人間の煩悩 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344984288

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤愛子さん、93歳なんですね!
    この本にあるのは今までに書かれたものから抜粋したもの。
    その中から私が4つ抜粋してみます。

    「私は剛情な人間だが、尊敬する人の言葉は必ず信じてすぐに実行する素直さがある。
    欠点の多い私の、これだけは唯一のよいところといえるだろう。」

    私もなんです!親しみを感じました。

    「みんな、自分の物差しでものごとを測る。
    物差しを沢山持っている人は、沢山の物差しで測る。
    だが沢山持っているために、却って真実から遠ざかることもある。
    私自身、四十代の物差し、五十代の物差し、六十代、七十代の物差しで自分を語ってきた。
    だがどの解釈が一番正しいかはいえない。
    今私にいえることはそれらの解釈はみな(人の解釈も含め)佐藤愛子の「部分」だということだ。
    ではそれらの部分をひっくるめたものが全体像かというと必ずしもそうでもない。
    それ以外にもまだいろいろある。弱かったり強かったり。
    言葉でいえるほど人間は単純なものではないのである。」

    さすが長く生きてこられただけのことはある、と恐れ入りました。

    「何のかのといっても、やはり人間は善意には目がくらんでしまうのだ。
    我々は善意にこそ用心しなければならないものなのに。」

    肝に銘じたいお言葉です。

    「私には、まずいものをおいしいといいつつ食べる食事会は楽しくないのである。
    が、そうかといって、まずいものでもおいしいといって食べるのがおつき合いだと思っている人たちもいることは確かなので、要するにこれは気質の問題なのである。
    変人は変人と、常識人は常識人と、それぞれ気質に合ったつき合いが楽しい。
    だが、そうはいっても変人が常識人とつき合わねばならない場合があるのが世の中である。
    そのつき合いは楽しくはないだろうが、これも人生の修行になると考えることだ。
    そう思えば、逃げることもないのである。」

    ずいぶん修行されてきたのでしょうね。
    これからも元気でご活躍ください。

  • 度々「すみませんでした」と
    謝りながらも最後まで
    楽しく読ませていただきました。

    そして愛子さんの文章の
    芯のあるユーモアで
    元気も出ました♪

    長生してくださって
    あざーす!

  • 今までの佐藤愛子さんの小説、エッセイの中から項目に添った文を抜粋した本になっています。

    抜粋した本のタイトルが書かれていて、それを見ると今まで読んだ本ばかりでしたが、見事にどの話も忘れていました。
    だけど、多分、その時読んで思ったのは共感できるな、とか好感がもてるものだったように思います。
    今回この本を読み終わって感じたのもその通りでした。

    そして、佐藤愛子さんは私の先を歩いている方だと思いました。
    もちろん、人生の先輩なのだからその通り、当たり前のことですが、ただ年上の人で色んな事を書かれていても腑に落ちない・・・というものがほとんど。
    だけど、この本に書かれていることは共感できるものも、私の考えとは違うな・・・というものも何となく腑に落ちてしまう。
    これはこの本に書かれている言葉によると、私の「波動」が佐藤愛子さんの「波動」に共鳴できるからじゃないかと思います。

    例えば、「何故人を殺してはいけないのか」という質問に対して。
    以前、そんな質問をされた事がありますが、それに対する答えが私がその時答えたものと全く同じで「わぁ!」となりました。

    こういう本は読んだ時の心理状況とか、年代によって響くものが変ってきますが、私が今回印象に残った話は死後の話について。
    以前はこういうのは眉唾ものだと思ってうさんくさい・・・と読み飛ばしていたものが、へそくりの行方が気になるというそんなささいな事でも成仏できない霊がいる、霊という存在について、死後人はどうなるのか、という話が印象的でした。
    そういうのがある、ないに関わらず、執着やら思いを残したくないものだ、そういう生き方をしたいと思いました。
    また、「神に願い事をしてはならない」という言葉も興味深かった。
    神様というのはそこに存在しているだけ。だから感謝の念を送るだけでよいのだと。
    その感謝こそが先に書いた「波動」を上げることなのだ、とあり、「ああ、そうだな・・・」と素直に思いました。

  • 何がめでたい、が流行った時に読みそびれたので、それより新しい本書を図書館で順番待ちしていました。

    中身を確認せずに予約していた私が悪いのですが、この本は書下ろしではなく、著作の断片の寄せ集めで・・・要するに流行に乗った便乗本でした。
    別に便乗本でも面白いならよいのだけど、90歳を超えた現在の考えが語られているのではなく、40年も50年も前のことから最近思ったことまでいっしょくたに編集されており、抜粋も唐突で、これで著者はよくOK出したなあ、なんて考えてしまいました。
    しかも、その出版年の記載もないから、それはいつの出来事なのか、何歳の時に感じたことなのかが分からず、当時の世相などを想像することも出来なくて、更に読みづらく感じました。
    お年を召してからの発言なのか、離婚前の話なのか、バブル期のことなのか、等々何もわからず読ませるって・・・これでいいの?

    出版社は・・・またもや幻冬舎、でした。

  • 愛子さんの著書に外れはない!次回も期待!!

  • 93歳の佐藤愛子氏が今まで書いてきたエッセイ等を抜粋してまとめたもの。特に年をとってからの文章が多く掲載されており、老人の視点に驚かされることがあった。ユーモアたっぷりの面白い内容であった。ぬるま湯に漬かったような、厳しさのない時代に憂慮していることが、一番言いたいことのようだった。
    「私は時々、講演に出かけるが、最近、かつては経験しなかったことを経験するようになった。そのかつてなかった経験というのは、一時間半の講演をした後、一杯のお茶も飲ませてもらえぬままに帰されることである。こういう口にするのも情けない話が、今は世間に渦巻いている」p48
    「最初に気取っていいところばかり見せておくと、あとあとボロを出すまいとして緊張し続けなければならない」p50
    「通信機能の進歩の波はあっという間に大津波のように我ら年寄りに押し寄せ、(ファックスに電話し続けた)話などもう笑い話にもなりはしない。竜宮城でいい思いをしたわけでもないのに、いつか浦島太郎になっている我ら」p165
    「どうもまだ死にそうにない。それならそれで仕方ない。カラ元気を出して生き続けるしかないと心に決めた」p176
    「十分生きてきたのだ。死んでもいいと思っている者を無理やり検査漬けにして生かそうとするのは僭越じゃないか、と私は言いたい」p181
    「若い頃、「あのうるさい親爺さんも年をとって丸くなりましたねぇ」などという言葉を耳にしたが、「丸くなる」ということは人間が出来て角が取れたのではなく、単にエネルギーが枯渇してきただけのことであったと、今にしてわかる。なにも感心するほどのことではなかったのだ」p186

  • 佐藤愛子節満タン。彼女の人生は「損をするまい」として生きたいだ。さらにこうも書いてある。「損得で生きる人生は不幸」。ああああ!僕は何て不幸な人生を送ってきたことか!こんな項目もある「愛される老人になんかなりたくない」
    彼女はこう言い放つ「私はそんなことを考えてまで愛されよとは思いませんよ!私は孤独に徹します。わかる奴はわかる。わからぬ奴はわからなくていい!私はそう思っています」
    僕もキップいい言葉を言ってみたい。

  • これまでの出版からの抜粋。

  • 佐藤愛子の過去の小説やエッセイなどのフレーズを臭出したもの。

    佐藤愛子の素顔やパーソナリティを知ることができて、ファンには楽しめるかと。

  • 理路整然と感じた無さことを率直に述べられる。煩悩をおかしく痛快にちょっと考え深く表現されている。

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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