シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感 (幻冬舎新書)

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  • 幻冬舎 (2018年1月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784344984813

感想・レビュー・書評

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  • コロナ禍前の本、それがどうと言うことはないが、もしこの本がコロナ禍以降に書かれていたら間違いなくコロナ禍のことも綴られていただろうと思ったまで。

    オキシトシン、最後通牒ゲーム、これらは興味深い。
    読みやすい。

  • 「あなたのためを思って・あなたのためだから」とか
    ある種の愛や思いやりの押し付けで、人を蹴落としたりする人間の愚かさ。
    今のSNSを眺めていて正直8割くらい不快に思うのは
    自分とは全く関係のないゴシップや騒動で
    赤の他人に意見を言ったり、罵詈雑言やを蹴落としている文字列を
    普段から眺めてしまっているからでは?とちょっと怖くなる。
    人と戦うこと、勝つこと、負けない事とかって人間の本能でもあるだろうし
    他人を引きずり下ろすことを快感とするのは
    これはもう遥か昔からのDNAの一部だと思って生きるしかないのかもしれない。

  • 妬み いやらしい感情だけれども
    人間誰しもあるものなのね、多数派なのね、と
    安心したりして。
    そしてまた、実は、愛情深いんだ、なんて。
    多数派、集団、社会的
    キーワードがつながる
    そして、このシャーデンフロイデは、人間が生きていくために必要だ、と。
    オキシトシンってこんなに人間をかえてしまうものなのか…
    などなど
    人間って、脳って、フクザツ

  • ヒトは大義名分さえ与えられれば、いとも簡単に暴走する。

  • この本を読もうと思ったのは、心理学に興味があるからです。中でもマイナス感情の仕組みを知っていれば、客観的に捉える事が出来るのではないかと。とは言え、当事者になれば感情的にはなってしまうと思います。だって、人間だもの。
    読了してからというもの、様々な場面で「ああ、自分の中ではこう言う仕組みが働いているんだな」とマイナス感情が湧いてきそうな時に思い返しています。

  • 童話・桃太郎。
    川で洗濯していたおばあさんが、大きな桃を拾ったところで、批判の嵐に晒される。

    「窃盗だろw」
    「懲役何年?」
    「ていうか、川で洗濯するなよ」
    「謝罪会見マダー?」

    びっくりしたおばあさんは、どうしていいかわからずに泣き出してしまう。

    ACジャパンのCMでのパロディだが、全く笑えない。

    それどころか、「言論圧殺だ。適切な批判を封殺しかねない」との意見まで寄せられたという。

    批判も反対意見も許さない無限ループ。

    そこには、「正しいことを言っている」という「正義感」に酔うことが、脳にとっての快楽だそうなのだ。

    その正義感が人間の所属するコミュニティを守る倫理感となってきたのだと。


    本書のタイトル「シャーデンフロイデ」とはドイツ語で「損害(もしくは毒)の喜び」と言う意味。

    まさに「他人を引きずり下ろす快感」とのこと。

    自分には関係ない、と思いたいがそんなことはない。

    著者は、それが人間の脳に備わる本質なのだ、と緻密なデータや実験結果を持って実証していく。


    匿名の暴力的言論、指先一つで裁判官になれる正義が横行する現代には、人間の本質を知っていこうという姿勢。自分を大切にして相手も大切にするコミュニケーションが大事なのだと。

  • 〇〇警察とか公共の場で怒っている人とか幼稚で自分勝手な人だと思っていたけど、この本では協調性の高い人がそうなりがちで怒っている時にドーパミンが出ているとのこと。全ては愛情ホルモンのオキシトシンがなせる術。
    愛情深いってなんなんだ⁇ホルモンに振り回されるのって嫌だ、冷静で居たいなと思った本でした。

  • 著者の作品を読むのは、「サイコパス」、「不倫」についで3作目。
    人の心、感情や行動は、脳内の神経伝達物質に影響を受けているという。脳科学の分野では常識なのかもしれないが初めて触れるわたしにとっては非常に興味深い。
    脳内の「オキシトシン」という神経伝達物質が「幸せホルモン」や「愛と絆のホルモン」などと称されており、それらには「妬み」(自分より上位の何かを持つ他者に対してその差異を解消したいネガティブ感情)や「嫉妬」(自分がもっている何かを奪いにくる可能性ある人物を排除しようとするネガティブ感情)を増幅する作用もあるという。なるほどなんとなくわかる気がする。

    決め事の多い夫婦ほど離婚しやすいとの説や
    規範意識が高く決め事も多い組織は熾烈な争いが起きやすい
    という説は、今後の家庭生活や会社生活で参考にしよう。


  • 「シャーデンフロイデ」とは、他者が自分より優遇されることに対する妬みから、その他者に不幸や凋落が訪れることを切望したり、実際そうなった時に喜んだりする感情のことだ。

