日本語が消滅する (幻冬舎新書)

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  • 幻冬舎 (2023年6月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784344986961

作品紹介・あらすじ

「日本語が消滅するはずがない」と思う人も多いだろう。しかし世界のあちこちで民族固有の言語が消滅しているように、油断をすると日本語も消滅する――日本語研究の第一人者である著者はそう警鐘を鳴らす。各地で言語が消滅するのはどんな時か、日本語はどんな時に最も消滅しやすいのか、どうすればそれを防げるのか。それらの問題に明快な解答を与えつつ、オノマトペ(擬音語・擬態語)が豊富で、繊細な意味合いまで出せる日本語の面白さ・底力を楽しく解説。読み進むにつれて、日本語に自信と誇りを持ち、次世代にしっかりと日本語を伝える気持ちがみなぎってくる!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

言語の消滅というテーマを通じて、日本語の重要性とその特性を再認識させる内容が展開されます。著者は、世界各地で進行中の言語消滅の現状を踏まえ、日本語が直面する危機について警鐘を鳴らします。特に、教育制度...

感想・レビュー・書評

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  • 季刊『日本語学』(明治書院)2021年秋から二年がかり8回の連載をたたき台に加筆修正したもの。「日本語が亡びるとき」の水村美苗さん推薦ということで、とりあえず読んでおくべきではないかと考えて入手。
    小学校での英語教育導入はいずれ英語モノリンガルの国にになる第一歩になりうるという危機感を出発点に、消滅への道を辿らないためにどうしたらいいのか語るとともに日本語の特性やおもしろさを解説している。

  • 山口仲美先生は、テレビで拝見したこともあるけれど、とてもキュートな国語を愛する先生。
    日本語の擬音語について、誰よりも詳しいのではないか?他の著作で「犬はびよびよと鳴いていた」ーだっけなーとても面白かった

    日本では2020から小3からの英語教育が始まる。先生は、未来を背負う子どもたちが、自国語をマスターしないうちに英語教育を始めることは将来的にその国固有の言語の衰退を招く。小学校への英語導入という決断は、最初のうちは母国語である日本語とのバイリンガルを生み出しますが、やがてやがて世界共通語の英語のみを話すモノリンガルになっていくということがわかっています!!
    話し言葉は、10万年前から。文字はわずか5500年前から。人間は基本的に話し言葉があれば生活できる。

    文字を生み出す状況とは?
    ①集団が大きく複雑になっていく時。統率者の意向を全員に正確に伝えるには文字が必要。
    ②後世に伝える必要が生じた時

    弥生時代は、農耕民族が平和に暮らしていたというイメージは間違い。集落間の戦争が始終起こっていた。
    母語と母国語は違うー国籍がある国の言葉=母国語
    大坂なおみは、母語は英語、母国語は日本語
    一国一言語の国は、韓国、北朝鮮、モナコ、バチカン、日本ぐらいしかない、極めて恵まれた状態。
    母語は、7万時間以上費やして自然に習得した原稿
    日本で英語を学ぶ時間は、小6まで210時間、大学卒業まで、トータル1100時間。
    主語+目的語+述語言語は、世界の44%
    最後まで耳を傾けさせる
    主語+述語+目的語言語は、39%
    日本は相対敬語
    敬語を作って相手の距離を思いのままに取る
    夫婦喧嘩で、平素はタメ口だった妻が「お好きになさったら」と尊敬語を使って心理的距離感を取り、夫を突き放して無視する
    西暦1000年頃に、源氏物語のような心理描写に優れた長編恋愛小説を生み出した国は日本だけ
    トップクラスの語彙量 1000語覚えると、どのくらい理解できるかー60.5%
    英語は80.5.スペイン語81.5.フランス語83.5
    1万語知っていても、90%しか書けない。
    英語、フランス語、スペイン語は5000語で90%以上書ける。
    心理を表す語が多い。しかも奈良時代から不快な感情が!

    「日本語が亡びるとき」水村美苗 内容は忘れちゃったけど、日本語は大切にして使っていかなくてはと思う。
    モノリンガルの前に、ダブルリミテッドの問題もある。
    やっぱり、母語の習得を確実に果たした後で、他国語を身につけるべきだ!


