モネのあしあと 私の印象派鑑賞術 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (153ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344984448

作品紹介・あらすじ

印象派といえばルノワール、ゴッホ、セザンヌ。常に破格の高値で取引されるようになった彼らも、かつてはフランスアカデミーの反逆児だった。その嚆矢ともいうべき画家が、クロード・モネ(一八四〇〜一九二六)である。"印象‐日の出"(一八七三年作)が「印象のままに描いた落書き」と酷評されたのが「印象派」のはじまりだ。風景の一部を切り取る構図、筆跡を残す絵筆の使い方、モチーフの極端な抽象化、見る者を絵に没入させる魔術をモネはいかにして手に入れたのか?アート小説の旗手がモネのミステリアスな人生と印象派の潮流を徹底解説。

感想・レビュー・書評

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  • 原田マハさんのアートを題材にした小説を読むようになって、美術館に行くのが前よりも楽しくなりました。
    特に印象派についてもっと知りたかったので、本書をチョイス。
    著者が語りかけてくれるようで親しみやすいと思っていたら、講演会を1冊にまとめたものでした。

    印象派の作品には日本美術の影響を受けているものあるということで、日本人の好みに合っているのだそう。
    日本美術をヨーロッパに広めた林忠正という人物が気になりました。
    彼を題材にした『たゆたえども沈まず』、読んでみようと思います。

    モネが展示方法を細部までこだわったという、オランジュリー美術館の大睡蓮画、もしもフランスに行くチャンスが訪れたなら、絶対に行ってみたい!

    1つだけ残念だったのは全編モノクロ印刷だったこと。
    新書という形態ゆえ仕方ないのかもしれませんが、掲載されたたくさんの絵画や写真をカラーで見たかった···!

  • 印象派、とりわけクロード・モネは日本で展覧会が開かれるたびに大盛況になる画家だ。
    そのためか、著者の『ジヴェルニーの食卓』もまた人気だったようだ。
    本書は著者の展覧会での講演をまとめたもので、実際に絵を見ながらであれば、モネの作品がより身近に、より美しく見えたことだろう。

    掲載された中でカラーは口絵の二点のみ。
    それが本書の唯一残念な点だ。
    特にマネの<オランピア>では脇に書かれていた黒人女性が白黒印刷のために背景に紛れ、潰れてしまっている。
    印刷上の問題はある程度許容しなければならない点ではあるが、これはもう少し工夫して欲しかった。
    しかしたくさんの絵が収められているので、その点においては楽しかった。

    モネのあしあと案内はこれからアート巡りをする人にとってはとても役に立つはずだ。
    フランスのオランジュリー博物館なんて難易度が高すぎるよ!だって?
    いやいや、都内でも、十分楽しめる。
    世界遺産にもなった国立西洋博物館、ブリヂストン美術館、サントリー美術館など、思ったより近くにモネはいる。
    著者も言うように先人たちの先見の明には恐れ入る。
    一方で影響を与えた浮世絵が多数流出してしまったことは本当に残念なことだ。

    印象派。
    遠い国の、異なる文化がともに認め合い、惹かれ合う美しさ。
    そこに宿る「何か」は、私たちの心をこれまでも、これからもふるわせ続けている。

  • 非常に分かりやすく、また原田先生の優しい雰囲気が伝わってきました。入門書として本書を読むのは最適なんじゃなかろうかと思います。
    読みながら過去に、印象・日の出に対峙した時や睡蓮に囲まれた時の感動を思い出しました。
    やはりモネは好きです。
    ジヴェルニーの食卓はやく読まなくちゃ。

  • さいきん立て続けに美術館でモネさん見たから読んでみた。マハさんはやはり元キュレーターだけあって面白いなぁ。ジヴェルニーの食卓を再読しなくちゃ。

  • 著者がいかにモネを愛しているか!その情熱を感じる本だ。「モネは彼の印象に基づき、大きな風景から部分を切り抜いている。清々しい海や空が絵の外にも広がっていることを感じさせ、私たちはこの風景の前に立っている気持になる」「モネは瞬間を表現したかったのではないか。風景は一瞬一瞬変わっていく。その瞬間を伝えるために素早く筆を動かしている」「モチーフで一番大切なのは、空の一部分が映り込むことにより、刻一刻とその外観を変える鏡のような水面。過ぎ行く雲、吹き抜けるそよ風、空中に浮かんで水面に落ちる種、強く吹きつけ急にやむ風、朧になりその後再び輝きだす光…その全てが色彩を変化させ、水面をかき乱す」 何と的確にモネの世界を表現しているのだろうか。
    ルソー、ゴッホ、彫刻のロダンの表現も的確で愛していることが伝わる。最後にモネの絵を見ることができる美術館の紹介が嬉しい。パリのオランジュリー、オルセー、マルモッタン・モネの各美術館、そして日本各地に多い理由が述べられている。日本人の先人たちの先見の明に感謝する。

  • 画家モネの時代、印象派について、とても読みやすく書かれている。
    しかし、後半は著者の小説について、それを書いた経緯など、少し脱線気味の感があった。
    なんとなく中途半端な内容だなと思っていたら、本書は美術館でのイベントとして行われた講演をまとめたものであった。
    書きおろしが絶対とは言わないが、このようなタイプの本は書籍にするには若干無理があるように思う。

  • 印象派のモネの企画展に行って睡蓮の連作に包まれて、なんだかわからないけど、光や水や空といった風景の一瞬が織りなす姿に魅了された。

    鮮やかな色彩とともに日常の景色のいまこの瞬間とでもいえる姿を巧みに描いて、親しみとともに現在モネの作品は楽しまれている。

    そんなモネがどんな時代を生きて、誰と過ごして、何に影響されたのかが、わかりやすく原田マハさんの視点で解説されているのが著書だ。

    きっとモネはこんな気持ちだったんだろうなという原田マハさんの想いも交えながら想像力を掻き立ててくれるような内容に仕上がっている。

    終盤に差しかけてモネのあしあとを追う形のページがあるが、ここを読んでいると、オランジュリー美術館、マルモッタン・モネ美術館、ジヴェルニーといったモネと出会える場所に無性に足を運びたくなってきた。

    死ぬまでに絶対一度は行ってみたいと思ったし、日本にも多く残っているモネの作品に出向いてみたいと感じた。

    加えて、ルソーの独特な感性(?)にも興味を持った。

  • ‪アート小説の旗手として地位を確立した著者による印象派絵画からモネの活動と作品を辿り解説する。元アートコンサルタント、キュレーターというキャリアを持つ著者ならではの丁寧な作品鑑賞術。‬

  • 原田マハさんのモネ愛を物凄く感じる一冊だった。モネの絵に対する思い風景であっても同じ時はない。生きてる風景画を描いていたのだなぁーと知り、いつまでも見ていたい思いにさせられてるのだと思う。アカデミーと印象派の違いも具体的に知って良かった。

  • 著者の芸術に対する熱意が伝わってくる。
    新しい知見はあまり得られないが、小説家として愛すべき人であることは十二分に分かった。

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プロフィール

原田 マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。
馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。
2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞となり話題になった。

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