中高年ひきこもり (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
3.76
  • (8)
  • (7)
  • (13)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 136
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344985810

作品紹介・あらすじ

内閣府の調査では、40~64歳のひきこもり状態にある人は推計61万人と、15~39歳の54万人を大きく上回る。中高年ひきこもりで最も深刻なのは、80代の親が50代の子どもの面倒を見なければならないという「8050問題」だ。家族の孤立、孤独死・生活保護受給者の大量発生――中高年ひきこもりは、いまや日本の重大な社会問題だ。だが、世間では誤解と偏見がまだ根強く、そのことが事態をさらに悪化させている。「ひきこもり」とはそもそも何か。何が正しい支援なのか。第一人者による決定版解説書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この前に『ケーキの切れない非行少年たち』を読んで
    「非行少年、まわりにいないし…」と思いました。

    しかしひきこもりは、まわりに結構います。
    たくさん。
    ただ、自分のそばにいて、悩んでいる状態ではありません。
    もし現実にそういうことがあったら、
    再読したい本です。

    ひきこもって、暴力までふるってくる人がいる。
    そしてその対策は、ガラス細工を扱うよう。
    「まず予防じゃないか?」と思いました。
    でも斎藤環さんはこういうのです。

    〈再び根拠なく断言しますが、もしひきこもることが100%容認される社会が実現したら、長期間ひきこもってしまう人は激減するでしょう。
    予防という発想を捨てることが、最大の予防策になる。
    30年余りの実践を通じて、私はいま、そのように確信しています。〉

  • 自殺既遂きすい 彼等の自己愛は「プライドは高いが自信がない」という歪さを持っています。この時彼等のプライドは、理想とはかけ離れてしまった自分自身を批判することによって、辛うじて担保されます。このような、自己批判の形を取った自己愛を、私は「自傷的自己愛」と呼んでいます。 「仲の良いお友達のお子さんを預かっているような感じ」で我が子に接しているそうです。理想的な距離感を上手く言い表した言葉だと感心しました。 「欲望は他者の欲望」 「割れ窓」理論 抑圧も受容もしない「拒否」という選択肢があるのです かこん禍根 かなり先駆的な内容だったと言えるでしょう スティグマ(烙印) その概念を換骨奪胎し 時として凡百の治療を凌駕する成果を齎し得るということ 一つの新しい潮流が生まれつつあります 恰もオマケや副産物のようにして ダイアローグ(対話) モノローグ(独白) 動かし難い結論が先にあることから生じる無力感が原因だった 紋切り型のフェイクニュース 「社会の成熟度と個人の成熟度は反比例する」 謂わば「若者の高齢化」という語義矛盾のようなことが起きているわけです ネオテニー(幼形成熟)的な人物が人気を博す社会 せんえん遷延化 未成熟化の帰結としての非社会性 生産性の有無で人の価値を判断するという発想は 社会は常に「無為で怠惰(に見える)二割」を必要としている 白眼視 8050問題 緻密な校閲で迅速な仕上げ

  • ・機会あるごとにアプローチを試み、御用聞きのようにニーズの有無を尋ね、断られれば次の機会をうかがう。「マイルドなおせっかい」という支援のあり方。

    ・ひきこもり支援は、さまざまな点で依存症の支援と似ている。

    ・未成熟化、非社会化

    ・就労はもはやかつてのような義務では無い。就労したいと望むのは基本的に「承認欲求」のため。他者から尊敬されたいという欲望、いまある承認を失いたく無いという不安。

    ・家族から受容されることで社会参加の意欲が生まれる。

  • ひきこもる時もあるくらいの気持ちも許容される集団の方が健全なんだなと改めて実感。

  • 「語り起こし」というだけあって読みやすい文章でしたね。本人が書いているわけではなく、喋っている言葉をライターさんが編集して?本にしているわけだから…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、川崎の事件でまた注目されつつある「ひきこもり」という現象ですが…中高年のひきこもりは大量に居るそうですよ! なんかテレビでもひきこもり特集とか言って、元ひきこもりの人にインタビューとかしているのを観たことがあるような…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    あとがきでの著者の言葉が一番良かったですね! ひきこもりを予防する、まずはそういった考え方から脱却するべきだと…時と場合によっては引きこもってもいいんだよ、そういう社会の方が著者は引きこもりは激減する、とおっしゃっていましたな。確かにそうかもしれません! 引きこもりを異常者扱いするからこそ、ますます当人は委縮して社会に出てこれなくなるみたいな…そういった悪しきサイクルにハマる側面はあるかもしれないですね!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    というわけで…社会が成熟化したからこそ、モラトリアムの期間が長くなって引きこもりが増える…そんな著者の分析には頷ける僕なのでした…。