  • ・山口仲美「日本語が消滅する」(幻冬舎新書)を読んだ。 私は金田一春彦のやうに日本語は消滅しない(275頁)と信じることができるわけでもな く、「あ〜あ、日本語はもうお終いかもしれない。そんなに遠 くはない将来を思って、私は愕然としました。」(15頁)といふほど悲観的にもなれない。 分からないのである。私の目で 現状を見る限り、日本語の消滅といふ事態には程遠いと思はれ る。30年以上前の金田一の言を信じても良ささうに思はれる。ところが、本書を読み終は つてみると本当にさう言へるのかとも思ふ。「未来を背負う子供たちが、自国語を十分にマスターしないうちに、英語教育を始めることは、将来的にその国固有の言語の衰退を招きま す。」(14頁)とある。筆者には、現代日本の言語教育の現状がかう見えてゐるらしい。のみならず、さういふ外国語教育がその国固有の言語を滅ぼした実例がいくつも見えてゐるのである。本書は「日本語学」連載の単行本化である。かなりの加筆修正がある。個人的には大幅な加筆がなされてゐるのではと思ふのだが、それゆゑに極めて分かり易い。私も、もしかしたら日本語は危ないかもしれないと思ふやうになつた。
    ・「言語消滅の原因をまとめてみると」(103頁)、その原因は5つある。話者全滅、同化政策、自発的乗り換へ、征服被征服、役割終了、簡単に書けば かういふことで、例へば同化政策はいくつかの地域で現在進行中である。中国のウィグル、内モンゴル、そしてチベット、その他にもある。現在問題になつ てよくきこえてくるのはこれくらゐであらう。ロシアではウクライナの子供を拉致してロシア 人にする、つまりウクライナ語を忘れさせることが行はれてゐる。これは征服被征服でもあ る。このやうに強制的に言語を変へさせられることの一方、自発的に言語を変へることは現在でも行はれてをり、それは「アイルランドの人々が自らの意志でアイルランド語を捨てて英語にのりかえている」こと (276頁)などがある。これらを踏まへて「母語の力を意識する」(143頁)ことになる。筆者の考へはこれに尽きる。母語とは何か、「ひらたく言えば、幼児期に母親などの身近な人々から自然に習い覚え、自分の中に深く入り込んでいる言語」(144〜145頁)、 それが母語である。日本人だからといつて母語が日本語とは限らない。しかし、母語には固有の世界観や文化を作つたり、アイデンティティを形成したりする力がある(169頁)ゆゑに「母語は、単なる伝達の道具ではな」く「民族の血である」(同前)とも言へる。そこで結論、「日本語を大切にしよう。 日本語は自分を支えている言語なのだという意識をしっかり持とう。そのうえで、世界共通語を効率的に学んでいこう」(276〜277頁)。「日本人が日本語を守らなければ、日本語は消滅するのです!」(272頁)。これは考へるまでもなく当然のことである。母語の乗り換へが消滅の一因とし てある。征服されなくとも、自ら乗り換へれば言語は消える。 言語が消え、世界観や文化も消え、更にはアイデンティティも消える。中国やロシアのやらうとしてゐることが正にこれだと知りつつも、私にはこれまでどこか他人事であつた。本書から山口氏の危機感が伝はる。「中学校では英語の授業時間数が国語の時間数を超えてい」 (276頁)るといふ。やはり学校教育では国語が基本である。英語はせいぜいその次であ らう。かういふ考へが現在後退しつつあるのかどうか。ただ、私達はかういふ状況が分かつてゐない。たぶん文化省も分かつてゐない。これは日本語消滅への第一歩である。さうならないことを祈るのみ。

  • 日本語が消滅する?そんなわけがないじゃないかと思った人は少なくないだろう。私も書店で見かけた際にそう感じた。本書には、実際に消滅してしまった言語がどうして消滅したのかや、消滅の危機から保護しようという動きなどが図も交えながら書かれている。しかし、消滅してしまった言語の辿った経緯や日本の現状を照らし合わせると、危機は間近に迫っているのかもしれないと感じられ、母語・母国語である日本語を一層大切にせねばと思った。雑誌への連載を元にしているからか、同じ内容の記述が繰り返されているのが少々気になった。

  • 視点が面白い。歴史的な視点から考えると消滅する可能性はある。
    しかし、そうならないためにも英語を学んでおく必要があるのではないだろうか。英語を学べば、母国語の良さが分かる。それに、外国人に日本語を伝えるためにも、英語を知っておく必要があると思う。

