日本が売られる (幻冬舎新書)

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  • 幻冬舎
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レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344985186

感想・レビュー・書評

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  • 刺激的なルポルタージュが刊行された。
    民営化の失敗から国営化公営化に舵を切っている諸外国を例に挙げ、日本の政策に一石を投じている。
    政府はその失敗例を教訓とはせず、世界の趨勢に逆行すらしていると、警告する。

    日本の貴重な資産=水、土地、タネ、農地、森等々。
    政府はそれらに関連する重要法案を、国民の関心が逸れている間に成立させているそうだ。
    「水道民営化法案」は、オウム真理教の死刑報道の最中に。
    森友問題の報道に隠れた「主要農作物種子法」の採決。
    「森林経営管理法」という日本の資産を売る法改正も、国民の知らないうちに。
    森林も農地も、安全保障問題上の水と食料が絡む、日本にとっての貴重な資産だと、著者は言う。
    それらの重要法案がいつの間にか成立していることに、背筋の凍る思いがする。
    また、予算の度に問題となっている「医療費40兆円」の最大の原因は高齢化ではなく、アメリカから法外な値で売りつけられた医療機器や新薬が、日本の税金で支払われているからだと、喝破する。

    今、国会で審議されている外国人労働問題についても論じている。彼らは使い捨ての商品ではなく、我々と同じ人間であり、100年単位で受け止めなければならない存在だ、と。

  •  ふだん、社会にほとんど何の関心もなく、何があっても他人事みたいな気分でいて、自分でもよくないと思っている。しかし、本当になんとも思えない。「今だけ金だけ自分だけ」と言われたら全くその通りだ。いましろたかしさんが漫画で安倍政権を売国内閣と強く批判しているのがどうにもピンとこなかったのだが、この本を読むと非常に理解できた。特に竹中平蔵がやばいやつだ。

     文章のテンポがよくて難しくなくて面白い。先行きが不安になることばかりが書かれていて暗澹たる気持ちになるのだが、最後に希望が輝かしく描かれていて安心した。

     たいていちょっと古い本を読んでいるので、リアルタイムなことにハラハラし、そこに価値があるし、本は新しいのもなるべく読むべきであると痛感した。

     ずいぶん前に村上龍が『愛と幻想とファシズム』か何かで未来は多国籍企業が世界を支配し、恐ろしい社会になるみたいな事を訴えていた記憶がある。当時はどういうことか全くピンと来なかったけど、まさしく今この感じがそうなのかな。

     それにしてもこんな内容の社会を牛耳っている連中に耳が痛い内容を本にして、堤さんは暗殺されないか心配だ。

  • これから僕たちはどうすればよいのか?
    自分で選んでモノを買い。信じられる政治家を探し、軽薄なマスコミを無視しないといけない。

  • 鈴木宣弘氏の「食の戦争」や、中野剛志氏の「tpp亡国論」「日本の没落」で、以前から警鐘を鳴らしていたことが現実になりつつある。

    政治家や行政は何をやっているのか、という感情になってしまわれるかもしれないが、福沢諭吉が述べているように、今の国民があるから今の政府となっているだと思う。何気なく暮らしている日本の状況は、客観的(他国と比較)にみると非常に恵まれており、それを維持するためには、国民一人一人の弛まぬ努力が必要なのだと感じた。

    また、著者がいうように、<自分の頭で考える>ことが大事だと思う。ただし、正しい思考を得るためには、古典(歴史)から学ぶことが大切だと思う。

    著書の中で、「庶民が大統領を選ぶ」、「世界初!直接民主制担当大臣誕生」が肯定的に書かれていたが、これに関しては少し危険だと思う。
    例えば、トクヴィルによれば、直接民意を反映してしまう直接民主制は危険であり、階層的に様々な派閥や組織が存在し、議論を重ねて意思決定することが重要であると述べている。なぜなら、庶民は流されやすいためである。もちろん、自分も含めてである。
    著書では「組合の重要性」について述べられていたが、トクヴィルのいう派閥や階層や組織のことであると理解した。


