- 本 ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344986947
作品紹介・あらすじ
昨今のAIの進化は凄まじく、多くの中高年が「自分の仕事の賞味期限はいつまでか」と戦々恐々としているだろう。世間では「リスキリング」がもてはやされているが、簡単に身につくスキルを学んだところで、一瞬でAIに追い抜かれてしまう。人生100年時代といわれる昨今、AIを超える働き方をするにはどうすればいいのか。著者は「AIが持ち得ない、人間独自のもの」に注力すればいいのだと力説する。現状維持の働き方を続ける人は、仕事どころか、居場所もなくなる!
感想・レビュー・書評
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「仕事がなくなる!」というタイトル、その原因がAIであるかのような匂わせ方だが、中身は著者の経験則に基づく仕事論であり、残念ながらAIを踏まえたインサイトが語られるわけではない。「稼ぐ事は正義」という価値観を説教くさく並べた感じだ。
悪趣味だが、折角なのでChatGPTに「仕事がなくなる」というタイトルを昭和の経営者が執筆したらどうなるか、仕事論をベースに書いて、と頼むと、本書と似たようなプロットが出てきた。仕事がなくなるというテキストの価値が、まさにAIに奪われようとした瞬間だ。
考えると。AI時代が到来すれば、当たり前に「やりがい搾取」の背中を押してきた自己啓発本の類は、新しい働き方に合わなくなるのだろう。やりがいや労力の搾取から、AIとの分業における「人間らしさの搾取」に変わるだけ、という気もするが。資本主義において必要とされる人間らしさは、相手が人間であるという証明だけでも良いのかも知れない。オンラインゲームの相手が同じ動きでも、ボットではなく人間である事が重要であるように。やがてその人間性の錯視も刷り込み、我々は、生産的な世界を人間同士でコミニュケーションしているように勘違いし、順応し、自然と受け入れ始める。そこは、まるで現世みたいだ。
新人がコピーを準備して、議事録を取って、という仕事は、最早時代遅れになりつつある。道案内の立札、炎天下に株主総会の看板を人間が持っているのを見て、仕事は別になくなっても良いような気もしつつ、ふてほど老人をディスりつつ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
AIに負けない、人間独自のものを持つために、いかに働くべきかを語った本。
タイパ・コスパばかりを重視すると、いずれAIに負けてしまいます。回り道になっても、問題意識を持ち、努力を続けられることが人間の強み。 -
今の時代、AIに関する記述が多く著書とされているものがある中で今回はこの著書を選んだのには意味がある。
それは仕事がなくなることを危機感を持って毎日を過ごしている人間はどれほどいるのだろうかと疑問に思った。
確かに頭の中ではAIという存在が自分たちの将来に危機感を与えていると言うことを認識してはいるものの、具体性として、自分の将来に対して危機感を持っている人間は少ないのではないだろうかと私は思った。
考え方ややり方を変えていかないと、気づいたときには職を失い、路頭に迷う。そんな人間がこの先将来、増えていくのではないだろうかと懸念した。
著書の中では、努力といった言葉がたくさん出てきていたが、やはり何をするにも人間は生きている限り死ぬまで努力なんだと改めて認識した。
努力する事は嫌いではないが、間違った努力をしないように、正しい努力を選びとる力を読書の中で養っていきたいと改めて感じた。
損得勘定で考えるのではなく、自分にとって必要かどうか、社会にとって有益か否か、面白いか、つまらないかと言う選択の軸を今まで以上に自分の中で深く反芻していきたいと思った。 -
久しぶりに丹羽さんの新書を読了しました。とても為になりました
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ネット記事での紹介から手に取った本。どんな文脈での紹介だったかは忘れた。
前半はAIにできなあえことは何か、著者の自説が述べられる。
仕事する人の想いや感情、コスパタイパで見えないものなど。
経験豊富なだけあって、好ましい状態から転げ落ちちゃう人を経験的によく見てきている。例えば陰謀論にはまる人、自己評価が高い人。
後半は手垢のついたような人生訓。講演などで耳から入ると聞くのがつらいかも。謙虚な文調なので受け入れやすい。いっそ、具体的なエピソードと一緒に語ってもらった方が頭に染み入りそうだけど、本人いはく、過ぎたことはうまく忘れるそうなので難しいかも。
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これからのAI社会に対し、メリットデメリットや苦言や提言など経営者目線からの言葉を期待したが‥
下記なるほどと思った点
・損得勘定で仕事をすると人生が貧相になる。
・大量生産から多種少量生産へ
・大企業は中小企業化する。
・メンバーシップ型の働き方からジョブ型へ
・専門知識が無いと生き残れない。
・ここで身につけようとすることが生き残るヒント
・職人化(仕事に一手間かけること)が大事
・株主第一主義からステークホルダー第一主義へ
・我慢するのでは無く律する
後半にいくほど、社畜と呼ばれる昭和や平成の大企業で成功した人の蘊蓄になっており、本の趣旨とのズレを感じた。 -
これからのAI時代を迎えるにあたっての本であるが、大切なことはAIどうこうの話ではなく、今をどう生きるか、今をどれだけ大事にできるかが重要なのだと思った。
普段の業務が忙しいから難しい業務に手をつけられないのは、手をつけたくないという思いが根底にあってそう思ってるのではないか。
愚痴を言う前に全力で目の前のことに向き合えているか。
そんなようなことを考えさせられる本でした。
仕事のモチベーションになりました。 -
東2法経図・6F開架:B1/11/692/K
著者プロフィール
丹羽宇一郎の作品