  • 良い話だったけど、オーディブルだと図が見れなくてイマイチか。
    まぁ、見ようと思えば見れるんだけどね。
    日本語って素敵なのね。
    きれいな日本語を使いたい私としては、共感できる部分が結構あったかな。
    日本語を細らせないようにしたい。
    自分はそんな気持ちを持って正しい日本語を使っていこうと思う。

  • 文字を持つ文化は簡単には消えないとのこと。国語の時間が失われつつある現在、早期教育で英語を取り入れるのはいかがなものか。劣等感を生むだけではないかと思う。大人になってから必要とする人が英語を学んだって全く遅くないわけで、日本人として自国の文化を守るためにも、日本語を学ぶ意義を見つめ直した方がいいのではと最近の潮流をみて思う。

  • 生物のみならず、言語も多様性が失われつつあるのか。日本語の特徴が面白かった。何語で思考するかでキャラも変わりそう。母語は思考する土台になる。言葉は武器にもなりうるので気をつけて使うべし。

  • 日本語が消滅するかもしれないという仮説を、すでに滅んだ言語、あるいは現在滅びつつある言語の例から考察している。
    統計と実例、歴史的事実をしっかり踏まえて、極めて論理的に論旨を展開している。そのため、大変読みやすく、また興味深い内容で、短時間で読了できた。

    以下、印象的だった言葉。

    ・その言語を用いる人々が国際言語を採り入れ始めると同時に、その言語は消えていく。

    ・話し言葉は、瞬時に消える。

    ・文字を生み出す状況とは、第一に集団が大きくなり、複雑化してきた時。第二に、後世に伝える必要が生じた時。

    ・同化政策は、子供の頃に教育の場で、自分たちの言語は劣っていると思い込ませ、その言語を話すのをやめさせ、強国の言語のみを使うように仕向けることによって推し進められていく。だから、同化政策を受けた子どもたちは、自分たちを否定されたような心の傷を負っている。

    ・2120年には、日本の人口は5000万人以下にまで減少する。空いた土地に他民族が大量に移住してきたら…

    ・同化政策は、施してはいけない。
    言語は、その民族を支える精神的支柱だから。

    ・世界共通語は、変わる。

    ・日本語は先人たちの苦心の賜物。

    ・母語は、単なるコミュニケーションの道具ではない。アイデンティティを形成し、当人に自信と誇りを与えてくれる大切なもの。

    ・日本のコミックが欧米や中国のそれに比して躍動感と迫真性を持つのは、日本語に豊かに存在するオノマトペのおかげ。



  •  総頁5316頁の著作集がある学者だからといって、新書ならテキトーに書いてもよいわけではない。
     この本には《日本での消滅危機言語は、アイヌ語だけと考えていい》とか書いてある。

    [追記]
    言語学者によるツッコミ。
    https://dlit.hatenadiary.com/entry/2023/10/08/074316

  • 扇情的な題に興味を惹かれて読み始めた。難を言えば日本が根強く持ちえている英語への込み入った劣等感についても書かれていればと思わなくもなかったが、それでも「日本語が消滅する」とどんな事態が起こりうるかが丁寧に、熱い筆致でつぶさに語られている。少なくともぼく自身は「読む手が止まらない」思いを味わい、文字通り「貪る」読み方をしてしまった。ぼくがこうして安定した、首尾一貫した伝統を持つ「母語」によって何かを伝えうること、その「母語」に織り成された自我を形成できていることがどれほど貴重なのか教わったのは収穫だと思う

  • 東2法経図・6F開架:B1/11/694/K

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著者プロフィール

一九四三年生まれ。お茶の水女子大学卒業。東京大学大学院修士課程修了。文学博士。埼玉大学名誉教授。文化功労者。古典語から現代語までの日本語の歴史を研究。特に『犬は「びよ」と鳴いていた』(光文社)、『ちんちん千鳥のなく声は』(大修館書店)など、擬音語・擬態語の歴史的研究は、高く評価されている。論文「源氏物語の比喩表現と作者(上)(下)」で日本古典文学会賞、『平安文学の文体の研究』(明治書院)で金田一京助博士記念賞、『日本語の歴史』(岩波書店)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。また、「日本語に関する独創的な研究」が評価され、二〇二二年に日本学賞を受賞。二〇〇八年紫綬褒章、二〇一六年瑞宝中綬章を受章。

「2023年 『日本語が消滅する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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