    実際に社会に出ている人だって「本当に大人か?」と言えるような人物いらっしゃいますからね。だから、引きこもりの方もそうビビらなくてもいいかと…思いますよね。そんな人でさえ働いているんだ、という感じで軽く流しておけばいいかと存じます。

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 東2法経図・6F開架:B1/11/579/K

  • 安心して引きこもれる環境を作ると、人は「そろそろ外に出ようかな」という気になる、ということでしょうか。確かに余裕がないと現状維持を望みがち。しかし、語り起こしで作ったんですね、この本。

  • 「ひきこり」問題をクローズアップした著者の新刊。最初の著書の20年ぶりの新装版らしいが、最初の著書と社会の状況も筆者の立ち位置も変わり、20年前、いや10年前でも、には想像すらしない状況になった。以前は「ひきこもり」は若者の問題であったが、今は8050問題にも指摘されているように中高年の問題であり、また、それは若い時から続いているだけでなく、一旦社会に出てから引きこもっている例も増えている状況が明らかになった。著者はラカンへの言及など少しわかりにくい部分もあったが、ODへの関りなど対話を重視する流れとなり、本書も一般向けとはいえ、誰でもわかりやすい内容となり、著者の内容も一般向けになった印象。具体的な対処法も記載され実践的な好著である。この分野に関わる入門書としても使えると思われた。

  • 同じ著者の「社会的ひきこもり」を読んでいた。その後、8050問題などと騒がれているので、ひきこもりの高年齢化についても知っておきたかった。果たして現状は何となくわかった。問題点も浮かび上がってきた。さて、親の対処の仕方である。そこが最も興味がある。何しろ、我が家でも同じ状況が起こらないでもないからである。長男は中学で不登校気味に。内部進学ができず、他の高校を受験。入学して1ヶ月も経たずに家出。そして退学。通信制の高校へ編入。一浪して、現在は私立大理系1人暮らし。まあ、1人暮らしをしているので、もう我が家にもどってのひきこもりはないかも知れない。下の娘は順調に地元公立大へ。さてさて、バイトを始めて1ヶ月もしないうちにもう辞めると言い出している。どうなることやら。さあ、この親の対処の仕方だが、私には到底できそうにない。家庭内暴力はこれで必ず収まると言われても、実際にそういう場面に置かれたとき、あわてふためいて、そんな、「暴力は嫌だからしばらく家から離れる」とか「警察に連絡する」とかできる自信がない。社会問題としてとらえたとき、まあ、2割くらい働かない人がいてもいいのかなあ、と考えることはできそうだ。18歳で選挙権を持たせたわりに、若者というのが40歳くらいまで引き上げられているようだ。まあそれもそうだろう。私も50歳を過ぎて、両親の死に直面したことで、やっと大人になれたのかなあ、と最近思っているところだから。ふだんは手を出さない版元だけれど、本書は別格なので購入した。そうか、近いところでは、井上章一さんの本も買ったなあ。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

斎藤 環(さいとう たまき)
1961年,岩手県生まれ。1990年,筑波大学医学専門学群環境生態学卒業。医学博士。爽風会佐々木病院精神科診療部長(1987年より勤務)を経て,2013年より筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。また,青少年健康センターで「実践的ひきこもり講座」ならびに「ひきこもり家族会」を主宰。専門は思春期・青年期の精神病理,精神療法,および病跡学。

「2020年 『現代社会とメンタルヘルス 包摂と排除』 で使われていた紹介文から引用しています。」

斎藤環の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

中高年ひきこもり (幻冬舎新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×