- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784378015644
作品紹介・あらすじ
「あなたにも、あるでしょう? あの長くて暗い時間」
自分の体に向き合いはじめたころに過ごす、
だれかに助けてもらいたくてしょうがない、
すべての女の子たちの、あの時間――――。
胸の大きな女の子――そのつらさは、なってみないとわからない。揺れ、重力、体に合わない服、好奇の視線、そして……。
ある事件に巻きこまれて、心に傷を負った14歳の貴和。叔母さんの家に身を寄せ、新しい学校でひっそりと目立たないように毎日を送っている。そんな貴和を、叔母さんや保健室の先生がそっと見守り、推しの女優の存在や、いつもそばにいる謎の「だれか」が支える。光の見えるほうへと、一歩ずつ進みはじめた貴和だったが――。
かつて少女だった大人たちのやさしさが、
成長の痛みと向きあう少女をあたたかくつつみこむ
著者会心の感動作。
感想・レビュー・書評
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子どもの頃、中高生の頃をきりはなさい大人でありたい。
心の揺れが繊細に伝わった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
#g65
#石川宏千花
#YA
#読了
めちゃくちゃいい作品。拍手したい。胸が大きいことを悩み、嫌な思いやこわい思いをしてきた中学生の貴和。友だち、通りすがりのおばさん、とみちゃん、保健室の先生、祭野踊子さんなどたくさんの優しさに触れ、誰かを守りたいという優しさを得て大人になってゆく。 -
おもしろいタイトルだな、と思ったら、ブラのサイズでした。中2の貴和は胸が大きいことが悩みで、それだけではなく、何か事件のようなことがあって、親元を離れて叔母の家に居候している。語りは貴和、意思を持つブラ、もう一人の巨乳・山田杏が入れ替わりながら進む。私はブラの語りは斬新!と思いながら受入れ可だったけど、山田杏のほうが、これは誰ですかという思いで読みにくかった。でも、最後には色々つながるので、大丈夫です。
胸が大きいとか、誘ってる服を着ていたとか、性的に被害者になっても、まるで被害者が悪いように言われがちな昨今、そこにも一石投じてると思うのですが、少し入れ子になりすぎていて、伝わりづらいところもあったように個人的には思えました。そして、その解りにくいのがすごくもったいないなぁと感じました。
自分の身体にコンプレックスを持ちがちなティーンに読んで欲しい一冊です。 -
【選書No】012
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タイトルどういう事かとおもえばそういうことね。友人がまさにこのタイトルどおり(なんなら➕1)で、この作品の中の子みたいにすごくすごく色々気にしていた。同じ悩みを抱える少女に優しく寄り添ってくれる物語だと思う。
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一番その辺を繊細に気にする年頃のYAで胸がテーマか、すごいなと思いながら読みましたが、傷ついた心が徐々に癒えていく話であり、友情の話であり、女性の連帯の話であり、想像以上に重層的ですごい話でした。ヒントはそろってるよ、分かるね! という若き読者を信頼した答え合わせもすごい。
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胸が大きいことを悩んでいる中2の貴和の心の支えは、学生時代に同じ悩みを持っていたという俳優のブログだった。
ある時、貴和に耐えられないことが降りかかり、貴和は叔母のいる東京の学校に転校した。
新しい学校でも目立たないように気を使って過ごすが、どうしても他人の目を気にしてしまう。養護教諭にはこの悩みを話せそうな気がしてきたが、貴和はなかなか心を開けない。
「おとなの女の人って、ときどき親戚みたいな人が交ざっている。」p.249
その中の一人になりたい。 -
急にブラジャーが喋り始めて萎えてしまって挫折してしまいました。
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ある事件に巻きこまれて心に傷を負い、十未子叔母さんのところに身を寄せている14歳の貴和
学校で目立たないようにひっそりと過ごしているが、また気になることが……
《〈胸の大きな女の子〉の苦悩、そして自立と再生の物語。》──帯の紹介文
貴和を気づかい支える叔母、保健室の先生、推しの女優、そして身近にいる“ペパ”
《かつて少女だった大人たちのやさしさが、
成長の痛みと向きあう少女をあたたかくつつみこむ
著者会心の感動作。》──帯の紹介文
揺れる中学生に寄り添うYAで定評のある石川宏千花の新刊
章ごとに語り手を変える構成の妙に奇譚のスパイスをふりかけて、2023年10月刊
サイトや帯、カバー袖の紹介文が絶妙すぎて、版元の力の入れようがハンパない
著者のTwitterからも紹介文をいくつか──
《面陳映えは間違いない装丁にしていただきました》
《女の子の体にまつわる受難のひとつが軸になってはいますが、その痛みや抜け出し方は、どんな悩みにも置き換えられる内容です。いまつらい人にも、かつてつらかった人にも……》
《なかなか冒険した内容のYA》
中学校の図書館必携、できれば小学校の図書館の高学年コーナーにも
ちなみに、この保健室にいる先生は魔女ではない
もひとつちなみに、「G65」はメルセデスともキーボードとも関係ない
著者プロフィール
石川宏千花の作品