    そして、この「シャーデンフロイデ」には、本来人と人を繋げる役割を持つ「オキシトシン」が関わっているという。

    つまり、社会的に律された真面目な人ほど、その社会の枠外に出ようとする人物(自身を含めた普通の人々よりも優秀な人物)への懲罰感情が強くなるということのようだ。

    具体例や実験も豊富に取り上げられており、なかでも、いじめはダメだという規律を強固にし、一致団結や一丸を謳うクラスほど「危険だ」という。

    「攻撃が起こるもともとの素因は、対象の逸脱状態を解消しようとする力です。しかし、そのためには『逸脱者』に対してそれを指摘し、時には攻撃を加えることが求められます」

    そして、この社会的排除は脳内の「快楽」と、同じグループに所属する者を守るという「正しさ」や「承認欲求」を伴う。

    では、このしがらみからどう抜け出すかと言うと、本書ではあまり深く触れられていないのだが、他者の目を必要とすること、なのかなと思う。

    この本に入っている実験が、懲罰的な方向に加速度的に進んでいく時、その実験を中止しているのは実験の当事者ではない。
    企画者の家族や、それを遠くから見て冷静に判断している人が、当事者に中止を申し出るのだ。

    そういうパターンが幾つかあったので、なかなか自分ではコントロール出来ないものなのかなと思う。
    自分が抱えている攻撃的な気持ち、懲罰的な気持ちを相談するだけでも、それは代替的な承認となって落ち着けるかもしれない。かなり推測だが。

    自分の中にある他者と比較した個人的感情と思っていた所から、社会の中にいる自分としての目も与えられて、参考になった。

  • 愛や正義などという大義名分があれば、
    その時に集団であればある程
    他人を傷つけることに抵抗がなくなる。

    それって本当に怖い事だ。
    世のため人のため、悪いやつをやっつけるとか。
    よく考えてから行動しなきゃなと思った。

    最後通牒ゲーム(他の本で読んだ事ある)や、
    スタンフォード監獄実験、ミルグラムの実験、恐ろしい、戦争孤児を使った実験など
    興味深く読んだ。

  • 中野信子の本が読みたくて。

    面白かった、けど、企画本な匂いを少し感じた。
    まあ本なんて多かれ少なかれ企画本なんだろうけど、
    そういう匂いを感じさせない本というが世の中にはあるのだ。

    どんなところがそういう匂いかって言うと、
    タイトル。
    「シャーデンフロイデ(=他人を引きずり下ろす快感)」って言いたいだけなのでは?
    アイキャッチなタイトルであるのは確かなので。

    シャーデンフロイデに関して書いているのは最初だけで、
    本全体に流れるテーマは人が持つ倫理の危うさや正義の危険性ではないかと。
    あるいは、人間がいかに残虐になりえるか。

    そうは言っても中野信子の文章はとても読みやすく、
    中身もしっかりしていて、
    素直になるほどーと思うところが多い。
    タイトルありきの本の不自然さは感じられるものの、
    他はさすがといった感じ。

    まああれだ。
    ★は3なんだけど、
    昨今の自分の正義感に確信を持っているネット警察等の方々には読んでいただきたい。

    人間って脆い。

  • 独善とは善意の服を着てやってきて、嫉妬はいつも正義の服を着てやってくる。タモリ語録

  • 愛や正義そして嫉妬、感情的な理由が引き金となって他者を堕とす際の快感は何か。
    時事問題も例に取り入れ、一般向けにわかりやすく書かれている印象を受けました。
    大衆が愛や正義などの人間らしい感情からも他者を排除可能である点は、共感力の無いサイコパスとは違った異常性を秘めていると言えるでしょう。
    短時間で読了可能ですが、世間の見方を考えさせられる一冊。

  • [書評]のメルマガ 2017.2.20.発行 vol.648
    「おばちゃまの一人読書会~中高年の本棚~」/大友舞子
    妬みは本能なのか、社会的必要悪なのか
    http://back.shohyoumaga.net/

    幻冬舎のPR
    「シャーデンフロイデ」とは、他人を引きずり下ろしたときに生まれる快感のこと。成功者のちょっとした失敗をネット上で糾弾し、喜びに浸る。実はこの行動の根幹には、脳内物質「オキシトシン」が深く関わっている。オキシトシンは、母子間など、人と人との愛着を形成するために欠かせない脳内ホルモンだが、最新の研究では「妬み」感情も高めてしまうことがわかってきた。なぜ人間は一見、非生産的に思える「妬み」という感情を他人に覚え、その不幸を喜ぶのか。現代社会が抱える病理の象徴「シャーデンフロイデ」の正体を解き明かす。
    http://www.gentosha.co.jp/book/b11399.html

  • 相手に触れることでオキシトシンが分泌されて愛着が生まれるのは、経験的に納得!
    子宮頸部への刺激でオキシトシンが出て女性は相手への愛が増大するというので気をつけよう。

    正義を振りかざして、目立った人(不倫した政治家、自分らとは異なる宗教の人、反対の思想を持つ人など)を攻撃する行為は、集団を維持するという目的には適っているという。あらゆる感情に社会的な意味があると言うのは面白い。

    戦争は自分たちを守りたいという愛から発展する人間的な行為である!

