わたしのカラス研究 (やさしい科学)

著者 :
  • さ・え・ら書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (79ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784378038971

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  • 東京に多いハシブトガラス。ゴミを荒らすので嫌われるけれど、ハシブトガラスが東京に増えたのは、人間のゴミの分別マナーが悪いのでゴミ袋を黒い中身が見えないものから半透明にかえてからだという。視覚で欲しい餌を見つけるカラスにとっては中身が見える袋は便利で魅惑的だったと。ということは人間のマナーの悪さがハシブトガラスを惹きつけていることになる。
    ハシブトガラスのは外巣材として針金ハンガーを好んで使うのは、枝よりも木から落ちにくくて巣を作り始めるのに便利だから。でも最近クリーニング屋さんでもらうのはもっぱらプラスティックハンガーになってしまったからカラスはガッカリしているかも。近所のカラスの巣はまだ針金ハンガーをたくさん使っていたから、どこかの物干しで使っている家があったのだろう。
    ハシブトガラスがどんな時に人を攻撃するかも、興味深かった。目をあわせるとガンをつけていると思うのはカラスも同じなんだ。でも一度公園の側の道を歩いていて、わたしも後ろから蹴りをいれられたことがあるけど、目を合わせた覚えはないんだけどな。
    車にクルミをひかせるハシボソガラスは天才だけど、それほど文化は広がらなかったようだ。空から落として割るのはあちこちで見られる。わたしも見たことがある。

  • 身近過ぎて、ほとんど研究されてこなかったカラス。
    観察をしてみると、いろんなことがわかってきた❗
    カラスについて知ることも楽しいし、研究について知ることも楽しい。

  • 私の住んでるところでは、夕方4時、「夕焼け小焼け」(♪カラスと一緒に帰りましょう)の曲が流れます(^-^) カラスは今は嫌いな鳥の第1位だそうですが、長い歴史の中ではそうではなかったんでしょうね。清少納言の「枕草子」にも登場します。「秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさえあはれなり。」と(^-^)

  • 身近にいながらとんとわからないカラス,誰も大して興味も示さないので研究例も少ないという.そんなカラスに焦点を当てた一冊.
    クチバシの太いハシブトガラス,出っ張ってるおでことカーカーと澄んだ声で鳴く,英語ではジャングルクロウといい森で暮らすカラスという意味.
    ハシボソガラスはその名の通りくちばしが細い(もちろんハシブトと比較して),英語ではキャリーオンクロウといい死肉を食べるという意味だが,実際は植物質のものばかり食べている,開けたところに住み知的行動をとるのはこちら,ガーガーとしわがれた声で身をかがめ頭を上下しながら鳴く.
    カラスは脂身を好んで食べるが,食べ物の判別方法はもっぱら視認.中身がわかるようにとゴミ袋が透明になったがために餌を容易に発見でき食べ物にありつけるようになったため個体数が増えたのではないか,という説も.
    朝方は繁華街で食事,昼間は緑のある公園などで過ごし,夜は木の多い塒(ねぐら)へ.
    繁殖期は3~8月,二羽でいると相互に羽繕いしているのはつがいで求愛行動の一つ.
    針金は巣作りに大人気でしっかりとさせるために外側に使用される,内側はシュロや動物の毛など柔らかいもので構成される.
    巣立ちは巣から枝に移りまた巣に戻るを繰り返し,徐々に遠くまで離れるようになる.
    人が襲われるのは主に繁殖期だが,人を襲っているのではなく,ヒナを人から守ることが目的のため,集団で襲ってくるわけではなく1,2羽で,先に威嚇行動しそれでもダメなら実際に蹴るなどの行為を行う,カラスにとって人間は怖い存在なので,前からはやってこず必ず後ろから後頭部めがけて蹴りに来る.
    自動車にクルミを轢かせて割るなどは有名だが,ニューカレドニアガラスは枝を使いカミキリムシの幼虫を誘い出して捕ったり,特定の石の上の特定の枝を使い,それを照準器としてクルミなどを割る行為が確認されている.
    石鹸を盗むカラスが確認されたが,どうやら脂分をとるためらしい.
    ヤタガラスに代表されるように,かつてはカラスは嫌がられる存在ではなかったはずが,いつの間にか人間に忌み嫌われるようになり,受難の時代を迎えている.

  • テレビ番組を作っている著者が、都内で問題になってきたカラスを番組で取り上げ、その取材の中からわかった事を本にまとめてある。研究者と違ってデータの少なさは否めないが、素人が調べるってこういうレベルですし、当時、その専門家がいなかったようなのです。

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著者プロフィール

科学ジャーナリスト、1965年東京生まれ。東京農業大学農学科卒。番組制作会社に勤務し、ディレクターとして「生きもの地球紀行」、「地球!ふしぎ大自然」などのNHK自然番組を多数制作する。2005年からフリーランスとして本の執筆・監修、幼児対象の自然観察会講師、教員研修会講師などを行っている。著作は『動く図鑑move鳥』(講談社)、『わたしのカラス研究』(さ・え・ら書房)など多数。所属:日本鳥学会会員、都市鳥研究会幹事、千葉県昆虫談話会会員。

「2020年 『おもしろ生き物研究 世界のヘンテコ鳥大集合』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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