    福沢諭吉
    <「愚民の上に苛き政府あり」とはこのことなり。こは政府の苛きにあらず、愚民のみずから招く災なり。愚民の上に苛き政府あれば、良民の上には良き政府あるの理なり。ゆえに今わが日本国においてもこの人民ありてこの政治あるなり。>

  • たとえば

    ・水が売られる
    ・土が売られる
    ・タネが売られる
    ・ミツバチの命が売られる
    ・食の選択肢が売られる
    ・牛乳が売られる
    ・農地が売られる
    ・森が売られる
    ・築地が売られる

    第1章「日本人の資産が売られる」のどれか一節を読むだけで戦慄が走る

    そして

    ・労働者が売られる
    ・日本人の仕事が売られる
    ・ブラック企業対策が売られる
    ・ギャンブルが売られる
    ・学校が売られる
    ・医療が売られる
    ・老後が売られる
    ・個人情報が売られる

    第2章「日本人の未来が売られる」に記された衝撃の事実に愕然とする

    民間商品だけでなく公共財産という貴重な日本の資産を食い尽くそうと触手を伸ばす多国籍企業群と、“規制緩和”の名のもとにそれを後押しする政府

    大きなニュースに隠れて着々と進行する《今だけカネだけ自分だけ》の社会に気鋭の国際ジャーナリストが警鐘を鳴らす

    第3章に示される反撃の戦略には一筋の光が見えてはいるが...

    この本を幻冬舎が出したことが興味深い

  • 普段、テレビも見ない新聞も読まない、で世の中の事をあんまりにも知らない。恥ずかしくて少し勉強。具体的な政策や問題の依拠を列挙しているので、理解しやすかった。挙げられる法案名を悉く知らないので調べつつ。

    かかる民主党政権時に起こった東日本大震災、その当日に、現在現政権下で着々と進められつつある水道民営化法案、その伏線としての第一歩となるPFI法改正案ていうのを閣議決定されていた事をまったく知らなくてびっくりしてしまった!

    特定の政党批判とかではなく、具体的な政策や方策をもっと積極的に国民全員が関わっていく事が大事だ、と筆者は言っていて、そのはじめのきっかけが本書となればいい、そこから先はもっと各人で掘り下げて様々な情報にアクセス、政治家へもどんどんみんな突っ込みを入れて行くのがいいと言っている。

    理想的にはそうなんだけど、この本はおもしろく読んだものの、読後、何も行動の変化しない私がいる。sns上で情報をシェアしたり、様々な情報ソースに自発的にアクセスしたり、そして検証したり、政治家に物申したり、社会運動に関わったり、そういう事が大半の人が出来ている。というような日が来ない限り、真の民主国家になる日は訪れないのだろうか。
    自身の行動力の無さも相俟って、暗い気持ち。

  • 日本の食の安全がピンチ。
    今だけカネだけ自分だけ。

  • 東2法経図・6F開架 B1/11/517/K

  • 18/10/23。

  • 何のためのグローバリズムなのか...何を目指しているんだろう...

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著者プロフィール

堤未果(つつみ・みか) ジャーナリスト。東京生まれ。ニューヨーク一市立大学大学院で修士号取得。米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇。以後、ジャーナリストとして執筆・講演活動を精力的に続けている。主な著書に『ルポ・貧困大国アメリカ1・2』『株式会社 貧困大国アメリカ』(以上、岩波新書)、『沈みゆく大国アメリカ』『沈みゆく大国アメリカ 逃げ切れ!日本の医療』(共に、集英社新書)、『アメリカから自由が消える』(扶桑社新書)、『政府は必ず嘘をつく 増補版』(角川新書)などがある。

「2016年 『政府はもう嘘をつけない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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