  • 性格だと思っていたこの感情

    生存戦略として必要な一面もある
    ただ、その側面だけをみて暴走すると
    調和とはかけ離れていくと感じた

    これを踏まえた上でこの感情とどう付き合うか
    意識していきたい

    所々理解が難しい内容もあったが、事象を説明する時に様々な実験例が書かれておりそれは分かりやすかった

  • 岡田斗司夫ゼミで紹介されていた本です。

    シャーデンフロイデとは他人を引きずり下ろした時に生まれる快感のこと。

    現代のネット社会で、見つけた悪を徹底的に糾弾する正義警察の行動は、このシャーデンフロイデに根ざす部分がある。

    シャーデンフロイデを理解するカギとして、オキシトシンという幸せホルモンが大きく関わっている。

    オキシトシンはスキンシップや授乳などの身体接触や相手のことを考えることで分泌されるもので、人に安らぎ、癒やし、愛情、絆などをもたらす。

    しかし、このオキシトシンは共同体や身内を守ろう守ろうという意識につながり、仲間内の秩序を乱すような逸脱行為を厳しく糾弾するようになる。

    愛情と憎しみはコインの表裏なのだ。

    ちなみにシャーデンフロイデについては主に1〜2章で扱っており、残りは有名なスタンフォード監獄実験やあさま山荘事件といったインテリ•倫理的•正義感があると自身で考えていた人々が、いかに非道徳的な行為に走ってしまうのかなどを解説している。

    面白く読めました。

  • シャーデンフロイデとはドイツ語でシャーデン(損害、毒)
    フロイデ(喜び)という妬み感情をいう。
    この感情を強めるのが愛情ホルモンとして知られるオキシトシン。
    愛、正義が麻薬的に人の理性を麻痺させ、幸せな気持ちのまま異を唱える者を攻撃できるようにしてしまう状況を集団、同調圧力、いじめ、正義という名の狂気、日本社会の問題などに触れ説明している

    集団として正しい方向というより、
    集団の崩壊に繋がりかねない”不謹慎な人”を排除し、あくまで集団を維持する行動をとる。
    集団を構成する一人一人は”いい人”なのだが集団の中で付き合うと違和感を感じることがあり、それが言語化されていて納得できる部分が多かった。

    ヒトラーの手法と同じサードウェーブ実験では、細かい決まり事で縛ることで、共同体への所属意識、規則に従うことが心地よい状態に持っていくやり方が、日本の学校での成績向上、社会の高度経済成長を支えてきたと同時に職場、学校でのいじめ問題にも繋がっていると感じ、考えさせられた。


    興味深かったのは、以下の部分。

    東アジア自分で意思決定することが苦痛なタイプが多い
    米作と麦作では米作の方が共同作業が多いため、米作は集団の意志を、麦作は合理的判断を尊重する傾向にある。

    人は戦うことが好き
    争うことによって生き延びてきた
    ゲームコンテンツで多いのは戦闘もの

  • シャーデンフロイデは、「対話」と逆位置にあるものだと思い込んでいたが間違いだった。どちらもオキシトシンを媒介に起きる一直線上の事象というのは興味深い。
    愛や正義は塩梅が難しい…だからこそうまく行かないことも多いのだろう。愛=神、正義、英雄といったものがいかに生存戦略上有意であったか、これらが個の生存にも種の繁栄にも多大な影響を及ぼしてきたのだということは、とても重要な知見であるように思う。
    戦争と平和は対極ではなく、同一軸線上の出来事として捉えなければ、真の平和は見えてこない。

  • 嫉妬や妬みを感じる人の失敗に快感を覚えるような状態がオキシトシンと関連しているという内容の本です.

    本に出てくる科学的な内容の解釈に極端な部分があります.例えばDRP-2の多型が保守的かそうでないかという人の性格を決定するような記述がありますが,DRP-2の多型一つでそう言ったことが決まるわけではないと想像します.これがアメリカの二大政党制と絡めて書かれているので,こういったところは賛同しかねる部分です.

    しかし,日本社会の生きづらさの原因の考察であったり,日本が国際社会で存在感を示すための方向性であったり,そういった内容には納得されられるところがありました.

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著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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