増補新版 ヘイト・クライム 憎悪犯罪が日本を壊す

著者 :
  • 三一書房
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本棚登録 : 18
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784380130120

作品紹介・あらすじ

憎悪犯罪を考える必読書。「ヘイト・スピーチ」は、言論でなく暴力と迫害だ!吹き荒れる差別排外主義に抗するために!

感想・レビュー・書評

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  • 1.前田朗『増補新版 ヘイト・クライム 憎悪犯罪が日本を壊す』三一書房、読了。日本における朝鮮人差別が生む「ヘイト・クライム」(人種・民族・国民的な差異をターゲットにして行われる差別行為とそうした差別の煽動)を取り上げ、政府と社会が繰り返してきた歴史と現在を見つめ、未来を展望する一冊。

    著者は表現の自由を守るためにもヘイト・クライムを処罰すべきと主張する。国債人権法の歩みを踏まえ、人種差別禁止法の必要性に触れるが、非常に説得力に富む。人種差別を正当化して他者の人格権を否定するヘイト・スピーチは言論ではなく紛れもない犯罪である。

    初版は2010年。本書は憎悪犯罪が席巻する昨今の事態に対応して憎悪新版として加筆された。関東大震災下における朝鮮人虐殺と現在の問題は通底していることを本書は丁寧に描き出す。ナチやルワンダの悲劇は対岸の火事ではない。「憎悪犯罪は社会を壊す」。

    政府は拷問等禁止条約に基づいて設置された拷問禁止委員会からの勧告に「従う必要はない」と閣議決定した。暴言は過激デモだけでなく政治家、そして日本政府の問題でもある。どんな差別も罵声も自由だと勘違いするのは政府の姿勢にも原因がある。

    。朝鮮人差別とヘイト・クライムの現在を冒頭で紹介、歴史的なコリアン・ジェノサイドの系譜を訪ね、国際人権法の歩み~人種差別禁止法の制定へ向けた人種差別との闘いを展望する構成。「責任としての抵抗」は如何にあるべきか。本書は基本書の1つになろう。

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著者プロフィール

 1955 年、札幌生まれ。中央大学法学部、同大学院法学研究科を経て、現在、東京造形大学教授(専攻:刑事人権論、戦争犯罪論)。朝鮮大学校法律学科講師、日本民主法律家協会理事、NGO 国際人権活動日本委員会運営委員、救援連絡センター運営委員。
 著書に『増補新版ヘイト・クライム』、『ヘイト・スピーチ法研究序説』、『ヘイト・スピーチ法研究原論』、『ヘイト・スピーチと地方自治体』、『憲法9条再入門』、『なぜ、いまヘイト・スピーチなのか』[編]、『ヘイト・クライムと植民地主義』[編]、『思想はいまなにを語るべきか』[共著](以上、三一書房)、『軍隊のない国家』(日本評論社)、『パロディのパロディ─井上ひさし再入門』(耕文社)、『旅する平和
学』、『メディアと市民』、『思想の廃墟から』[共著](以上、彩流社)等。

「2020年 『新にっぽん診断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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