようというところはいくつかあった。

    「信じるという行為は疑うという操作を経て成立するもの」。これは印象的でした!

  • 「やればできる」というのは、とんでもない思い上がり。

  • 中身をみないで手にしてしまい。
    つぎはぎだった…。
    一冊を読みたい。

  • 曽野さんの著書をまとめたもの。今までに彼女の本を読んできた人なら,ガッカリするだろうが,読んだことがない自分にとっては示唆に富んだことを得ることができました。例えば,「苦悩のない人は,人間性を失う」とか。経験則ではありますが,作家としてトップを走ってきただろう氏の言葉には説得力がありました。

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著者プロフィール

一九三一年東京都生まれ。作家。聖心女子大学卒。一九七九年ローマ法王よりヴァチカン有功十字勲章を受章、二〇〇三年に文化功労者、一九九五年から二〇〇五年まで日本財団会長を務めた。一九七二年にNGO活動「海外邦人宣教者活動援助後援会」(通称JOMAS)を始め、二〇一二年代表を退任。『老いの才覚』(KKベストセラーズ)、『人間にとって成熟とは何か』『人間の分際』(ともに幻冬舎新書)など著書多数。

「2019年 『不惑の老後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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