テロリストは日本の「何」を見ているのか 無限テロリズムと日本人 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344984325

感想・レビュー・書評

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  • 左右どちらにも与しない警鐘の書!
    真面目に読もう。

  • テロリストに対して、原発は格好の的になるため国防の観点からももっと警備体制などを整える必要がある。著者の考えに対して、同意しつつ読み進めて行くと、「もし、日本の政治がモタモタするなら、いっそ、福一の半径10キロメートルを(中略)国連直轄の信託統治領とし、(中略)主権を放棄する」との発言にまともな神経をしていないと判断して読了とした。
    他にも原発を警備する人材は身上調査を行い、国家公務員にすべしとの考えの後に、外国人に原発の運営をさせようと考えているなど意味が分からない。いわゆるサヨクの方なのだろう、確かに安倍政権への批判もちょこちょこあったがついに本性を現したな!と行ったところ。

  •  人類の非戦の営みの結晶たる戦時国際法国際人道法は攻撃されて応戦すればこれを交戦として統制する。けれども交戦権が否定され交戦主体たりえぬまま停戦合意が破れれば撤退できる平和維持軍に参加し交戦規定の遵守を通達されてなお交戦が支配する戦場の状況は安定していることにする通常総合戦力世界第四位かつ世界唯一の交戦規定で律されない軍事組織がある。

    『こういう時に、和平工作に奔走する現場の私たちを、欧米の人権メディア、人権団体、そして同胞であるはずの国連の人権理事会は、「不処罰の文化」を蔓延させる張本人として糾弾するのです。』113頁

  • ■テロリズムという用語が使われるようになったのはフランス革命の「9月虐殺」がきっかけ。
    ■アメリカ国防総省の公式なテロリズムの定義では「テロ行為とは政治的,宗教的,若しくは特定のイデオロギーに基づいた目的のため,特定の政府や社会に対して恐怖を植え付けるべく,違法な暴力の使用,そして威嚇を行うこと」とある。
    ■当初は国家の「沙汰」の届かない,そして開発も届かない貧困に喘ぐ地方の貧農地帯がテロリズムの温床であり,教育も受けられない貧しい家庭の若者が過激思想に洗脳されやすいというのが一応の定説であった。この構造は現在でも依然としてあるが,その後都市部でのテロ事件が多発し,その動機の調査が進むと,この構造が必ずしもすべてではないことが分かってきている。つまり,都市部の貧しいとはいえない家庭の高等教育を受けた人間も自発的に参加している。そのきっかけとなるのは過激思想のチラシや小冊子などの出版物,ウェブサイト,クチコミ。
    ■パキスタンは「平和利用」の支援の対象国であり続けているが,CIAが諜報網をフルに使っても探知できない極秘の場所に核弾頭を隠し続けている。この国はグローバルテロリズムの歴史的な震源地であるので,もし体制が崩壊したら…。
    ■テロリストが重宝している日本の輸出品は自動車。
    ■イスラム法には欧米流の人権の考え方がない。欧米の人権団体は世俗主義を取らないイスラムの世界では人権が侵害・抑圧されているというステレオタイプの批判をする。そういうのを見るにつけ人権思想もまた一つの「宗教」なのだと思う。
    ■アーサー・ポンソンビーが書いた「戦時の嘘」には第一次世界大戦時にイギリス政府が行ったプロパガンダを分析し,戦争が起きる時,戦争をやりたいと考える政府は自国民に向けて「事実」を伝えるが,そのメッセージには次のように歴史的なパターンがあると纏められている。
    ①私たちは戦争をしたくはない
    ②しかし,敵側が一方的に戦争を望んだ
    ③敵の指導者は悪魔のような人間だ
    ④私たちは領土や覇権のためではなく偉大な使命のために戦う
    ⑤私たちも誤って犠牲を出すことがある。だが,敵はそれを目的に残虐行為に及んでいる
    ⑥敵は卑劣な兵器や戦略を用いている
    ⑦私たちの受けた被害は小さく敵に与えた被害は甚大
    ⑧芸術家や知識人も正義の戦いを支持している
    ⑨私たちの大義は神聖なものである
    ⑩この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である
    ■グローバルテロリズムとの戦いにつきものの「難民」というマイノリティ問題。現在,シリア難民が世界的な課題になっている。難民や移民を雇用の安定に加え,国防上の脅威としてとらえる傾向が強くなっている。日本はまだ欧米のように彼らを受け入れていないが,昨今の「ヘイト」を見る限り,排他の傾向は欧米のそれに勝るとも劣らないのではないか。
    ■ここまで地球全体を網羅した自由経済,そして資源をめぐる投資と情報のグローバル化の下では,「安全」のために「自由」を完全に犠牲にすることはあり得ない。
    ・どんなにヘイトをやっても鎖国は無理
    ・テロリズムの分子を体内に取り込んでしまってもそれをどう最小限に留めるかが重要
    ・テロリズムの解決は日本国内でできる移民たちマイノリティの帰属社会と日本社会のコミュニケーションにかかっている
    ■「排除」は敵を利することにしかならない。
    ■武装解除は通常「DDR」というプロセスで行われる。
    ・「D」:Disarmament(武装解除)~武器引渡しの政治的合意
    ・「D」:Demobilization(動員解除)~部隊の正式解散
    ・「R」:はReintegration(社会再統合)~職や一時金などの恩恵を与え経済的理由で再武装しないようにする

  • 核セキュリティとジャパンCOIN。

    日本が歩んできた歴史を活かし、日本らしい・日本にしかできない対応とは何なのか。

    現場での豊富な経験をもとに、それを示唆してくれる貴重な一冊です。

    【本書抜粋 著者】
    我々は、史上初めて、「防犯」と「戦争」の世界を、自由に、縦横無尽に行き来する敵をつくり出してしまったのです。
    しかも厄介なのは、旧来のインサージェンシーと違って、彼らは〝敵〟を自分たちの恣意的な解釈でいかようにでもつくるのです。
    ーーー

  • 著者はアフガニスタン、東ティモール、アフリカの紛争地域で直接武装解除などにかかわり、修羅場をくぐっているだけに一般の書籍とは違う説得力がある。
    テロリスト発生の歴史的背景も時系列で述べられていて、単なるテロリストでひとくくりに論じられない背景がある。
    こういう現実的かつ論理的な方の発想と論理を、現実の政治にきちんと反映でにないものだろうかと残念でもある。

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